【速報】東京工業大学 | 2015年大学入試数学 | 東大数学9割のKATSUYAが販売する高校数学の問題集

【速報】東京工業大学 | 2015年大学入試数学

●2015年大学入試数学評価を書いていきます。今回は東京工業大学です。

いつもご覧いただきまして、ありがとうございます。 KATSUYAです^^

国公立が試験を開始しました。同時開始なので、すべての大学を即日UP出来ませんが、今の時期は、国公立ラッシュのエントリーになると思います^^;



2015年 大学入試数学の評価を書いていきます。


2015大学入試シリーズ第40弾。
国立シリーズ、第17弾。

東京工業大学
です。


問題の難易度(易A←→E難)と一緒に、典型パターンのレベルを3段階(基本Lv.1←→高度Lv.3)で書いておきます。

また、☆は、「解くとしたらこれがいい」というオススメ問題です。


難易度の指標は、こんな感じです。


 

D・・・難関大学でも難しい部類の問題。

E・・・超高校級の難問。試験場では即捨てOKの問題。



また、解答までの目標時間を、問題ごとに書きます。※目標時間=解き方を含め、きちんと完答するまでの標準的な時間です。



したがって、目標時間を全部足すと、試験の制限時間を越えることも、当然ありえます。



同時に、その時間の2倍考えてもまったく手がつかない場合は、ヒントや答えをみるといい という目安にしてください。




東京工業大学 数学 
(試験時間180分、5問)


全体総評・合格ライン


まず、構成についてです。5問とも大問の形式が踏襲されました。
ここ数年では、初めて昨年の構成が踏襲されたので、これが続くと思われます。

2011年:大問4問150分
2012年:小問集合2問+大問4問180分
2013年:小問集合1問+大問4問180分
2014年:大問5問180分
2015年:2014年に同じ
 


昨年、次のように述べました。

「3年前から比べると、「大問が1問増え、30分増えた」となっています。なんとなくですが、これで落ち着きそうな気がします。」

実際、落ち着きましたね^^

出題はⅢから3問、数ⅠⅡABから2問。こちらも昨年と同じ構成です。





次に難易度。昨年より難化でしょう。
第3問の積分計算は誘導がある程度ついているとは言え、大学で習う有名な積分が題材で、苦しい。(なお、知っていてもあまり役にたちません。) 穏やかなのは第2問ぐらいですが、指定された誘導では計算量だけが膨れます。昨年よりも、完答できそうなものがないセット。


でも、昨年が割と穏やかなだけで、これでも例年に比べればましな方かと思われます。



試験時間180分に対し、
目標解答時間合計は195分。(昨年は165分)


昨年より30分多く、制限時間オーバー。しかし、200分オーバーの年も結構ありますので、これで普通と思っておいた方がいいでしょう。




■合格ラインですが、

第1問 (キー問題)
数列。(1)は東工大受験者なら誘導なしでも落としてはいけない。(2)はk+1にもっていけたか。そして、(3)は下からもはさめたか。



第2問 (45点以上)

四面体の空間ベクトル。計算がややこしいだけで、問題からやることは1本道。完璧でなくても、頑張って確保したい。



第3問 (15点以上)
回転体の体積、その切り口の面積評価。(1)は出来るはず。(2)以降は何をすればいいのか路頭に迷った受験生が大半か。



第4問 (キー問題)
(1)は取れる。(2)はグラフで考えると割と平易。数式でも単調性を利用して評価可能だが、ここの出来は大きな分岐点。




第5問 (25点以上)
(1)、(2)はある意味当然に近いが、どこまで説明できたか。あらくてもいいので、何かかけたはず。(3)になると、答案を作成するのは難しいか。


キー問題両方確保できれば、190点ぐらいとれます。両方後半を落とすと、130点ぐらいとなってしまう感じでしょう。 どちらかを取るあたりがボーダーでしょうか。。










☆第1問・・・数列と極限、漸化式(BC、30分、Lv.2)


分数式型の数列の漸化式、不等式の証明、および極限に関する問題です。分数式型は誘導なしですが、本学受験者であれば出来なければいけません。(2)、(3)勝負どころでしょう。


(1)はこちらの原則です。このタイプも、ちゃんと原則があります。

Principle Piece B-19漸化式(分数式型その2)
→ 特性方程式を作って等比型か分数式型その1(B-18)へ

(Principle Piece 数学B 数列 p.46、詳細割愛)
(分数式が書きにくくて・・・^;)

今回は特性方程式の解が重解なので、後者になります。

(2)は数学的帰納法です。nに関する命題なので。


Principle Piece B-22nに関する命題は数学的帰納法で

(Principle Piece 数学B 数列 pp.50-57)


n=kからk+1にするのが少ししんどかったかもしれませんが、分母は1式にできますので、そこから分子をちぎって分けていけば、普段の不等式の帰納法証明と同じ方法でいけました。


