SKK on windows! | ほたるいかの書きつけ

SKK on windows!

前回 、linuxがらみのエントリをあげたところ、その中で SKK について触れたことに関連して、たかぎFさんから windows 上でも SKK が使えるのでは?というコメントをいただいた。そんなことは想像だにしていなかったので、ただちに調べたところ、いまでも開発が続けられている SKKIME というものがあることを知った。
skkime's page (ただしイキナリここを見てもわからないと思う^^;;)

インストールしたい方は、こちらを見られると良い。この通りにやれば良いのでとっても簡単。
mayokara memo

その他、関連したキーバインドの設定などは、最後の方に書く。

ちなみに私はもう SKKIME に乗り換えたので、このエントリも、SKKIMEを使って書かれている。(^^)

しかしこれでは「SKKってなんやねん?」という人だらけだろうから、SKKを愛する者として、簡単に説明をば。
IMEと名がついている通り、これはIMEの一つである。つまり、MS-IMEとかATOKとかと同じく、日本語を打つために使われるものだ。
MS-IMEにしてもATOKにしても、通常使われるのは「文節変換」だ(このあたりの用語は、若干不正確かもしれません。なにかお気づきの点があれば、指摘していただけるとありがたいです)。つまり、先にある程度の文なり節なりを打って、それからおもむろにスペースキーを押したり、あるいは句読点にさしかかると自動的に、それまで打った部分について文節ごとに変換をはじめるわけだ。
我々はあたかも日本語変換と言えばそれが当然のように思って日々暮らしているのだが、当然そんなことはない。まったく別の思想も存在するのだ。それを実現するのが SKK というわけだ。

SKKは Simple Kana to Kanji conversion program の略だ(昔は Simple Kana Kanji henkanと言ってたような気もするが^^;;)。simpleという訳は、文節ではなくて、単語ごとに変換を行うからだ。
たとえば、「今日は」と打ちたいとしよう。通常ならば、「konnnichiha」のように打ってからスペースキーなりなんなりを打つ。ところが、SKKだと、その場合は「こんにちは」と平仮名で出るだけであり、kが打たれはじめたその瞬間に、PCの方は「あ、ここは漢字変換はしないのだな」と理解する。漢字変換をしたければ、「Konnnichiha」と最初の一文字を大文字で打つ、つまり Shift+k と打つ必要がある。変換したい単語の最後まで行ったら、スペースを押せば良い。
要するに、通常のIMEが、とりあえず打ってから「さあどうやって変換しようか」となるのに対し、SKKの場合は「これから打つのは漢字に変換する単語だぞ」と人間がPCに教えてやってから入力するのである。

また送り仮名の指定も手で指定する。「今日は」だったらよく使う単語だから「Konnnichiha」スペース、で変換するが、たとえば「送る」だったら、「OkuRu」と送り仮名の最初の文字のところをまた大文字にするのだ。これにより、変換ミスを避けることが可能になる。

SKKの何が良いかと言えば、一つは変換ミスがなくなること(無論、複数の漢字候補からの選択という過程はひらがな→漢字というプロセスを経る以上は避けられないが)、もう一つは、遡って文章を見る必要がないため、まるで手書きで文章を書くように打てる、ということだ。手書きの時は、当然「これから書くのは漢字だぞ」と思って書くわけで、思考のプロセスがそれと同じになる。だから書きながらいちいち思考を戻す必要がなく、書いてて実にスムーズというか気持ちが良い。
ちなみにカタカタも同様で、q を押すとその後はカタカナで出てくるし、l を押せばその後は英字になる。

まあ漢字にする部分は大文字にしないといけないので shift キーを多用するため、左手小指が鍛えられるという副産物(←ものは言いよう)は確かにある。が、それも慣れだ。

というわけで思わず SKK について語ってしまったが、なんとというか当然というか、wikipedia にも項目があったので、ポインタという意味でもリンクを張っておこう。
SKK(wikipedia)
前回エントリでたかぎFさんが触れられているが、マック用にもAquaSKKというのがあるそうである。

さて、linux 上では当然 emacs (エディタです。エディタの姿をした環境だ、という人もいるが)上で使うことが多いのだが(それ以外でも skkinput を使えば可能)、そうすると、skk のキーバインドと emacs のキーバインドは一体化して手が覚えることになる。すると、SKKIMEを導入して win 上で SKK を使っても、ついバックスペースの代わりに C-h (C- は Ctrl- の意味)を押してしまったり、数文字文戻るのにカーソルキーを使わず C-b を押してしまったりする(ちなみに職場では Happy Hacking Keyboard Lite を長年使用しているのだが、これはカーソルキーが独立していない。Fnキーと文字キーを組み合わせるとカーソルキーの役目は果たすのだが。なので、カーソルキーはあまり重要ではない)。ところが win ではそれが他の意味にバインドされているため、イキナリ別の window が開いてしまったりしてビックリする。

で、これは SKKIME の設定ではどうしょうもなくて、win の方を変えてやらないといけない。
そこで便利なのが、「猫まねき 」である。ノートPCの方では、CapsLock と Ctrl を入れ替えるのに使っている(Ctrlキーは、やっぱ A の隣ですよね?ね?)。
猫まねきのウィンドウを開き、「組み合わせキー」タブを開く。「追加」を押して、「変更前のキーの組み合わせ」で Ctrl にチェックを入れ、「キーを押して指定」ボタンを押してパネルが開いたらそのまま h を押す。次に下半分の「変更後のキーの組み合わせ」の方では、左側の Ctrl などにはチェックを入れず、「キーを押して指定」ボタンを押したら backspace キーを押す。これで完了である。
好みに応じて C-b, C-f, C-p, C-n なども設定するとよりシアワセになれるだろう。
ちょっと確認してみたところ、firefox でも MS-word でも OpenOffice の SWriter でも SImpress でもちゃんと使えた。素晴らしい。

…つい語ってしまったが、確かにまあ万人に受け入れられるIMEではないのかもしれない。でも、慣れるとこれが実に気持ち良いのだわ。あああ、他にやることはいっぱいあるのだが…。(^^;;