小田眼科ニュース医心伝信 2010年5月号/「母の日と青いカーネーション、青いバラ」の話 | 仙台市青葉区八幡2丁目・小田眼科ニュース

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小田眼科より、毎月発行しているニュースを載せています。

小田眼科ニュース医心伝信
第244号 2010年5月号
Produced by *J.O.Y.

 5月の第二日曜日は母の日です。今年の「母の日」は5月9日です。

 今月は「母の日と青いカーネーション、青いバラ」の話です。

 日本では昭和24年まで3月6日が「母の日」とされていました。この日は昭和天皇皇后の誕生日「地久節」です。地久節は天皇誕生日と異なり国の祝祭日となることはありませんでしたが、婦人団体の働きで昭和6年に、この日を母に感謝する日と定められました。

 母の日にカーネーションを贈る習慣はアメリカで始まりました。アン・ジャービスという女性が亡き母を忍んで白いカーネーションを毎年、周りの人に贈っていました。彼女はどんな人にも母がいる。「母への愛」をあらわす日があってもよいのではないかと、有力者たちに働きかけました。1908(明治41)年5月10日にアンに賛同する人々が教会に集い「母の日」を祝いました。アンは参加者全員に、母親が好きだった白いカーネーションを贈りました。このことから、カーネーションが母の日のシンボルとなりました。やがて、この動きはアメリカ全国に広がりました。6年後の1914(大正3)年に、時のアメリカ大統領ウィルソンが5月の第二日曜日を「母の日」にすると決めました。

 今年で「母の日」がアメリカで祝われてから96年になります。戦後、日本でもこの日を母の日として祝うようになりました。世界各国に母の日がありますが、その日は国によって異なります。
 母の日の贈り物として赤と白のカーネーションが主に使われますが、最近はカーネーションにこだわらない人も増えました。

 1990年ころからサントリーと、オーストリアの会社が共同で青いバラを作る研究を始めました。青いバラは世界中のバラ愛好家の長年の夢で、英語のブルーローズ (Blue Rose)という言葉には「不可能」という意味が含まれるほどです。その研究途中、遺伝子組み換え技術を使って青いカーネーションが作られました。1995年のことでした。

 カーネーションはナデシコ科の多年草で、本来、青い色素を持っていません。青いカーネーションができたことは、青い色素を持たないバラにも青いバラ誕生の可能性があると受け止められ、研究者は非常に喜びました。この花に「ムーンダスト」という名前が付けられ、花言葉は「永遠の幸福」とされました。
 遺伝子操作によって作られた人工的な花は花粉が飛散して自然にある植物との雑種ができることが心配されましたので、青いカーネーションは南米のエクアドルの農場で厳重に管理栽培をされ、切り花にして世界各国に出荷されました。今は安全性が確認されて一般の農園での栽培が可能になったということですが、まだ 取扱量が少ないためか私は見たことはありません。この花は花持ちが良く、最長で1ヵ月ほど咲き続けるということです。

 青いバラに向かっての研究はさらに続けられ、2004年、ついに青いバラの作成に成功しました。この青いバラには「アプローズ」という名前が付けられ、花言葉は「奇跡」「神の祝福」とされました。2009年から発売されました。

 今、研究者は「黒いバラ」作りに挑戦をしているそうです。
小田眼科医院

理事長 小田泰子