「フィジカルを強くするとスピードが落ちる」
「筋肉をつけるとスピードが落ちる」
マリノスの中村俊輔選手や中澤佑二選手はそう言ってましたが、果たしてこれは本当なのでしょうか?
次の高校生のスペックを見ると、一概にそうとは言い切れないのではないかと思います。
▼竹中祥(桐蔭学園ラグビー部)
175cm、82kg、体脂肪率10%
50m/6.0秒
100m/11.9秒
ベンチプレス/100kg
ハーフスクワット/250kg
極端な例かもしれませんが、竹中選手のフィジカルだけなら、現時点でもサッカーで世界トップクラスに近いフィジカルを持ってます。その一方で、スピードもかなり速いです。仮に体重を10kg落としたら、100m11秒前後はいくのではなないかと。すぐにトップスピードに至る瞬発力も結構なはず。
実際、これまで中村選手および中澤選手はそこまで本気で肉体改造をした経験はないわけで、つまるところ「フィジカルつけるとスピード落ちる」って話は、ちょっと先入観や思い込みも入っちゃってるのかな、という気もしてきます。単に、食わず嫌いなだけ。
遠藤保仁選手については、若い頃にフィジカルを真剣に鍛えてこなかったことを、とても後悔しているとのことです。
またこの件について、マンチェスター・ユナイテッドの専属トレーナーであるMike Clegg氏は、
記者の「どうやったらスピードを落とさずに筋肉を増やせるのか?」という質問に対し、
「増えた筋肉がスピードを遅くすることはない、むしろスピードが改善する」と断言しています。
これを車に例えれば、確かに同じエンジンを搭載した車では、車体が重くなれば当然スピードは落ちますが、
筋肉をつけるということは、エンジンそのものをグレードアップするということです。つまり車体が重くなっても、それ以上にエンジンやステアリングの性能が向上すればスピードは維持できますし、トレーニングの質次第では以前よりスピードアップも可能ということです。動き・小回りのいい装甲車仕様の最速・最強F1カーに近づいていくイメージ。
「筋肉が増える」というのは、セルにボコボコにやられたトランクスの使えない筋肉のイメージもあって、どこか抵抗も感じるかと思いますが、
科学的トレーニングの発達により、そういう走るエンジンや切り返しのステアリングを向上させるトレーニング手法もどんどんレベルアップしています。体幹トレーニングなどは、その1つとも言えます。
筋肉を増やすと言っても、使えないボディビルダーみたいになるのは問題ですが、バランスよく鍛えてクリスティアーノ・ロナウドのような筋肉をつけるのは当然プラスになります。
ロナウドのトレーニング内容は既にお話してきましたので、よろしければもう一度ご確認ください。
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