戦争が迫る日本 ~日本の有事法制の歴史 | ☆Dancing the Dream ☆

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日本政治史、とくに政軍関係を研究する
山口大学教授の纐纈 厚(こうけつ あつし)先生のインタビューから学び、
自分の勉強のために、まとめてみました。


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戦争がおこる直前に、このような法案が成立している。
これは、歴史上の事実なのです。

軍機保護法→日露戦争が始まる
軍機保護法の改正→日中戦争が始まる
国防保安法→対英米開戦が始まる


・・・ということは、
『特定秘密保護法』が成立した今、
日本は、戦争直前だ
ということです。
『特定秘密保護法』とは有事法制なのです。

このような事態に至るまでには、
それなりの経緯がある。。
アメリカは、日本が日米安保に疑問を差し挟み
中国・アジアに近づき手を組むことを警戒し許さない。

天木 直人さん曰く、
かつて、細川政権時代、故・樋口広太郎氏が著したあるレポートが、
アメリカにたいへん危険視され、刺激したという。

樋口広太郎氏は、
住友銀行の重役から畑違いのビール会社アサヒの社長に就任した後、
スーパードライをヒットさせ、ビール業界のトップに導いた人物であるが、
細川政権下で有識者に意見を求める防衛問題 懇談会の座長でもあった。

そして、防衛計画の見直しについて著した「樋口レポート」が、
そのレポートであるが、日米同盟に疑義を挟む危険人物として排斥されている。
・・と指摘する。

「樋口レポート」とは、
日本を守るためには、日米安保よりも、
中国や韓国と一緒になって東アジアにおける集団安全保障体制を構築することが重要であり、これを優先すべきだ。
という内容であったという。

そして、小沢一郎や鳩山由紀夫の失脚、
殊に、検察&メディア共犯し捏造した小沢一郎裁判事件、
小沢一郎降ろしも同じ流れのものである。


この樋口レポートに危機感を抱いた米国と日本政府は、
冷戦後のあらたな日米同盟構築を打ち出した。

それが、2012年のアーミテージ・ナイ・レポート。(↓和訳文)   http://www.mod.go.jp/msdf/navcol/SSG/topics-column/col-033.html

ざっと内容は、こうです。

・原子力発電の再開
・TPP及びCEESA交渉参加せよ
・日韓の歴史問題を直視し日米韓軍事協力せよ
・防衛協力強化・集団的自衛権の行使せよ
・自衛隊海外派遣の推進せよ
・国家機密保全の法の強化せよ
・PKO(軍隊を派遣)への参加拡大せよ

つまり・・解りやすく言うと
アメリカはこんな風に言っている。。

 「日本よ!一等国になりたいんだろう?
  核はいつでも作れる状況をこのまま許してやるから、
  ドジは踏まず、慎重に原発を続けなさい。
  経済面では、こちらのおススメの多国籍企業の奴隷になりなさい。
  ヤバいモノもどんどん入れなさい。
  軍事面では、アメリカは軍事費を減らすから、
  日本も隠し持ってきた軍事力を行使できるようにしなさい。
  国民から税金を搾り取ってでも軍事力を拡大するのです。
  そのために法を変えておく必要があるね。
  その前に国民に情報を与えず、余計なことを言わせないような法をつくり、
  国民を管理しなければならない。
  国民が自ら喜んで従うように扇動し、
  もっとアメリカが望む色々なところに範囲を広げて、
  自衛隊を送れるようにしなさい。戦争ビジネスだよ。
  日本にはもう経済的利用価値はないんだから、
  これからは、経済面では中国とやって行くつもりだよ。
  同じ鉄砲玉どうし韓国と揉めずに、
  その際、日本は、最前線で対中国の傭兵となりなさい。
  アメリカのための特攻になりなさい。中国の旨味はアメリカのものだよ。
  本当は、中国も北朝鮮も、日本を攻撃しようという意図も能力もないけれど、
  日本と中国は睨み合っていておくれ。
  東アジアが、まとまって仲良くされると困るんだよね。」




・・と云うようなことか。


つまり、安部政権の政策は、アメリカから送られたアーミテージ・ナイ報告書に
沿って行われているのです。


安部が、「安全保障会議」とさほど変わらないのに
外交・安全保障の司令塔となる『国家安全保障会議(日本版NSC)』を
作ったのは?

