「通いたくなる東京のBAR(2)『石の華』」
「ウィスキー造りを僕が好きなのは、
それが本質的にロマンチックな仕事だからだ」
とジムは言う。
「僕が今こうして作っているウィスキーが
世の中に出ていくとき、あるいは僕はもう
この世にはいないかもしれない。
しかしそれは僕が造ったものなんだ。
そういうのって素敵なことだと思わないか?」
「もし僕らのことばがウィスキーであったなら」
村上春樹(著)
シングルモルトウィスキーに覚醒させられたと言ったら、
「隊長、今度はカクテルに目覚めてください」と隊員たくぞう。
そして12/1(火)隊員たくぞうと一緒に行ったBARは
渋谷「石の華」
検索すると、やはりオールアバウトジャパンの記事
があった。
まずはTVで話題になったらしい「東京トンテキ」
で生ビールとトンテキで腹ごしらえして、いざ「石の華」へ。
「男は黙ってサッポロビール♪」世代?のオレとしては、今までカクテルは甘いイメージがあって、ほとんど飲んでいなかった。ところが、たくぞうによると・・・
私が覚えている限りの隊長が飲まれたカクテルのリストです。
・レッドアイ
・フレンチ75
・モヒート
・ロブロイ
・ポーラスター(石垣さんオリジナル)
・織部(石垣さんオリジナル)
・シンガポールスリング
あと、1.2品あったとおもうのですが、とにもかくにも・・・
えっと。。。。飲みすぎです(笑)
たくぞう
確かに飲みすぎた!ビールベース→シャンパンベース→モヒートで口直しをして、ガツンとウイスキーベース・・・そして、オリジナルカクテル・・・流れるように絶妙なタイミングで勧められるカクテルに、ついつい手が伸びてグラスを空けていくオレ・・・。カクテルの苦手意識は払拭された。
しかも、常連客のたくぞうの予約とあって、カウンターの特等席。バーテンダー、石垣忍さんが目の前でカクテルをつくっていた。テキパキとカクテルをつくる姿が黒豹のようにしなやかで美しい・・・この動きがすでにアートだ。
でも、この味はテクニックだけではつくれない。
一流のバーテンダーのいるBARは、「おもてなし」「優しさ」「調和」・・・いわゆるホスピタリティを学ぶにはもってこいの場所だと思う。同じ素材を使ってもシェフによって料理の味が違うように、カクテルも違う。
いちばんのお気に入りは、スコッチウイスキーベースのロブロイ。
もっともインパクトがあったのが、シンガポールスリング。うまかった!!
それは妻と一緒に行ったシンガポール・ラッフルズホテルのロングバーで飲んだものとは別物だった。ロングバーがシンガポールスリング発祥の場所と知って、ミーハー気分で訪ねたが、大手量販店で大量生産される旅行商品のように味気ないものだった・・・。
「最高のおもてなし」に感謝!
たくぞうからは、この漫画
を薦められた。
バー、そこにバーテンダーがいるから、
BAR(カウンター)にTENDER(優しさ)が生まれます。
「バーテンダー」より
たくぞう、ありがとう!また飲もう!
「たしかにこの島では上質の大麦がとれる。
水も素晴らしい。ピートも潤沢で、よく匂う。
それは確かだ。でもそれだけじゃ、ここの
ウィスキーの味は説明できないよね。
その魅力は解明できない。一番大事なのはね、
ムラカミさん、一番最後にくるのは、人間なんだ。
ここに住んで、ここに暮らしている俺たちが、
このウィスキーの味を造っているんだよ。
人々のパーソナリティーと暮らしぶりが
この味を造りあげている。
それがいちばん大事なことなんだ」
「もし僕らのことばがウィスキーであったなら」 村上春樹(著)