EUROでのオランダ代表の話。
続きです。
スタッツから、追ってみたいと思います。
【オランダ vs デンマーク】
得点: 0 - 1
総シュート数: 28 - 8
枠内シュート: 8 - 8
枠外シュート: 20 - 0
ポゼッション: 53% - 47%
[UEFA.com] オランダ vs デンマーク マッチセンター
http://jp.uefa.com/uefaeuro/season=2012/matches/live/day=1/session=2/match=2003321/index.html
ポゼッションも相手を上回り、シュート数も相手より上回っているにもけど、枠外シュートが圧倒的に多いというのは崩しきれてない証拠か。
持ちたがる選手が強引にシュートした結果じゃないの? という推測がきます。
【オランダ vs ドイツ】
得点: 1 - 2
総シュート数: 13 - 12
枠内シュート: 6 - 9
枠外シュート: 7 - 3
ポゼッション: 61% - 39%
[UEFA.com] オランダ vs ドイツ マッチセンター
http://jp.uefa.com/uefaeuro/season=2012/matches/live/day=2/session=2/match=2003329/index.html
これ、完全にドイツの試合。
前半にドイツが2点を先制して、リスクを冒さずにオランダにボールを持たせてプレスをかけにいった結果で、ポゼッションで61%-39% になっていると思われ。
オランダが試合を支配した訳ではない。
それは、総シュート数がほど同数であって、枠内シュートがドイツの方が上回っていることからも、オランダは完全に攻めあぐねたことを示す数字かと思います。
【ポルトガル vs オランダ】
得点: 2 - 1
総シュート数: 22 - 13
枠内シュート: 9 - 5
枠外シュート: 13 - 8
ポゼッション: 42% - 58%
[UEFA.com] ポルトガル vs オランダ マッチセンター
http://jp.uefa.com/uefaeuro/season=2012/matches/live/day=3/session=2/match=2003337/index.html
オランダがポゼッションでは圧倒しているにも関わらず、シュート数では、完全にポルトガルが上。 枠内も枠外もポルトガルの方が上。
オランダは2点差以上の勝利が必要だった。 幸先よく前半11分に先制点を奪ったものの、同28分にクリロナに決められて、また2点が必要に。
これで、完全にバランスを崩したオランダは、ボールを持たされるも、カウンターからポルトガルの餌食に。
クリロナの79分の逆転ゴールで万事休す。
【3試合より】
オランダは、先制点を獲ったら非常に強いチーム。
(まあ、サッカーってスポーツは先制点をとれば、一般的に負けにくいってデータがあるだけに、オランダに限ったことではないんですが。)
ちなみに、2010年南アW杯で、準優勝したチーム。全7試合で、6勝1分(決勝は延長なので引分扱い)ですが、6勝のうち、5勝が先制点をとった試合。逆転勝ちは、ベスト8のブラジル戦のみ。 オランダは、いかに先制点をとって、余裕をもってサッカーができると強さを発揮するかを示す数字だと思います。
個の力はあるから、余裕や遊び心を活かして、裏にある広大なスペースを狙って攻撃を展開できるし、落ち着いたキープ力が発揮できる。
しかし、今回の EURO 1、2戦の デンマーク、ドイツ戦のように、先制されると一気に厳しくなる。
個の力がある分、一人一人が自分で何とかしようとしすぎて、焦りが生まれて噛み合わなくなる。
オランダには、そういうモロさがある。
特に、今のメンバーは持ちたがる選手ばかりだからそれが顕著。
また、ポルトガル戦は、2点差勝利が必須だったため、先制点を獲っても尚、もう1点が必要だった為に、バランスを崩して、カウンターに沈んだ。
昔のオランダは、ウイングが上下動を繰り返して縦に走り回ってワイドにやっていたけど、今や技に走りすぎているきらいがある。
いくら個が魅力的でも、チームとして機能しなれば、3戦全敗という結果になってしまう。
ロッベンに代表されるように、個人の突破に頼るチームには限界がありますよね。
ロッベンが、流れを変えるスーパーサブならわかりますが、チームとして、個が戦術のようなサッカーをしているのは、やはりEUROで勝つのは厳しすぎますね。
組織で、攻撃が停滞しにくいバリエーションのあるサッカーをしないと、今やヨーロッパでは勝ちきれないと思います。
「個々で突破力のある選手が多い」は、必ずしも 「攻撃的」ではないし、「強いチーム」という訳でもないんですよね。
前々から思っていたことですが、オランダがこういう負け方をして、改めて。
オランダは、2014年ブラジルW杯で活躍できるか否かは、CBを含めた守備陣がどれだけ整備できるかと、チームとしての攻撃の形のバリエーションをいかに多く作れるかがカギだと思います。
個人的な期待としては、若い攻撃的な選手を積極的に登用して欲しいですね。
少なくとも、ロッベンに頼るチーム作りは辞めて欲しい。
残念な形でオランダは去りましたが、ある意味で課題を見出せた大会として捉え、2014年に向けて、新たにチームを作りあげて欲しいと思います。