この会議のための事務局を新たに設置し、
この事務局(国家安全保障局)に
防衛、外務、警察を中心とした官僚が派遣し、
制服組自衛官(現役軍人)を入れるためだった。
これは、日米同盟に基づいて日米が集団的自衛権を行使していくためのものだ。


戦争を経済立て直しの戦略とする歴史は繰り返されてきた。
人々も社会の閉塞感のはけ口として、戦争への気運に向かう。。

安部の軍国主義を体現し、このような庶民の心を扇動しているのが、
石原、田母神のようなパフォーマーだ。

私たちは、中国・アジア諸国と仲良くしなければいけません。







特定秘密保護法案や日本版NSC、中国の防空識別圏問題、それらにつながる日本の有事法制の歴史について、お話をうかがいます。

岩上「本日、参議院の委員会で特定秘密保護法の審議が行われています。16時頃には強行採決が行われてしまうのではないか、との見方もあります。本日は、そんな秘密法案にもつながる、有事法制についてお話をうかがいます」



岩上「先生は、『ニッポン』ではなく『ニホン』と呼ばれますが、それはなぜなのでしょうか」

纐纈氏「大日本帝国憲法も、『ニッポン』という破裂音を使います。このような、帝国主義的イデオロギーに染まった言葉は使いたくない」

纐纈氏「先の戦争が侵略戦争であったということは、資料を見て間違いありません。しかし、それを『聖戦』という正当化のもとで遂行されました。アジアを解放するんだと。しかし、資料を見ても、解放という言葉は出てこない。南方資源の収奪こそが目的でした」

纐纈氏「私の父は中国戦線に出向いていました。『あれは侵略戦争だった、加害戦争だった』という総括は当初はできなかった。しかし年老いてきて、『やはり侵略ではなかったか』と。戦争を美化することこそが、死者に対する最大の冒涜だと思います」

岩上「特定秘密保護法について。戦前の秘密保護法制と重なる部分があるのではないでしょうか。また、9条には他国つまり米国に情報を提供できると書いてあります。属国のファシズムのための法案だと思っています。いかがでしょうか」

纐纈氏「日本国憲法が本来の役割をはたしたのは、47年の日米安保が成立した51年までの4年間だけだったと思います。日米安保により、再軍備どころか軍事大国になってしまいました。51年以降、日本国憲法は機能不全に陥ってしまったのです」

纐纈氏「米国は日本を反共の防波堤にすることを決め、それを英国やソ連が反対することができず、日本の再軍備が始まりました。そこに旧日本軍の幹部が吉田茂のブレーンとして関与していくのです」

纐纈氏「日米安保は米ソ冷戦が背景です。しかし、冷戦構造が終わって以降、日米安保の存在意義が危うくなる。そこで日米安保、ガイドラインの再定義、という話になるわけです」

岩上「93年の細川政権が出した樋口レポートは、米国依存から脱しようというもの」

.纐纈氏「細川政権の成立により、米国依存からの脱却と多極外交のチャンスが出ました。財界にも樋口レポートのような合理的な考えをする方もいれば、牛尾治朗氏のように、自衛隊活用論を展開する人もいました」

纐纈氏「樋口レポートに米国は非常に強く反発しました。そこで97年のガイドラインということになります」

岩上「そこを分かっていない方が多いと思います。日本が一度対米独立を目指し、それが潰されていったという流れがあるのでは」

纐纈氏「小沢一郎氏や鳩山由紀夫氏には、対米自立論、対米独立論がありました。米国はそれを非常に嫌がった。小沢氏の失脚というのも、その流れの中にあるのは明らかです」

纐纈氏「1978年、栗栖弘臣氏が『今の憲法がある限り自衛隊は張り子の虎だ。有事になったら自由に動けるようにしてほしい』と発言し、福田赳夫首相は栗栖氏を解任します。しかし、福田首相は水面下で防衛庁に有事法制研究をやるよう指示します」

纐纈氏「その後、80年代、90年代に有事法制が着々と進みます。それは米国の強い要請にもとづいたものでした。2000年にできた周辺事態法は、『周辺』の定義がいくらでも拡大可能。『極東』に限定されません。安保のグローバル化です」

