【放談】J1:第14節 C大阪 1-4 広島 (スカパー) | E.P & E.F.L

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 諸々あって、前半25分からスマフォでスカパーオンデマンド観戦、後半からはようやくテレビの前でガッツリ観戦しましたが・・・。



 いやーっ、それにしても、チンチンにやられましたねえ。

 ここまでいい訳のできないの差を感じたのは、久々ですね。
 しかも、ホームで、ここまでの惨敗っていうのも・・・。

 何だかんだで、セレッソを相手にしたチームは、攻撃力を恐れて、守備的だったり、前からのプレスを徹底してショートカウンターを狙ってきたりと、セレッソが嫌がるサッカーをしてきて、それにまんまとハマッて完敗っていうのは、よく目にしてきました。


 しかし、今日の広島は、広島の持ち味を存分に発揮して、ポゼッショならびにビルドアップやパス回し、崩しの質など、あらゆる面でセレッソを上回っての大量得点の勝利。

 前半開始からの内容は知らないんですが、スカパー実況によれば、
 「前半は0-3くらいでセレッソが負けていてもおかしくないくらいの決定機の差があった」
 と言ってたくらいですから、もっと差がついても不思議ではなかったということですよね。


 簡単に言ってしまえば、「チームとしての完成度の差」なんでしょう。


 ガッツリ見たのは、後半だけなので、後半だけですが、広島の印象を書くと、

 ■ 攻守の切り替えが早い

 ■ 広島の方が人数が多いように感じるくらいに絶妙の距離間でボールも人も回っているから

 ■ ダイレクトのパス回しガンガン回ってミスが少ないのは、周りがそれだけ先をイメージして動けていて、パスコースを複数作れているから

 ■ チームとしての攻撃の作り方や、ビルドアップの約束事がしっかり共有できていて、選手がオートマティックに動けている


 といったところです。


 で、広島はシステムに特徴があるのですが、スタートポジション的には、「3-4-2-1」ですが、今日の試合は、ほとんどの場面で「3-2-4-1」になってました。

 広島は、攻撃面において、ほんとうに奪ってからの攻撃への切り替えが早くて、ビルドアップが秀逸。

 1トップの佐藤寿人は、CBの間もしくは、CBとSBの間に入り込んで裏を狙って、DFラインに脅威を与えて、見方がボールを持つと、佐藤寿人の動きにDFラインは、最低でも2人が釣られます。

 そこで、空いたところに、2シャドーが飛び込みーの、更に、サイドハーフがサイドのスペースに飛び込みーので、段々になって2列目以降が飛びこんでくるので、守備陣は止めるのは厳しくなります。
 そこを身体を張って止めいったら、サイドに展開されて、完全にサイドで一人余る形で、クロスなり、前を向いた仕掛けをされていました。

 それでサイドの深いところを、ことごとく切り裂いて、セレッソDF陣を嘲笑うかのようなゴール前での崩しが、面白いようにゴールに繋がっていきました。

 右サイドのミキッチが無双だったのは、チームとして、サイドを空けさせるパス回しを意図的にしていて、横幅いっぱいに攻めることが共有されているからだと思います。

 佐藤寿人の裏を狙う動き。それが無理なら、2シャドーの飛び出し。それでも厳しければ、サイドと、段段になって押し寄せる攻撃で、状況のいい選手、ようは、フリーフリーのところに回していけば、自ずとサイドが空いて、サイドから崩せるという形ができていましたね。

 で、中央では、クロスに対して、佐藤寿人が中で更に動き直すので、DF陣は捉えきれずに、サイドも中央も大混乱で、止めようがありませんでしたね。


 セレッソとしては、対応をもっとはっきりした方がよかったと思いますね。

 DFラインは混乱していて、佐藤寿人が常に裏を狙っているので、ラインを挙げ難い状態になっていて、ボランチは2列目の飛び出しや、サイドへの数的不利への対応など、守備に忙殺。

 たとえ、ボールが奪えても、清武やボギョンとの距離が遠すぎて、ボールを入れても、攻撃陣は完全に孤立していて、相手に囲まれた中でボールを貰うしかない状況で、貰っても前にボールを運ぶことができませんでした。
 ターゲットになっていたケンペスしかり。

 セレッソは、広島の攻撃に完全に後手に回って、攻守の切り替えが遅く、ゾーンをコンパクトにすることができないまま、クリア気味の確立の低いロングパスを繰り返すような形でしか凌げませんでした。

 攻めにいくのか、もしくは、守るために、前線も戻って、前からのプレスを徹底して、出しどころからプレス徹底するなど、ベンチからは明確なメッセージが必要だったのではないかと思います。

 攻めたいけど人数は足りてないし、守備はギリギリの状態だし、チーム内でどうプレーしていくのか見えない中で、選手間の距離が空きすぎて、広島にやられるがままボールをまわさてしまいましたからねえ。

 外から見ている限りでは、意図が見えにくかったですね。


 後半、セレッソは、何度か、ケンペスが際どい決定機を何度か作りましたが、広島GK西川のファインセーブにゴールとはなりませんでした。
 でも、セレッソにとっては、そういった盛り返した時間もありましたが、たとえ、1つくらい決まっていたとしても、焼け石に水だったと思います。


 それくらい、両チームの差は歴然としていたと感じましたから。

 セレッソは、まだまだ個に頼るサッカーで、2人までの絶妙な絡みはできても、3人目、4人目と先を見据えた動き出しが、広島に比べて圧倒的に少ない。
 広島と比べると歴然。

 セレッソが、日韓のA代表や五輪代表招集で、なかなかベストメンバーで連携を含めた練習ができないのは事実であるとしても、チームとしての積み上げの差は明らかでした。

 今までは、セレッソの圧倒的な個の力で広島の攻撃を飲み込んでしまっていましたが、今回は、逆に、流れるようなパス回しに、セレッソが完全に飲み込まれました。


 個の力に依存するチームは、安定して勝てません。
 その日の個人の調子が、そのままチームの勝ち負けに直結してしまうのは、リスクマネージメントとしては厳しいものがありますよね。

 例えば、オランダ代表。
 ロッベンが抑えられれば、攻撃力が半減以下になるというのは、まさにその象徴であるように思います。

 バルサが凄いのは、誰が替わりに入っても同じサッカーができるようなにチーム内で共有されていることでしょうか。
 メッシは、あくまで、その中の1人であり、その存在が異彩を放つほど輝いているだけで、彼がダメでも打開できるだけの攻撃の多彩さはバルサにはあります。


 セレッソの攻撃のタレントは、個々で見ればJでもトップクラスだと思います。

 ただ、チームの中で活かしきれていない。3人目、4人目の動きと連動して、チームに還元されていない。

 広島にあって、セレッソにないものは、こういったことだと思います。



 この結果は、いい方向に持っていってもらいたいものです。

 言い訳のきかない大敗は、指揮官や、選手の意識に、『何かを変えないとヤバイ』という思いにさせると思いますからね。

 それが、ただただ焦りや不安を生ますのではなくて、良い方向にもっていくための結果として消化して欲しいと思います。