「そばとツユ・ダシとうどん」 | 福盛貴弘の脳炎日記

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まずは、予告編2編をご覧ください。

うどん・そばのツユは薄いのと濃いのどっちがいい? ブログネタ:うどん・そばのツユは薄いのと濃いのどっちがいい? 参加中

私は薄いの派!


うどんにせよ、そばにせよ、その土地に合った食い方をするのが一番である。
また、麺の味や太さや腰によっても違うし。

ただ、生まれ育った味が身体になじんでいるのは確か。
だから、そういうところで好みの差は出る。

例えば、すうどんであれば、大阪の薄味のものが好き。
もりそばであれば、東京の味が好き。

地方うどんや、地方そばのそれぞれの食べ方は、それなりに合っていると思う。
合わない場合は、きっとその店の大将の腕が悪いのだろう。



かけうどん
※すうろん(博多うどん)


丸天うどん

※丸天うろん(博多うどん


小山うどん

小山うどん


月見うどん

桜島フェリーの月見うどん







→ 「脳と全国とうどん」




うどん・そばのツユは薄いのと濃いのどっちがいい?
  • 薄いの
  • 濃いの

気になる投票結果は!?




さて、今回の質問で少し気になったことが。
「ツユ」が薄いか濃いかという聞き方で少しひっかかる。

そもそも「ツユ」に薄いものがあるのか。
また、「ツユ」とは何なんだろうか。





ざるそばはツユにつけて食べるものだと思っている。
そこでつけられるものはダシ(出汁)でもシル(汁)でもないと思っている。

ざるそばをつけ汁につけてというのは、私にとっては変である。
かけそばの出汁という言い方も、私はあまり耳にしない。

うどんはツユでもかまわないが、ダシでもシルでもかまわない。
これは個人差や方言差があるように思える。

私の場合、すうどんならダシの方があい、ツユでもまあ使えるという程度。
すうどんでシルは言えなくはないが、やはりダシが優先される。

具がごちゃごちゃ入ってるうどんやと、シルの方があう。
みそ汁の延長で、麺というより汁物だからシルと言う気がする。

今しているのは、ややこしく言うと、麺料理に使用される液状の調味料の話。
これの上位概念は、共通語ではツユであろう。

そして、ツユはカエシとダシから作られる。
このあたりに、私にとってのツユとダシの使い分けのヒントがある。

「東京のうどんは真っくろーて食えるか。」
「なんで、うどんのダシが黒いねん。」

こういった大阪人のある種のステレオタイプ的発言にもヒントがある。
ちなみに私はこの類の発言はしない。

嫌なら食わなければいいだけのことなので。
黒いからが本当の理由なら、ひじきもごまも海苔もイカ墨も食えなくなるんで。





私の中ではすうどんとかけうどんは別物だと思っている。
それは麺の問題ではなく、すうどんはダシ、かけうどんはツユだからである。

東京人は共通語あるいは東京方言で、汁状の調味料をツユと言う。
それに対して、大阪人は大阪方言で、麺類の汁状の調味料をダシと言う。

これは、色が関わっていると思う。
ツユはカエシとダシでできている点から考えてみる。

カエシにおいて、濃い口しょうゆで濃い色が付けられる。
大阪のうどんでは、この色を嫌うため、薄口しょうゆを使うことが多い。

なんで、カエシ(=濃い色)とダシの総合体がツユ。
これが共通語の用法。

大阪では、濃い色をつけず、出汁の味を味わうことに重きを置いている。
よって、ツユ-濃い色=ダシという引き算の式による結果、ダシと呼んでいる。

だから、ツユはそもそも濃いものである。
だから、私には「ツユが薄い」がなじめない。

薄いツユと言われると、基盤になる味がないと頭に描いてしまう。
色が薄いが、しっかしした味が出ているものがダシである。

ただ、ツユを薄めるなら、それほど問題ない。
そばつゆを蕎麦湯で割って飲むのがそうだから。

また、「ダシが黒い」という言い方は、共通語ではなじまない。
ダシがツユの意味で用いられていないからである。

私はダシとツユは薄いか濃いかで使い分けている。
あくまで好みの問題だが、すうどんはダシ、そばはツユで食うのが好きである。

そして、共通語に合わせていう時は、「すうどんには西のつゆがあう」と言う。
このあたりは、私の中でスイッチを切り替えてものを書くことが多い。

長々と書いてきたうどんとそばのつゆの方言話はそろそろこのあたりで。
麺は伸びないことが大事なんで。











→ 「脳とハイカラとたぬき」






【追記】

やや蛇足。そうめんや冷麦はツユで食う。
天ぷらにつけるのは天つゆ。

ツユなんで、ある程度色がついてる。
だから、めんだしやめんじるでも、天だしや天汁でもないんだろう。

ラーメンには、スープという言い方がなじむ。
ラーメンつゆ、ラーメンだし、ラーメンじる、どれもなじまない。

支那そば、中華そばでも、そばつゆではない。
中華料理を日本風にアレンジし、西洋料理の用語という構図はおもしろい。

つけめんは、スープというよりはつけ汁かもしれない。
薄いツユという意味の方ではなく、汁物の延長だと思うから。

そして、つけ汁はそのままで飲むと濃いから、スープ割りをしてもらう。
スープをスープで割るのが変だから、スープだと思わないのか?

一方で、鴨せいろ蕎麦やつけ鴨うどんなどにつけるのはつけ汁である。
しかし、つけめんのつけ汁よりは明らかに薄い。

薄いからといって味が出ていないわけではない。
「汁(シル)」に関しては、またの機会に改めて考え直す