岩上「安保法制懇の北岡伸一氏は、地球の裏側どころか宇宙にまでついていくと言っています」

纐纈氏「それも、有事法制の延長線上です。国民保護法というものも、住民を保護の名目で強制移住することを可能とする、というものです」

纐纈氏「今の自民党の防衛族は『やられる前にやってしまえ』という先制攻撃論を展開しています。先制確証破壊論といいます。先制攻撃を可とする武力攻撃事態対処です。日本はすでに、米国ともに戦争することができる国家になっています」

纐纈氏「特定秘密保護法のキーワードは『日米秘密同盟』です。国民に知らせたくない法律を、日米で抱え込もうというものです。主権者である国民の存在、そして日本という独立国家の存在が危うくなるものです。米国への属国化を定義づける売国法です」

岩上「2005年、2プラス2で日米同盟・変革と再編というものが出ます。その際、島嶼部の攻撃は一義的に自衛隊が守る、とある。当時の岡田克也外務大臣に質問したら、尖閣については自衛隊がまず出ると言いました。米国は手を汚さない、ということ」

纐纈氏「米国の戦略は、同盟国分担政策というものがあります。現在の米国の同盟国は、日本と韓国くらいになりました。日本に7万、韓国に3万5千の兵力を駐留させています。負担を分担させているのです。しかし英国やドイツからは引き上げさせてます」

纐纈氏「来年にはガイドラインがまた改訂されます。それは対中国戦略。さらに、日本が矛、米国が盾になるという関係が盛り込まれることになります。日本の自衛隊は、米国の雇い兵になる、鉄砲玉になるということです」

纐纈氏「日本の経済的プレゼンスが落ちた今、米国は経済面では中国と手を結び、日本は軍事面で利用し尽くそう、最初に死んでもらおう、という戦略なのです。仮に米中がこじれても、『いやいや日本が悪いんだ』という言い訳も用意している」

岩上「戦前戦中に軍機保護法というものがあると聞いています。多くの方は、特定秘密保護法は治安維持法の再来だと言われますが、軍機保護法と治安維持法はどう違うのでしょうか」

纐纈氏「日露戦争の前、1898年に軍機保護法ができます。その改正が1931年、日中戦争の直前です。1940年に国防保安法。これは対英米開戦の直前。いずれも戦争の直前にできています。つまり、今の日本も戦争の直前だということです」

.纐纈氏「軍機保護法の成立をめぐって、貴族院での議事録が残っています。今回の国会での議論と比べて、帝国議会の議論のほうがずっとレベルが高いのです。時の陸軍大臣に対して反軍演説をやるという『ハラキリ問答』がありました」

.纐纈氏「治安維持法の対象は思想犯です。反国体、反天皇制、マルクス主義者を取り締まるものです。国体といえば、私は戦後にも国体が存在すると思います」

岩上「日米安保体制ですね」

纐纈氏「その通りです」

纐纈氏「安倍総理をはじめとする改憲論者は、押しつけ憲法だから改憲したいという。であるならば、安保こそが押しつけではないでしょうか。保守政治家は、押しつけ安保を金科玉条のようにあがめて自らの地位を確保してきたのではないでしょうか」

纐纈氏「『新アジア冷戦構造』というものいいがありますが、これは実態を外しています。経済でも人的交流でも、米中、日中の交流は盛んです。中国は政治体制は社会主義かもしれませんが、冷戦などというものではありません。日米安保を正当化するための言説です」

纐纈氏「戦前の日本は、親英米派とアジア・モンロー派(アジア孤立派)の対立でした。後者の筆頭が、東條英機と岸信介です。岸が東條内閣に商工大臣として入閣した時、満州と中国全土を基盤にして自給自足国家・総力戦国家を作ろうという構想を立てました」

纐纈氏「安倍総理は岸信介を尊敬しているといいます。だから、どこかで対米自立の思いがあるのでしょう。岸信介、佐藤栄作は核保有を明言していました。安倍さんも以前、オフレコの場で小型の核爆弾を持てると発言したことがありました」

ここでIWJ事務所からTEL。特定秘密保護法案が強行採決の報。纐纈氏「今日はジャーナリズムの死、アカデミズムの死という日になるかもしれません。こういう法案があると、自己規制・自己検閲をしなければならない社会になってしまいます」

岩上「先生も危ないじゃないかと思いますが」

纐纈氏「逮捕されたり裁判になっても、証拠が秘密だということになってしまう。戦前も国防保安法により秘密裁判が行われていました。今でも特高に弾圧された事実で明らかになっているのは3割程度でしょう」

