東京ヴェルディvs町田ゼルビア/天皇杯2回戦 | ブログ

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うちから西が丘サッカー場まで水色スクーターにまたがって20分程度。

スタジアムが近いって素晴らしい。

このスタジアムはうちから近いだけでなく、客席とピッチまでの距離が近いのも素晴らしい。

大好きなスタジアムのひとつである。


9月5日(日)、東京ヴェルディvs町田ゼルビア。

天皇杯の組み合わせがリリースされたときからワクワクしていたカードである。

「J2枠」の東京Vと「JFL上位枠」の町田は、

1回戦をシードされ2回戦でいきなりぶつかることがトーナメント表発表の時点で決まっていたのだ。


試合当日、町田の公式HPをチェックすると、

因縁深い対戦に懸けるクラブの思いが表明されていた。

コピペしようと思ったが、すでに見当たらなくなっているので

おぼろげな記憶を頼りに要旨だけを下記に記す。


1977年に結成された町田市の少年団選抜チーム。

結成当時の目標は「読売クラブや清水FCに勝てるようなチームになろう」だった。

80年代からジュニア、ジュニアユースのカテゴリーでは

互いに凌ぎを削り合って来た両クラブであるが、

トップチームの歴史は比べられるレベルになかった。

だが、ついに時は来た。

天皇杯本大会という最高の舞台で

トップチームが33年分の思いをぶつける。


こんなようなことが書かれていれば、

部外者である筆者の涙腺だって緩むというものだ。


ところが同日、

それとは別の事情で選手のモチベーションに影響を与えるような事態が起きていることが公式HPでアナウンスされた。


町田の来季のJリーグ加盟が見送られたというのだ。

5日時点で理由は明らかにされていなかったが、

2日後に開かれた会見でスタジアム基準が満たされず認可されなかったという説明がなされている。

町田をJリーグに上げるためにこのクラブにやってきた選手たちの落胆ぶりは想像に難くない。


大一番に向けて気持ちが切れてしまうか、

はたまたその思いを発奮に変換するのか、

選手たちの気持ちがどちらに転んだのかはキックオフの笛を聞くまで分からなかった。


午後7時キックオフ。


町田は立ち上がりからかなり積極的にボールを追い掛け回していった。

相馬監督は序盤から飛ばし気味のペース配分を見て

「おいおい後半もあるんだぞ」と思ったという。

あの暑さの中、序盤からすばやく相手に寄せていけたのは

選手のモチベーションがそうさせたとしか思えない。

相手ボールになると前線から中盤にかけて激しいプレスをかけ

ボールを奪うや適切な距離関係を保った中盤がしっかりボールをキープしつつ

簡単に縦に入れトップに預ける。


この日トップに入った勝又と木島のプレーは文句のつけようがなかった。

中盤の援護がもらえそうなときは簡単にはたき、

自分で仕掛けた方がチャンスが広がりそうなシーンではドリブル突破を図る。

シーンごとにお互いのポジションを入れ替え、

相手センターバックのマークを混乱させることにも成功していた。


トップにしっかりボールが収まるので中盤から最終ラインまで

適切な関係を保ったまま押し上げることができ

パスも面白いようにつながる。

前半30分過ぎまでは完全に町田の時間帯だった。


しかし30分を過ぎたあたりから、町田に攻め疲れが見え始め

東京Vも徐々に個人技からチャンスを作り始める。

組織プレーでは圧倒していた町田であったが、

1対1の個の局面となると、やや東京Vの方に分があった。

特に河野のドリブルは東京Vにとって大きな武器となっていた。


町田は飛ばし気味でゲームに入った。

しかし攻め続けたにも関わらず得点できなかった。

そのツケがこれから回ってくるだろうな、

などと展開を予想していたら

前半37分に河野がラフプレーで一発退場となってしまった。

反転するときに肘を使い、それが危険なプレーと判断されたようだ。

筆者はイエローかなと思ったが、

隣に座っていた某解説者さんは即座に「レッドだ」と叫んでいた。


これはヴェルディにとっては非常に苦しい。

守備面に関してはただでさえ中盤を制圧されているところで

さらに1枚減ったわけで

攻撃面に関しては唯一の光明とすらいえた河野の高速ドリブルを失ってしまったのだ。

川勝監督は前半終了まではシステムを4-4-1で乗り切った。


前半が終了すると、東京Vサポーターから大ブーイングが起こる。

格下相手に押されぎみの試合展開に対して何とかイレブンを鼓舞したいという気持ちだったのだろう。


後半、東京VはDFを1枚削ってシステムを3-4-2に変更してきた。

後半半ばくらいまで4-4-1で粘るかと思いきや、

川勝監督は後半頭から勝負に出てきた。

しかし、3バックになってサイドのスペースが広がれば町田の両サイドバックが黙っていない。

特に左サイドバックの斉藤広野は果敢なオーバーラップを何度も繰り返し

東京V守備陣に圧力を加えていった。


パスワークや個人技での中央突破やDFのオーバーラップによるサイド攻撃など、

厚みのあるアタックを繰り返す町田に対し

東京Vの守備陣は3バックの中央に入った菅原智を中心に最後のところでギリギリ跳ね返していたが、

後半28分、ついにゴールマウスをこじあけられる。

ペナルティエリア正面でボールを受けた柳崎が

右に位置取っていた山越(後半15分投入)へ浮き球のパス。

これをダイレクトで豪快に振りぬくと、ボールは一直線にゴールネットに突き刺さった。

町田サポーターが陣取っていたスタンドの一角が揺れる。

町田先制、1-0。


こうなると試合のペースは大方町田が握るようになる。

時間稼ぎに走る町田と、焦る東京Vという構図。

特筆すべきこともないままタイムアップの笛が鳴り響く。


ちなみにこの日は「FIFAフェアプレーデー」ということが試合前にアナウンスされたが、

両軍合わせて7枚のイエローカード、2人の退場者が出すという何ともシュールな結果となっている。

東京Vサポーターは「レフェリー!レフェリー!クソッタレ!」コールを浴びせていた。


試合後の会場には消防車1台、救急車1台が来ていたが何が起きたか正確な情報は分からない。

サポーターが熱中症だとか、柵から落ちて怪我をしたとか、いろんな噂を聞いたが、

なんで消防車なのか謎のままである。


Jリーグ加盟が見送られたことが発表された日に、東京Vに勝利する。

9月5日は町田サポーターにとって、何とも複雑な日として記憶されることになるのであろう。

町田のJリーグ加盟見送りについては、また別項で取り上げる。



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