ピピウが生まれてから3 | 憧れの(?)Italia Firenze生活

憧れの(?)Italia Firenze生活

イタリアはフィレンツェに住みつき早十数年。
日本語を教えながら、イタリア人の夫と息子と暮らしています。
私の平凡なイタリア生活の実態を御紹介♪

イタリア、フィレンツェにて、イタリア人の夫と暮らしています。

2017年春に第一子となる息子ピピウ(仮名)を出産。

ただ、26週というかなりの早産で生まれてしまった息子。

息子が生まれてからNICUを卒業するまでの過去の出来事を当時の日記をもとに書いています。

 

 

〜初めてピピウに触った日〜

 
ピピウが生まれて一夜明け、NICUにまた会いに行きました。
 
体重は1000gだったのが900g台に。
 
ただ、生まれたての赤ちゃんの体重が減るのは自然現象。
特に問題はないとのことでした。
 
ピピウの場合は数日かけて820gまで減り、その後増え始めました。
(手術後は700g台まで減ったこともありましたが…。)
 
 
ドクターが来て、心臓と脳のエコーの結果を教えてくれました。
 
動脈管開存症の問題は相変わらずあるものの、その他の問題は特に無し。
脳のエコーも問題無しでした。
 
初日はかなり状態が安定していました。
 
 
それで喜んでた私と夫。
 
 
かなり楽観的だったなと今では思います。
 
 
あの日の私と夫に「アホ」と声を大にして言いたい。
 
 
 
あの時の私は"その時問題がなければずっと問題無い"と思っていました。
"保育器に出産予定日までの3ヶ月間入っていれば大きくなって家に連れて帰れる"と思っていました。
 
 
しかし、残念ながら保育器は魔法の箱ではありませんでした。
 
やはりお母さんの子宮の中とは違うのです。
 
例え保育器の中でも、あと3ヶ月お腹の中にいるはずだった成長過程の胎児にとって、母体の外の世界で生きていくことがどれだけ大変なことか、その時の私は理解していなかったと思います。
 
 
その日、初めてピピウに触れました。
 
触れる前に看護師さんから触れ方を教えてもらいました。
 
・赤ちゃんなので撫でたくなるだろうけど、ピピウほど小さい赤ちゃんにとって「撫でられる」と言う行為はかなりの刺激になるので、撫でないこと。
・撫でるのではなく、片手はピピウの頭を、もう一方の手はピピウの足を、両手でピピウを包み込むように手をピピウの上に“乗せる”といった触れ方をすること。
・保育器には小さな穴が側面にあって、そこから手を入れるのですが、その開け閉めも保育器内の気温と湿度に影響するし、触ったり、触らなかったりを繰り返すのはピピウのストレスになるので、一度触ったら(手をピピウに乗せたら)、一定の時間はそのままでいること。
・NICUに入る前と、入ってから、既に2回は手を洗っているはずだが、保育器に手を入れるときは入れる前にもう一度手を洗うこと。
 
抱っこするどころか、息子に触れるだけでも大変なのです。
 
でも、看護師さんは「お母さん、怖がらないで。小さいけど、壊れたりしないから。お母さんとお父さんがたくさんピピウに触れるのは、ピピウにとってとてもいいことだから。やっぱり、私たち看護師や医者の手とは違うのよ。だから、いっぱい触ってあげて。」と言ってくれました。
 
看護師さんが保育器の側に椅子を持って来てくれました。
椅子に座って、保育器の中に手をいれます。
看護師さんに言われたよう、ピピウを包み込むように両手をピピウに乗せました。
 
あたたかい。
 
動いてる。
 
生きてる。
 
 
両手をピピウの上に乗せたとき、「間違いない。この子が昨日まで私のお腹にいたんだ。」と確信しました。
 
なぜなら、昨日までお腹に感じていた感触と同じものを手に感じたからです。
 
「大きくな~れ。早く大きくな~れ。」
 
そう念じながらピピウに触れていました。
 
そして、「出産予定日だった6月にはきっと家にピピウを連れて帰れる。それまでの辛抱だ。」と思っていました。
 
 
 
その後起こる、いろいろな事態はその時の私には想像もできませんでした。
 
 
 
 
 

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