【出雲紀行】（終）大国主・出雲国造り物語 出雲から、奈良へ

大国主のお話をしましょう。

出雲国のオオナムジは、後の大国主です。

稲羽の白兎伝説

オオナムジは、スサノオから６代目の子孫になります。

オオナムジは、醜い青年でした。

オオナムジには八十神と呼ばれる大勢の兄弟がいました。

この兄弟たちからは、何かと蔑まれています。

彼らは全員、稲羽国のヤガミヒメへプロポーズするため、沢山の貢物をオオナムジに背負わせて出かけます。

重い荷物を袋に背負って、一行から取り残されるオオナムジは、途中で泣き伏しているウサギと出会います。

稲羽の白兎（または素兎）です。

（出雲大社参道の像より）

ウサギは、ワニ（鮫）に皮をはがれ、更に八十神にからかわれ、傷が悪化して苦しんでいました。

気の毒におもったオオナムジが、治療方法を教えます。

すっかりよくなったウサギは、オオナムジにお礼をいいます。

ウサギは、ヤガミヒメが、八十神の兄弟ではなくオオナムジを選ぶことを予言します。

その予言通り、稲羽国のヤガミヒメは、八十神の兄弟をそっちのけにオオナムジを選びます。

だが、そのため、八十神の恨みをかい、幾度も命を狙われます。

オオナムジは、スサノオが治める根の堅州国へと逃げ込みます。

スサノオの試練・大国主誕生

根の堅州国でオオナムジは、スサノオの娘スセリビメと恋に落ちます。

気に食わないのか、父・スサノオは、次々とオオナムジに試練を与えます。

蛇や、ムカデ、ハチが充満した部屋で過ごさせたりします。

そのたびに、影でスセリビメが手助けをします。

幾つもののスサノオの試練を乗り越えたオオナムジ。

スサノオが気を許したところ、オオナムジはスセリビメと駆け落ちを企てます。

根の堅州国を後に去っていく二人にスサノオは「葦原中国（地上）の王になれ」とエールを送ります。

地上に戻ったオオナムジの逆襲がはじまります。

みごと八十神を成敗し、地上の王・大国主となったのでした。

モテ期・大国主

稲羽のヤガミヒメは、。大国主が最初に娶りましたが、スセリビメを前に子供を置いて郷へ帰ってしまいます。

それにも関わらず大国主はヤチホコという偽名で、各地で女性遍歴を重ねます。

タキリビメと契り、多数の子をもうけます。

越国のヌナカハヒメへは、執拗にメールのやり取りをし、翌日には結ばれます。

などなど・・・

すっかり臍を曲げたスセリビメでした。嫉妬に狂い、大国主と大喧嘩になります。

たまらなくなった大国主は、離婚届けを用意し、別れのメールを送ります。

それにスセリビメは、

　　「女性の私にはあなたしかいません。

　　　　私の美しい手を枕にして休んでください。

　　　　　　お酒を召し上がれ」

と、メールを返します。

すると大国主は、とたんに妻への愛情が復活し、仲むつまじく鎮まったということでした。

国造り～出雲から奈良・三輪へ。

地上を平定した大国主。

農業を興し、祭祀（政治）を定めるという国造りに着手します。

小さな神スクナビコと共に農耕を興します。

だが、スクナビコは、一段落がつくと常世国へと旅立っていきます。

頼りにしていた右腕を失い、大国主は途方にくれます。

すると、海の向こうから、波を割り光輝いてやってくる神様が表れます。

大国主が「あなた様はどなたですか？」とい問うと、

「我は汝の幸魂奇魂（さきみたまくしみたま）なり」

・・・と名乗ったのでした。

大和国の三輪山に自分を祭るよう希望した。

その神様こそ、大物主でした。

大物主の協力を得て、大国主は、みごと国造りをなしえたのでした。

・・・出雲大社紀行、これにて完了です。

国造りを手伝った大物主は、その後、奈良は大和の三輪山 へおさまったといわれています。

【出雲紀行】
その１　はじめに。奈良から出雲へ、神話を辿る旅
その２　はじめに。奈良から出雲へ、神話を辿る旅
その３　はじめに。奈良から出雲へ、神話を辿る旅
その４　スサノオ伝。日御碕神社　～奈良から出雲へ、神話を辿る旅
その５　スサノオ伝。八重垣神社　～奈良から出雲へ、神話を辿る旅
（終）大国主・出雲国造り物語　出雲から、奈良へ

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