※自分の気持ち(1)から続きます。
考えようとしても、正直どうすればいいのか、分からなかった。
だから、人に訊いてみることにした。まずは母親。
「ねぇ、お母さん、私って愚痴ばかり言われるけど、
利用されているのかなぁ?」
「Aちゃんは優しいからね。
信用されているんじゃないの」
「そうかなぁ~、
何となくすっきりしないんだ」
「う~ん、お母さん、あんまり愚痴言われることないからね」
ここで、会話がストップ。
(そうか、お母さんは愚痴を聞かされることがないから、分かんないんだ)
半ば羨ましい気持ち。
今度は友だちに訊いてきみた。
「ねぇ、お昼休み、皆とどんな会話する?」
「会話なんてしている暇ないわよ。
いま、ウチの会社危なくて、ランチどころじゃないもの。
優雅に1時間、美味しいものを食べに行けるなんていいわね」
(あれれ・・・)
今度は、別の友人に訊いてみた。
「Aちゃんにとっては悩みかもしれないけど、
そんなの悩みのうちに入らないよ。
余裕あるんだね」
(あちゃ・・・、そぉ? こんなの悩みのうちに入らない?)
人に訊くのが間違いだったかも? と思った矢先、
いつもランチを独りで食べているCさんの顔がパッと浮かんだ。
「そうだ! Cさんに訊いてみよう」
「Cさん、いま、お話してもいいですか」
「ええ、どうぞ」
「Cさんて、いつもお昼独りですよね?
どうしてかな? って思って」
「どうして?
う~ん、お昼休みは基本的にプライベートな時間じゃない?
だから、自分の好きに過ごしたいの」
「でも、独りで食べるの寂しくないですか?
それに、人から『あの人、独りで食べてる』って陰口言われたら、
やじゃないですか?」
「そうかなぁ~。
私は午前中の仕事がようやく終わり“ホッ”とできる時間に、
好きな本を読んだり、気になっているお店に行ったり、
リフレッシュして、午後の仕事に臨みたいの」
「そうですか」
「それにね、絶対独りってわけじゃないのよ。
一緒にランチしたいときは、自分から誘ったり、ついて行ったりするし。
あくまで、自分の気持ちに正直に行動しているだけ」
このとき、「自分の気持ち」という言葉が胸に引っかかった。
「自分の気持ち、じぶんのきもち・・・。
私は自分の気持ちって考えたこと、あったかな?」
もしかしたら、ここら辺に何かあるような気がしてきた。
つづく