(3)はおそらく「3」なのでしょう。では、3以上であるという必要があります。anが3より大きいことに気づけば(帯分数にすれば一瞬で分かります)これも出来ましたね。



※KATSUYAの解いた感想

漸化式、誘導なしか。まあ東工大やし、当然か。(2)は普通に左辺をk+1のときに合わせて、右辺のk+1のときの差でいけるんやろな、、通分メンドクサイ^^;(3)はあと、下からも言えればいいのね。あ、an>3やん。簡単やわ。解答時間18分。













☆第2問・・・空間ベクトル、四面体の体積(B、35分、Lv.2)


典型的な、四面体に関する問題で、今年のセットを考えるとこれは落とせません。変数「x」が入っていますが、6辺が分かっているので、空間ベクトルの解析に必要な情報は全て得られます。であれば、怖いものは基本的にはありません。


Principle Piece B-49四面体問題
→3つの長さ+内積3種で準備万端に

(Principle Piece 数学B ベクトル p.63)


内積を求める際にも、こちらの原則で一瞬で出せます。



Principle Piece B-53平面への垂線
[1] 1-s-t,s,t の係数
[2] 2ベクトルと垂直

(Principle Piece 数学B ベクトル p.75)


内積にxが入ってきますが、連立方程式は明らかにqとrに関して対称ですから、引けばq=rと分かります。立体の対称性からしても明らかですね。なお、分母に文字式入りますので、この段階では1/2<x<2(各三角形の成立条件) を断っておきましょう。


また、AH’のほうはそもそも2文字しかないので、[2]だけつかえばOKですね。これもs=tが見えます。


(2)はAHとOBCのほうが使い勝手が良いでしょう。式はおもったよりスッキリし、ルートの中をx^2の2次式で平方完成です。ただし、x=√2が1/2<x<2に入っているからといって、四面体が出来るとは限りませんので、「こんな感じで出来る」、ということは断っておきましょう。 



※この断りなしでで大きく引かれるとしたら、唯一完答できそうな問題で引かれることになりますので、ボーダーはさらに下がるでしょう。。。



【N.B.】
四面体の存在範囲は、実は1/2<x<2よりもう少し範囲が厳しいです。BCの中点をMとしたとき、△OAMの存在範囲として出すことになります。 







※KATSUYAの解いた感想

ただのベクトルやん。6辺分かって・・・x入ってるからメンドそう^^; でもここまで書いてあればいつもどおりの原則でやるしかないな。目的が(3)だけなら、もっと簡単に出来るような気もするが^^;計算だけ膨れる。(3)は√2と分かるが、市四面体ができるかというと、、、できるな。垂線がOと一致するときってことね。解答時間23分。











☆第3問・・・積分、回転体の体積、断面積と不等式(C、55分、Lv.3)

回転体の体積、および断面積に関する問題です。断面積は積分計算できませんので、評価になっていますが、右辺の形を見ても何をどうすればいいのか分からなく、体積計算だけにとどまったかもしれません。


数IIIまで終えている人は、下を見る前にじっくり考えてチャレンジしてみましょう。2時間ぐらい考え込んでOK。





(1)のy軸回転体はx^2dy とすればいいでしょう。下の円柱を忘れずに。

(2)は難しいですね。事実上、xyz(zは紙面の奥から手前)空間における曲面上の点が満たす式(曲面の式ってことです)を出すことになります。微妙に範囲外な気が・・・^^;

これを出すことが出来れば、面積の式は右辺と形が似ていますので、何を比べているのか分かったと思います。


(3)は、左辺がVの平方根ですので、(2)を-a~aまで積分すれば体積になって、右辺は2乗になって確かに合うことがわかります。それだけでも書いておくべきだったかもしれません。 


※この不等式により、a→∞において その積分値は√π であると分かります。大学以降の積分で出てくる、有名な事実です。





※KATSUYAの解いた感想

不等式だけ見て、お、有名事実の証明か。何をさせて証明に持ってくる??と思いながら読む。(1)は体積。体積出して証明させるの?(2)は断面積の評価。出し方を知っていると曲面の式を出すのはそんなに難しくないので、さくっと評価。これ、受験生には厳しいんでは?? これと(3)をみて、「へぇ、こんな風にすれば求められるのね。」と思うも、曲面の式は若干数学を逸脱した感が否めないので、無理がある気がした。解答時間20分。











☆第4問・・・微分法の応用、速度ベクトル、極限、方程式の解の評価(B、30分、Lv.2)

速度ベクトルと位置ベクトルのなす角、および速度ベクトルのx成分に関する方程式の解評価で、ほぼ独立。(考え方によっては使えたみたいですが^^;) 微分法をがっつり持ってきた感じです。


