自分の気持ち (2) | 読書セラピー(幸せのページ)

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木に吹いた風が緑色になるように
花に吹いた風が芳香を運ぶように
風に言葉を託して届けます。

※自分の気持ち(1)から続きます。



考えようとしても、正直どうすればいいのか、分からなかった。


だから、人に訊いてみることにした。まずは母親。


「ねぇ、お母さん、私って愚痴ばかり言われるけど、

利用されているのかなぁ?」


Aちゃんは優しいからね。

信用されているんじゃないの」


「そうかなぁ~、

何となくすっきりしないんだ」


「う~ん、お母さん、あんまり愚痴言われることないからね」


ここで、会話がストップ。

(そうか、お母さんは愚痴を聞かされることがないから、分かんないんだ)

半ば羨ましい気持ち。


今度は友だちに訊いてきみた。

「ねぇ、お昼休み、皆とどんな会話する?」


「会話なんてしている暇ないわよ。

いま、ウチの会社危なくて、ランチどころじゃないもの。

優雅に1時間、美味しいものを食べに行けるなんていいわね」


(あれれ・・・)


今度は、別の友人に訊いてみた。


Aちゃんにとっては悩みかもしれないけど、

そんなの悩みのうちに入らないよ。

余裕あるんだね」


(あちゃ・・・、そぉ? こんなの悩みのうちに入らない?)


人に訊くのが間違いだったかも? と思った矢先、

いつもランチを独りで食べているCさんの顔がパッと浮かんだ。 


「そうだ! Cさんに訊いてみよう」


Cさん、いま、お話してもいいですか」


「ええ、どうぞ」


Cさんて、いつもお昼独りですよね?

どうしてかな? って思って」


「どうして? 

う~ん、お昼休みは基本的にプライベートな時間じゃない? 

だから、自分の好きに過ごしたいの」


「でも、独りで食べるの寂しくないですか? 

それに、人から『あの人、独りで食べてる』って陰口言われたら、

やじゃないですか?」


「そうかなぁ~。

私は午前中の仕事がようやく終わり“ホッ”とできる時間に、

好きな本を読んだり、気になっているお店に行ったり、

リフレッシュして、午後の仕事に臨みたいの」


「そうですか」


「それにね、絶対独りってわけじゃないのよ。

一緒にランチしたいときは、自分から誘ったり、ついて行ったりするし。

あくまで、自分の気持ちに正直に行動しているだけ」


このとき、「自分の気持ち」という言葉が胸に引っかかった。


「自分の気持ち、じぶんのきもち・・・。

私は自分の気持ちって考えたこと、あったかな?」


もしかしたら、ここら辺に何かあるような気がしてきた。


つづく