まだ、こわい。
未だに、まだこわい。
未だに、というほど、時は経ってないし。
ストンと、黒い幕が下りる気がする。
「はい、おしまい。あなたの楽しい時間は、はい、おしまい」
そして、また、慶應病院の個室で天井を見上げる自分がいるような気がする。
痛くなかったら、いいな。それでも。
と思う自分が、まだいる。
根強くいる。
病気のトラウマは、大きい。
いつも終わりを感じている。
楽しい時間はいつも、この終わりを感じている。
ともだちと乾杯していても。
心おけない人と電話をしていても。
のんちゃんと、ふざけていても。
ふっと、心をかっさらっていく。恐怖。病気の恐怖。
あとかたもなく、かっさらっていく、あの痛み。
忘れられない。
そして、やっぱり、どっかで忘れちゃいけない、と思ってる。