(1)はベクトルのなす角なので、内積出して∞でゼロだから角度としてはπ/2 になる、という流れが良いでしょう。内積の式は意外とキレイです^^

(2)は、あまり(1)は関係ないようです。単純に解の評価をしますが、微分したりしてもtsint どがいつまでも一緒にくっついてくるので、増減はなかなか調べにくいので、割と難しいと思います。

cos t=0になることはない、と言い切った後で、2/t=tan t とするのが一番よかったと思います。 この2つのグラフを書けば、ほぼ明らかです。どちらのグラフも単調性があるので、これはさすがに明らかとしていいでしょう。





※KATSUYAの解いた感想

また数IIIね。疲れてきたけど^^; (1)はなす角かな。(2)は=0で解吟味やけど、ちょっとこの関数は微分しても先が見えない。別の変形を考えるか。tと三角関数は分けたいな。cost、tともにゼロにならないな。よし。じゃあ分けれる。グラフを書いてほぼ明らかだったので、気づけば楽勝か。解答時間12分。












☆第5問・・・整数、最小公倍数、最大公約数、論証(C、45分、Lv.2)

中ボスクラスの論証問題。ドラクエで言えば、前半と後半の分かれ目あたりに登場するボスってところでしょう(苦笑)。(1)、(2)、(3)と形態は変化していきます。(3)の形態は結構強いです。



内容としては、整数から、新しく関数f(a、b)を定義して、それに関する論証となります。全問論証なので、このf(a,b)やa,b、L,Gの関係性を、試験場ですばやく読み取る必要があります。



nの約数ですから、素数が因数を1個もつか0個もつかです。「0」か「1」を表す文字a(i) やb(i) などを持ち出していくと攻めやすかったかもしれません。


Gはmin(a(i)、b(i))を、LはMAX(
a(i)、b(i))を用いればこれも比較的スッキリ表せます。


(3)では、
(a(i)、b(i))の組が(0,0)(0,1)(1,0)(1,1)のいずれかなので、これで区分けするだけで解決します。最初に文字をかないと、思いつくのは厳しいかもしれませんね。


これ以外の方法では、結構あらい解答になってしまう可能性もありますが、そんなに分かりにくい関数ではないので、(2)までは何かかけたのではないでしょうか。




※KATSUYAの解いた感想

整数問題か。今年はどんな感じかな。定義式を見て、「まあ、割と分かりやすい関数」と思う。(1)は、この定義であれば自明な気がするが、これを言うとなると、0か1で文字置くがよさそう。Lは大きいほう、Gは小さいほうだけ採用すればいいから、、、よしよし、これなら引かれないだろ。(2)は組み合わせ(0,0)、(0,1)など全てのときでL、Gがどんな式になるかを述べ、a(i)=0のときしか満たさないことを言う。(3)も組み合わせでいけそう?順番変えて区分けすればいいかな。添え字の種類が多い・・・^^; x、y、z、w、A、B、C、D・・・でも論証だからしょうがないかな。解答時間19分。 これも、0か1を思いつかないと厳しいか。






対策

東工大の問題は、例年、誘導を省いた問題が多いです。(最近2年はまだまし)。普通なら小問になっているようなものを自分で見つけ出し、自分でそれを解くという作業を行わなければいけません。今後この傾向が続くとは考えにくいですので、誘導がない過去問のレベルに照準を合わせたほうがいいかもしれません。


普段から取り組む際に、小問になっているようなものについては、その手法をよく意識し、なるべく吸収していきながら(増減を調べるのにこんな方法があるんだな、こういう立体のときは、x軸切断がラクなんだな など)、誘導なしの問題のときに、自ら編み出す演習をしていく必要があります。




前者が量をこなす演習、後者が質を高める演習です。前者を、できれば高校2年生までに(ⅢC含めて)ある程度終わらせて、後者の時間を確保していきたいですね。



昨年の第5問のようなこと(ネタが同じ問題を11年越しに出題)が今後、起きないとは限りません。また、複素数平面は2005年以前のものでないと演習できないので、これらも10年分ぐらいチェックしておいてください。最新年から、20年分ぐらいはチェックしておきたいですね^^。

>> 2010年の東工大 数学
>> 2011年の東工大 数学
>> 2012年の東工大 数学
>> 2013年の東工大 数学
>> 2014年の東工大 数学



以上です^^  次回は、広島大学(理系)です。




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■関連するPrinciple Piece■

★ 数学B 数列 (第1問)

★ 数学B  ベクトル (第2問)

★ 数学III 積分法 (第3問)

★ 数学III 微分法の応用 (第4問)

★ 数学A 整数 (第5問)





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