岩上「89年から94年まで、旧ソ連を取材しました。その際、レーニンの秘密書簡を発見しました。聖職者や村人の100人を殺せ、という内容。しかし、旧ソ連でもそういう資料を保管していました。しかし秘密保護法では、資料を廃棄する」

纐纈氏「日本版NSCも問題です。防衛大綱の改訂、日米ガイドラインの改訂もあります。そして集団的自衛権行使容認。北岡さんは集団的自衛権により、日本の軍事的負担は減る、といいます。まったく逆です。日本が米国に前方に突っ込まされるだけです」

岩上「日本近海での有事などは、集団的時自衛権ではなく個別的自衛権で対処可能だといわれます」

纐纈氏「その通りです。そもそも、中国も北朝鮮も、日本を攻撃しようという意図も能力もありません」

纐纈氏「中国の遼寧という空母は、非常に古いものです。海洋でも宇宙でも、中国は米国に軍事的戦力では太刀打ちできません。日本を攻撃して米国と対立するメリットは何もありません」

纐纈氏「中国人民解放軍の目的は、軍事力の増強によって国内の権力を確保することです。日本に攻め入って得られる資源など何もありません。尖閣については、共同開発とDMZ化、非武装地帯化するべきだと思います」

岩上「あえて反論。日本国内でも、旧士族の不満が征韓論に結びついたように、国内の不満や鬱積は、対外侵略に向かうということもあり得ます。中国でそのようなことがあり得ないでしょうか」

纐纈氏「西郷隆盛は、不平士族の不満をそらすために征韓論を唱えました。しかし中国のような大国が、国内の不満を解消するために自国の多大な犠牲をともなうような戦争に踏み切ることはあり得ないでしょう」

纐纈氏「中国の防空識別圏に関して。オバラさんという元自衛官の方で東京財団の研究員の方が、中国は非常に合理的だとおっしゃっていました。空の安定を守るためには、軍事的に合理的判断だとおっしゃいました」

.岩上「防空識別圏に関する米国の対応について。まずB-52を飛ばしました。中国は何も言いませんでした。他方、民間航空機の事前通告については日米で対応が割れました。習近平とバイデン副大統領は直接交渉しています」

纐纈氏「習近平とバイデンは5.6時間話し合っています。安倍さんとは1時間程度ですよ。ここまではオーケー、これ以上はストップという政治的・軍事的なシグナルを米国は自在に使い分けています。そして中国もそのことに応じています」

纐纈氏「ドイツは戦前、ヨーロッパをすべてドイツにしてしまおうとしました。ヨーロッパのドイツ化ですしかし戦後、戦争犯罪者を完全に追放しました。これをドイツのヨーロッパ化といいます。しかし日本は戦後、『脱亜入米』してしまいました」

纐纈氏「あの戦争は、日本とアジアの戦争だったはずです。対米戦に投入した人員より、中国戦線に投入した人員のほうがずっと多かった。しかし戦後、日本は米国に負けたのだと総括しました。『太平洋戦争』という呼称にそれがあらわれています」

纐纈氏「そのような歴史認識はGHQにより刷り込まれたものです。アメリカに追いつき追い越せ、アメリカのようになりたい、という高度経済成長期の流れも、アメリカの思惑通りなのです。日米の『歴史認識同盟』ですね」

纐纈氏「一番米国が怖がっているシナリオが、日中同盟です。日中平和共同体のようなものです。EUならぬAU。政治的、経済的に日中がホットな関係を築くことが、米国にとって最も怖いのです」

岩上「改憲を目指す安倍さんのような人がいて、中国、韓国と常に対立関係にあるということが、米国にとって最も都合がよいのでは」

纐纈氏「その通りです。来年のガイドライン再改訂で、日中の関係改善の可能性を削ごうとしています」

岩上「鳩山-小沢ラインの後、菅、野田政権という対米依存の政権ができました。そのことへの批判として出てきたはずの安倍政権も、米国べったりです。自民党保守は、岸信介的な方向を向いているのでしょうか」

纐纈氏「岸信介は戦略的でしたが、安倍さんは非論理的。自己撞着、自己矛盾に陥っていると思います。安倍さんの戦略論は、日本国、そしてアジアにとって、展望がありません。非常に場当たり的です」

纐纈氏「最近、ある青年から『希望は戦争』という発言がありました。この閉塞した社会をシャッフルし、ダイナミックな再編を志向しているのだと思います。この空気は、1930年代のドイツに似ています。ヒトラーは戦争によって経済をよくしようとした」

