話す仕事を始めて30年という、ラジオパーソナリティ・つボイノリオさんに、心に響く話し方・伝え方について、お話を聞きました。
つボイさんは深夜番組でデビュー。
現在はCBCラジオで、月曜から金曜の毎朝3時間、生放送を担当し、リスナーの心をしっかりとつかんでいらっしゃいます。
現在はCBCラジオで、月曜から金曜の毎朝3時間、生放送を担当し、リスナーの心をしっかりとつかんでいらっしゃいます。
ラジオから一方的に喋るのではなく、リスナーから届くメールを瞬時にとり入れ、意見交換が出来る双方向性の番組です。
30年の間には、「何度もクビになりかけましたよ」と笑いながら語るつボイさん。
この間、大切にしてきたことは何なのかたずねてみました。
その答は「一生懸命お便りやメールを紹介すること。書いてある人の気持ちになり、決して手を抜かないこと」だそうです。
番組に、1日に届く枚数はなんと500通。
そのすべてに目を通していらっしゃるのです。
そのすべてに目を通していらっしゃるのです。
要する時間は毎日約7時間、これは大変な作業です。
インタビューさせていただいた時も、机の上にA4用紙が山のように積まれていました。
ところどころに付せんが貼られ、明日の番組の準備に追われているようでした。
大ベテランのつボイさんが語る「一生懸命」とはこうした丹念な準備を指していたのです。
さらに、上っ面や建前で放送していると、おなじように上っ面のお便りが届き、番組自体が安っぽいものになってしまう。
自分のすべてをかけ、相手の気持ちに寄り添っていくことが肝心だと強調されました。
「ガンが再発して…」と病状についてびっしり書かれたメールが送られてきたことがあったそうです。
こうした人には元気づけるだけでは不十分で、何が一番つらいのか、何が救いになるのか、病気に対する知識も踏まえ、読み取るよう努めてこられたそうです。
番組には政治経済や社会現象など新聞の一面を飾るようなメールも届きます。
どの話題もきちんと紹介できるように、日々勉強を重ねておられるそうです。
番組は「社会の縮図」とおっしゃる言葉の裏には、何でも来い、何が来ても心で答えることが出来るという意気込みと自信が感じられました。
つボイさんの言葉には、相手も一生懸命にさせてしまう力があります。
これこそ入れ替わりの激しい業界でリスナーからの支持を受け続け、現在の番組を13年という長寿番組に育てあげた秘訣だと思いました。
形あるものを表現するのは簡単でも、人の気持ちのように見えないものを言葉で表すことは大変難しいものです。
だからこそ、相手の気持ちになってどこまで考えられるかが大切なことだというお話には説得力があり、私の中で何度も思い返しています。
さらに、「全身でしゃべる、身振り手振り、体を使って話してみる、そうすれば思いは伝わるはずだ」というアドバイスも頂きました。
十数年ぶりにお会いし、1時間ほどインタビューをさせていただきましたが、私の質問一つ一つに丁寧に答えて下さいました。
これぞまさしく手抜きなく、一生懸命、全身を使い、大先輩が身をもって教えてくださったのです。
つボイさん、ご協力ありがとうございました。
次回はこの「心に響く話し方・伝え方」の最終回。
私からのメッセージを、心をこめて「一生懸命」お届けしますので、ぜひご覧になってください。
私からのメッセージを、心をこめて「一生懸命」お届けしますので、ぜひご覧になってください。