特別区マニフェストの真相②母体が小っちゃいほど金を生みやすい=削りやすい | どうなってんの?大阪都構想

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いわゆる大阪都構想のこと、もっと知りましょう。

ここからは、動画 2014 08 08 橋下徹大阪市長記者会見(第2部 政務会見)の書き起こし②です。

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記者A:

いや、それがね、一つの区だけが例えば延伸を言ってて、他の区はそんなインフラ要らずに住みやすさとか言ってるんならまだしも、どこもがLRTとか延伸とか言ってたら、それだったら今の市役所体制よりもっとお金かかることになるじゃないですか。

 

橋下:

違いますよそれは。削るものを細かく細分化しないと削れないじゃないですか。じゃあ敬老パスこの区はじゃあ無くしていきますよってことは、ある特定の地域だったら出来るかも分からない固定資産のその減免とかについては、ボクは減免廃止にしたけども、もっと踏み込んでやるっていうことも大阪市全体では出来ないんですよ。今やっている改革は限界。だけれども、受益と負担の関係が目の前に来て、こんな利益があるんだったら、じゃあ給食やめましょうとか、こういうことやめましょうとか、敬老パスやめましょう。そういう話にそれは政治の話の中で持って行きやすいんです。それはだから比較優位の話だから、今の大阪市役所体制よりも、そうやって細分化したほうが、受益と負担の関係を示してやりやすくなるでしょう。どっちのほうがやりやすいと思いますか、そしたら。受益と負担の関係で、住民の皆さんに負担を求めていくのは、今の大阪市役所体制、5区に分かれたほう、区長になったら、区長と市長とどっちのほうがやりやすいと思いますか

 

記者A:

だから、インフラ以外のものについてはね、それはあのそれぞれの区にあわせてやりやすくなると思いますけれども、インフラに関してはもう膨大なお金がかかって5区全部がそれ言ってたら、これはやっぱりやりやすくなるとは思わないです。

 

橋下:

いやいや、金を生み出して、それは市長をやったことないからですよ(←定番のセリフ)。それは、それやったことないから。それは今の大阪市役所抱えといて、そんだけの金を生み出せっていって260万人全員に対するサービスとかを一律にね、削っていくなんてこれは無理です。調整できません。

 

記者A:

だって全区で削らないと出来ない訳ですから、260万人に削ってるのと同じことを出してるというふうに思いますけども。

 

橋下:

違いますよ。だってそれ、全区、インフラとか何とかっていっても、その地域にとって一番メリットにあるようなことを言ってるんですから、削るものもそれぞれ違いますよ。それぞれの地域で。それ、出してることに関してね、記者のほうは、金をじゃあ「全区で出来ますよ、全区で出来ますよ」って言いますけど、じゃあ何削るのかって言ったら、例えば敬老パスっていったら全区でこれやらなきゃいけないんですよ。ある所は敬老パスは残してくれ、うちは要らないってとこも出てくるじゃないですか。だから、どっちのほうがやりやすいかってことになるんですよ。それは、市長・区長にならないから分からないですよ(←定番のセリフの繰り返し)、それは。それは例えば敬老パスの問題で、同じ50億円、じゃあ金を生み出すっていったときに、大阪市民全員が敬老パスいらないって言うと思いますか。もしかしたら特別区のある区だけだったらそれを要らないって可能性はある

 

記者A:

だからね、これあの一つの区がね、そら、例えば延伸を言ってるんなら、じゃあ他の区では敬老パスを残しましょうっていう話になりますけども、どこの区もLRTとか延伸とか書いてるから言ってるんですよ。

 

橋下:

違う。じゃあ削るほう考えてください。だから、ある区は敬老パス(廃止)で金を生み出してくるかも分からないけども、ある区は違うことで金を生み出してくる可能性あるでしょう。医療費助成の縮減とかいう。それを全区でやれってったら無理なんです。だからちょっと論理がおかしいですよ。医療費の、今40億とか50億かかってるものに対して、じゃあ30億金を生み出そうってったときにね、今の大阪市長っていう立場で医療費助成に手つけるってたら260万人全員に対して医療費縮減しなきゃいけないんですよ。反発いっぱい来ますよ。でもこれを5区に分かれていたらね、ある特別区は医療費の縮減で金を生み出すかもわからない、でも4区はね、「いや医療費の縮減は、やっぱりこれは絶対守らなきゃいけない」「じゃあ何で金を生むの」っていったら、そしたらその北区のほうはね「敬老パスで金を生みます」「でも医療費のほうは維持します」と言うかも分からない。で、この南区のほうは、「いやいや、うちは医療費の、あの、敬老パスのほうで、えーまた別のことでね、じゃああの、あい…、あの、塾代助成をやめてね、その代り敬老パスも医療費助成もね維持する」。要は、金を生み出していくときっていうのは、母体が小っちゃければ小っちゃいほど金を生み出しやすいんですよ。

 

橋下:

だから、日本全体で金を生み出していくといったときに、じゃあ何で生み出すのか。高齢者医療の負担を増やすことで金を生み出そう。これは大変な話ですよ、日本全国でやろうと思ったら。しかし、ある地域ごとで分割すればね、「いや、うちは高齢者医療を負担することで金を生み出しますよ」「いやいや、うちはね高齢者医療は下げるけれども、この部分についてね、何か公共工事のこの部分について金を削っていきますよ」と。そういう話が1区よりも5区のほうがやりやすいでしょう、ということが立証できればそれで良いわけですよ。

 

記者A:

それについては、だから、ニアイズベターのメリットというのは分かったんで、それは優位性というのは分かりますけれども、だから、

 

橋下:

金を生み出すってことも一緒ですよ。どのサービスを削るのかっていうのは。260万を単位にするよりも、50万単位のほうが、それはやりやすいですよ。各地域でそれぞれのニーズにこたえてやればいい訳ですから。今ボクが金を生み出そうと思ったら、医療費助成に手をつけますよって言ったら、天王寺区だけ医療費助成やめますとはいかないわけですから。

 

記者A:

まあ分かりました。あのそこのメリットについては分かりますけれど、やはり何かをやめるということを示さない限りは、絵に描いた餅を全て出来ますというふうに言われたんでは、これは都構想のメリットとはならないというふうに思いますので。

 

橋下:出来ますじゃなくて、優位性を示してるんです。そういうことが、やるチャンスが増えるでしょうということです。今よりも、今よりも。

 

記者A:

はい、そういう言い方で、そういう言い方で言って頂ければ良いかとは思いますけれども。

 

橋下:

そうでしょう。

 

記者A:

はい。分かりました。はい。(記者Bの質問に続く)

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「金を生む」とは、住民サービスを削ってお金を浮かせることだったのですね。そして、260万人の大阪市のままではやりにくいので、母体を小さくしてお金を生み出しやすくするのだそうです。大阪都構想とはそういうものだったのですか。