2013年度第5回勉強会 | FJCネットワーク東京 公式ブログ

FJCネットワーク東京 公式ブログ

FJCとしての活躍を志す者たちが、利害関係のない、自由な立場で相手の考えを聞いたり、自分の考えを話したりする『議論の出来る場所』として機能させ、お互いに尊重し合い、交流を深めるサークルです。

事務局の中島正規より報告いたします。

2013年10月27日(日曜日)は新横浜で第5回勉強会を行いました。

今回の勉強会は、福祉住環境整備の次にある、『人の死』に関することがテーマです。見学場所であるラステル新横浜は、「最後のお別れの時まで、故人と少しでも長く一緒にいたい」というコンセプトの元、「家族的な温もりの中で行うお葬式」を目指した新しいタイプの斎場です。

私は午後1時にラステル新横浜(http://lastel.jp/shinyokohama/)
に到着しました。


$FJCネットワーク東京 公式ブログ


受付のたたずまいは、伝統的葬祭の白黒感とは一線を画して、
一見してビジネスホテルでは?という感覚になりました。
お迎えくださいましたスタッフの方も気持ちよくご案内下さいましたので、
そこが葬祭の場である事を一瞬忘れ気味になりました。

色々準備をしている中で、今回の参加者5名と講師の先生が三々五々集まりまして、
勉強会がスタートしました。

$FJCネットワーク東京 公式ブログ

講師の八木澤壯一先生は現在の火葬場設計では第一人者であり、火葬場に関する一連の研究で1992年に、『建築界のノーベル賞』と言われる、日本建築学界賞を受賞されています。
葬祭を単なる儀式に止めず、残された方に対する思いやりを設計意図に反映し、
大切な人を亡くし喪失感を少しでも和らげて再出発のお手伝いをする火葬場の設計を目指して活躍されている方です。
(参考WEB :http://mainichi.jp/area/tokyo/news/20131014ddlk13040087000c.html)

大まかな流れとしては、最初に施設案内を、その後会議室で講師の八木澤先生より講義を
頂きました。

施設全体は非常に良く隅々まで清掃が行き届いており、床はごみ一つ、ガラスは手垢一つ付いて
いませんでした。ラスト・ホテルの名にふさわしく、
「お客様第一」がまるで無言で語りかけているようでした。

館内案内は、ラステル新横浜事業所長様の先導で八木澤先生が解説するというスタイルで
進行しました。

8F : お打ち合わせのフロア(仏具のご相談やお式の事前打ち合わせに使用します)

$FJCネットワーク東京 公式ブログ
親族の方々が、ラステル新横浜担当者と葬儀の段取りを打合せする部屋

$FJCネットワーク東京 公式ブログ
仏壇の個別販売コーナー

7F : 寄り添いのフロア(プライベート空間で故人さまと寄り添う場です)

$FJCネットワーク東京 公式ブログ
故人と寄り添える、個別面会室

6F : ご面会のフロア(24時間いつでも故人さまと対面できる場です。)

$FJCネットワーク東京 公式ブログ
24時間いつでも故人と面会できる、ご面会室

5F : くつろぎのフロア(控え室・更衣室・お坊さんなどの控え室などがあります。)

$FJCネットワーク東京 公式ブログ
お客様更衣室

4F : リビング家族葬のフロア(マンションの一室を再現し、簡単な調理場やお風呂も有りお通夜から告別式まで夜通し貸切でご利用頂けます。)


手すりが完備された浴室


広々としたリビング

3F : 家族葬のフロア(親しい方で静かなお葬式を上げる場です。)


明るい雰囲気の、家族葬専用ホール

2F : ご会食のフロア(ホテルのようなサービスを提供し、通夜、葬儀、回忌法要等に使用します。専属の調理スタッフがおもてなしをします。)

$FJCネットワーク東京 公式ブログ
大型のバンケットルーム

1F : お見送りのフロア(出棺の場であり、パイプオルガンの壮麗な音楽で故人さまの最期の旅立ちに花を添えます。)

$FJCネットワーク東京 公式ブログ
故人が好きだった曲を、パイプオルガンで演奏可能

B1 : 一般葬のフロア(100名程度のご会葬者さまが予定される場合に使用します。) 

$FJCネットワーク東京 公式ブログ
用途に応じて、大人数が参列する通夜、葬儀が可能

棺や湯灌室(故人さま最後のお風呂)など、葬祭施設に必須の設備も当然ありますが、大変に驚いたのが、以下の3点です。

①お通夜から告別式まで、夜通し貸切で利用できる「リビング家族葬ルーム」が、個室内で簡単な調理が出来るキッチンやトイレ、浴室、洗面室等の水廻りの機能が完備され、『自宅にいるような感覚』の住空間であること。

②親族の方々が夜通し貸切で利用できる個室は、高齢の親族がいる場合を考慮し、床段差解消や手すりの設置等のバリアフリー設備が完備されていること。

③1Fのお見送りのフロアは全く陰鬱さがない明るい空間で、パイプオルガンの優しい音色が故人のお見送りにふさわしい空間と時間を演出していること。


続いて9Fのセミナー室で八木澤先生の講義がありました。

内容としては、

①:ラステル横浜の全体的な補足

②:新たなお見送りの形としての「りすセンター・木場」
工場跡屋を転用した施設であり、小規模な葬祭が可能な施設です。

③:和風平屋建て公的斎場「三次火葬場・悠久の森」
4区域に分かれてはいますが、お互いの葬家同士が鉢合わせしないように心遣いがされています。

④:海外の墓地とその考え方
サンドニ墓地やパリの墓標は精巧な石工職人の芸術品と見まごう程の見事なミニチュア教会風建築物だったり壮麗な殿堂を模したものであったりするようです。

報告者中島の私見ですが、海外には海外の素晴らしいお見送りがあり、
日本は日本の素晴らしいお見送りがあるなと感じました。
これからの新たなお見送りの形が良い様に成長すれば、もっと「生きる」を大切に考えられると確信しました。

福祉と死とは一見矛盾しますが、良く「活き(いきいきとの意を込めました)」、
良く死ぬ事を本人や家族も納得出来る形で自由に選択できる社会が、
本当のしあわせな社会であると今回の勉強会で学びました。

今後当サークルでも学びや分かち合いのテーマとして積み重ねてゆきます。

末筆ですが、今回の勉強会に施設をご提供くださいましたラステル新横浜の皆さんに感謝申し上げます。これからもいつも通り、いいおもてなしでお一人おひとりの最期のお手伝いをし続けて下さい。ありがとうございます。

我々FJCネットワーク東京は、『立場が曖昧な福祉住環境コーディネーターを、本当に世の中で必要とされるスペシャリストにしよう、そのために一杯勉強して、たくさん連携しよう!』という勉強会サークルです。

是非一度、我々の活動にご参加くださいニコニコ

福祉住環境コーディネーターの資格取得有無に関わらず、当サークルに興味のある方は気軽にご連絡ください音譜
FJCネットワーク東京 公式ホームページ
FJCネットワーク東京 公式ブログ-ロゴマーク