纐纈氏「日本の1930年代、はけ口は満蒙でした。その具体化として王道楽土としての満州国が建国されました。今の日本社会も、そのような閉塞の中から、安倍さんがまるでヒーローのように担がれています」

纐纈氏「石破茂さんとは直接お話しをしたことがあります。彼は自衛軍構想を語りました。奇兵隊のように、国民が自ら入りたくなるような軍隊を作りたい、と。まあ、安倍さんよりは大局的な物の見方ができる方だと思います」

.岩上「現政権は、日米同盟を深化させ、中国との対立を演出する。そのことによって国内の支持を取り付けようとしています。しかし、これは非常に危険な賭けです。米中が手を結んだら日本は挟み撃ちされます」

纐纈氏「米国、中国、韓国、ロシアから喰われてしまう可能性が非常に強い。少なくとも、国際的に孤立してしまいます。日本が重たい軍備を持つことで得をすることなんて一つもありません。憲法の原点に立ち返り、第2の戦後を始めるしかない」

岩上「私はレニ・リーフェンシュタールにインタビューしたことがあります。彼女は『ナチスもいいことをした。公共事業でインフレを抑えた』と言いました。日本と米国は、戦争という公共事業をやろうとしているのではないでしょうか」

纐纈氏「戦争は最大級の危険な公共事業でしょう。しかし、利益を得るのは一部の人々だけで、多くの被害者が出ます。日本も現在、米国のような軍産複合体が大きくなっています。米国には500万人の軍産複合体関係者がいると言われます」

岩上「先ほど、中国の遼寧という空母は旧式だとおっしゃいました。他方、日本の『ひゅうが』や『いせ』は、ヘリ護衛艦だと言われていますが、実は空母なんですね」

纐纈氏「その通りです。日本の自衛隊は外征型です」

岩上「『ひゅうが』や『いせ』を配備したことで、中国側が遼寧を出してきたと言う方がいます。中国が挑発に乗ってきた、ということです。これに意を強くしている保守派の人たちがいる」

纐纈氏「中国が一番持っていなかったのが、航空母艦です」

纐纈氏「しかし、それは政治的プレゼンスを高めるためであり、攻撃的かつ侵略的なものではありません。人民解放軍の国内での権力を高めるため。日米はそれを軍拡の理由にしているだけなのです」

岩上「米軍は対中戦略としての統合エアシーバトルを考えています。ヤマサクラ合同演習というものがありますね。それによれば、中国軍は原発銀座の若狭湾から侵略してくることを想定しています」

纐纈氏「ガイドラインの改訂により、日本列島が最前線になります」

纐纈氏「安倍さんのやり方は、日本列島を人柱にするものです。このままいくと、日本はもう一度降伏することになります。日本社会そのものの解体です。そういう意味で『日本降伏』という新刊を書きました」

纐纈氏「戦後、米国とソ連で、朝鮮半島の38度線で分断統治する手打ちをしました。なぜ38度線か。38度線の北側が関東軍の軍管区だったからです。そして、日本は韓国と北朝鮮を食い物として高度経済成長をはたしていくのです」

岩上「なぜ日本は原発を維持するのでしょうか」

纐纈氏「プルトニウムを備蓄するためです。日本は運搬能力があります。今はパーツが分かれているだけですが、いつでも核兵器に転用が可能だということです」

岩上「日本の核保有というのは、かつてのような独立を志向したものなのか。それとも米国との核共有を目指したものなのか」

纐纈氏「核を持っていないことでプライドが傷つく、という精神的な面が安倍さんを中心とする右よりの人にはあるでしょう」

纐纈氏「彼らに核に対するシンパシーがあるのは、米国の核に敗北したという意識があるからです。だから、米国ではなく中国との戦争に負けたという総括の仕方をしないと、核に対するシンパシーは消えないのでは」

纐纈氏「海上自衛隊の幹部には大変な強硬派がいます。彼らがNSCに入ったら、かつての関東軍のようなことになりかねません。中国に対して『今なら勝てる』ということで、戦争を始めかねません」

纐纈氏「この流れにどうやって歯止めをかけるか。残念ながら私には今のところ妙案はありません。一度レールが敷かれてしまいましたし、3年は選挙ありませんから。しかし私は本を書きまくって、講演もやりまくろうかと思います」