EUROでのオランダ代表の話。
私は、88年EUROでオランダが優勝した大会からのオランダ代表ファンなんですよ。
最近は熱が冷めてきましたが、当時のフリット・ライカールト・ファンバステンに魅せられて、代表チームはずっとオランダを応援してきました。
で、今回のEUROに挑むオランダ代表、個人的には、かなり苦戦するであろうことは予想してたんですよね。
戦前から課題と言われていたのは「①CBの人選」と、「②1トップの人選と2列目の配置」 (SBの力不足もそうなんですが、チームの軸となるセンターラインで絞ってみると2点ということでご了承ください。)
「①CBの人選」は、オランダが元々強固なチームではないので、0点に抑えるのは厳しいとしても最低限のプレーさえできればと思ってました。ただ、決勝まで駒を進めるのには、あまりにも厳しいメンツであることは事実な訳ですが。
オランダにとって生命線なのが、攻撃であり「②1トップの人選と2列目の配置」なんですよね。
これ、オランダのストロングポイントであり、勝ち進むためには、ここが機能しないと話にならない訳なんですが、ここに大きな問題を抱えていました。
一番の問題は、1トップに、「ブンデス得点王のフンテラール」か「プレミア得点王のファンペルシ」のどちらを使うか?ということだったんですが、ファン・マルバイク監督は、「プレミア得点王のファンペルシ」をスタメンの1トップの軸として考えました。
そのファン・マルバイク監督の決断は、「ブンデス得点王が、スタメンで出場できないということを示していました。
オランダはEUROの予選で37得点を記録しましたが、そのうち12点がフンテラールだったんですよ。
その予選での実績を捨ててまで、ファンペルシにこだわりました。
で、私は、嫌な予感がしたんです。
歴代のオランダ代表で魅力的なサッカーをしていた際の1トップって、
「ファン・バステン」、「クライファート」、「ホーイドンク」、「ニステルローイ」 といったところですよね。
これらの選手、中央でどっしり構えてDFを背負いながらも良さを出せる選手ばかりなんですよね。 マカーイなんかはオールラウンダですが。
オランダの攻撃に不可欠なウイングを活かす為にも、1トップは中央で構えないといけないというセオリーがあるんですよね。
1トップの選手が左右に流れると、ウイングが縦のエリアを消されて、良さが出なくなる傾向があるんですよね。 これは、悪い時のオランダの糞詰まりのパターンなんです。
で、私は、ツイッターでEURO開幕前の6/2に呟きましたよ。
1トップはフンテラールの方がいいと。
≪6/2≫
『【EURO】オランダの贅沢で深刻な悩み。ふたりの得点王は共存できるか?』 http://sportiva.shueisha.co.jp/clm/wfootball/ … →オランダファンの個人的意見は、1トップはフンテラールの方がいい。中央でどっしりと構えるストライカー型のFWがオランダ代表では求められるから。ファンペルシはジョーカーで
https://twitter.com/Ita_lian_0109/status/208583127726174208
フンテラールは、ウイングを置くオランダサッカーを考えると、中央のストライカータイプのFWとして適任なはずだけど、ファン・マルバイク監督は、それを放棄してまで、ロッベン、スナイデル、アフェライ、ファンペルシを同時出場させたかったんでしょう。
もしくは、予選で12点もあげているフンテラールを信頼していなかったんでしょう。
それが、めちゃくちゃヤバイ予感でした。
ファンペルシが1トップでスタメンを張っていた時点で、最悪の方向に向かなければいいけどと。
なぜなら、 オランダの攻撃は、ウイングタイプをサイドに置いて、縦のスペースを空けての突破やカットインして中央とのコンビネーションで崩す形。
しかし、ファンペルシはサイドに流れたり、引いたりしてボールをもらいにいってしまうタイプ。
そうなると、トップ下やウイングの選手が突破するスペースを生めてしまって、2列目が活き活きとサッカーができなくなります。
しかも、ファンペルシは、実は、オランダ代表では結果を残してないんですよね。
ゴールという結果からすれば、圧倒的に、フンテラールの方が上。
ファンペルシは、チャンスを作れど、1トップのFWとしては得点が少なすぎるんです。
そんなことで、ファンペルシの1トップは絶対に反対でした。
しかも、ロッベン、スナイデル、アフェライ、ファンペルシ って、全員がボールを持ちたがる選手。
ポゼッションは上がってでも、これだけもちたかる選手が集まれば、決定的なゴール前では停滞する可能性が大いにありました。
2列目に持ちたがる選手が多いからこそ、重要なのが、1トップであり、その条件として、中央で張れる選手が必要だと思ってましました。
で、ここからがEURO開幕。
そこで、初戦のデンマーク戦、0-1で敗戦をしてしまいます。
勿論、1トップの先発は、ファンペルシ。 フンテラールは先制点を許す劣勢の中での途中出場。
チャンスはたくさん作ったといいますが、結果は結果。勝点0の現実でした。
それを受けて、6/10にツイッターで呟きました。
≪6/10≫
試合は見てないけど、密かにオランダはやばいと思ってた。フンテラールを1トップに据えるべき。たとえファンペルシやロッベンをベンチにおいやったとしても。予選突破には、それくらいやるべき。 #euro2012
https://twitter.com/Ita_lian_0109/status/211617393464709122
で、その後、残り2試合は、ご存知の通り。
死のB組といわれましたが、終わってみれば、3戦全敗。
勝点0、得点2、失点5。
オランダが惨敗でEUROから姿を消しました。
フンテラールは、ドイツ戦も途中交代でピッチに送り込まれましたが、負けている状態でバランスを崩している中では厳しいでしょう。
そして、最終戦のポルトガル戦では先発しましたが、2点差勝利が必要な状況で、いつもと違う状況。
結局、フンテラールは、1・2戦は負けている状況で投入され、第3戦は、先発でしたが、2点差が必要という形でピッチに送りこまれ、結局3試合で、実質的にノーマルな相手と、得点がイーブンな状況で試合に出られなかったんですよね。
しかも、ロッベン、スナイデル、アフェライ、ファンペルシ なんかは南アW杯からのメンバーで相手からもかなり研究されていた訳ですから、それも併せて、苦戦も必然だったのかなと。
終わってみれば、想定できる最悪の方向に舵が流れて、THE END。
この次のEURO関連記事での投稿では、オランダネタの2つ目を書こうと思ってます。
実は、いろいろあってオランダの試合は1試合も見てません。
少しのハイライトだけですが、しかし、スタッツ分析と妄想とで、別途記事を書きます。(笑)