梅雨曇りの谷間の晴れ間の客足 | 猫カフェ にゃーにゃーにゃーのブログ

猫カフェ にゃーにゃーにゃーのブログ

店主のひとり言 http://catscafenyanyanya.wix.com/nyanyanya

「最近、平日のお客さん減ったよ」

 

出入りの業者の小太りの彼に、こんな会話をした。

 

梅雨曇りの7月に入り、客足が減って心配している店主。

 

猫カフェを始めて、初めての夏を迎える前に

 

雲行きが怪しい事に気づいてそう冗談交じりに言ってみた。

 

彼はこの地域の飲食店の配送を担当している。

 

体型から察するに汗をかき易い体質なのか、

 

タオルで何度も顔をぬぐう彼は、涼しい風(ふう)な顔でこういった。

 

彼:「どこも客が減ってるっていってますよ」

 

主:「へ~、そうなの?」

 

彼:「ええ、こう暑いと外に出たがらないんじゃないですかね?」

 

彼:「お客さん、どこいっちゃったんでしょうね~?」

 

彼:「今、雨降ってきたんで家から出たがらないかもしれませんね」

 

雲行きが怪しいのはうちの店であって、

 

雨が降ってきたからお客が来ないわけでなく、

 

彼が必死にタオルで拭うのは汗でなく雨・・・。

 

彼の体型から出やすいと勝手に思い込んでた汗は、実は雨・・・。

 

なるほど。

 

わだかまりが解けた店主は、

 

小太りな彼のキラキラした頭の上に七色の虹を見て

 

神か釈迦の訓示だと思い込んでしまったのである。

 

「へ~、そうなんだ。じゃあそんなに心配する事ないね?」

 

「だと思います。」

 

ドアを開けて帰る彼の頭上には、後光も虹もなかったが、

 

彼に対する見方は来た時と帰る時では、

 

まったく違ったモノになっていた。

 

汗を何度も拭う丸刈頭が眩しい小太りな彼が、

 

お釈迦様に見えた瞬間だった。

 

 

 

お・わ・り