インサイダー取引を取りしまる必要がないのはなぜか? | ロンドンで怠惰な生活を送りながら日本を思ふ 「東京編」

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ロンドン・東京そしてNYといつの間にかいろんなところを転々とそしてまた東京に。海外なんて全く興味なかったし今もないという予想外の人生でした。今は東京に戻りしばらくお休みしていましたが少しずつ再開してみようかと思ってます。よろしくお願いします


Uncorrelated氏が先日の記事(インサイダー取引で大騒ぎする愚 )への反論 を書いてくださったので軽くそれに対する反論を書いてみる。

世の中的によくある反論はインサイダー取引を認めることは一見すると市場の効率性を増すかのように思われるが、公平性がない市場では投資家の参加が減り市場の取引が細り市場がその結果崩壊するというものである。


が、インサイダー情報を放置しても市場は崩壊しないと僕は考える。崩壊しようがないからだ。

まず繰り返すが、為替や債券市場はインサイダー情報にあふれている。そんなのは常識だ。が、崩壊していない。むしろ為替の市場には個人投資家がどんどん参入している。だからインサイダー情報放置が市場の崩壊に結びつくというのは残念ながら理論的には正しいが現実に反している。(レモン市場を大騒ぎしているが実は結婚・中古車・保険のいずれに市場も立派に成立しむしろ発展しているというのと同じ話だ)

Uncorrelated氏が指摘するように現代においては株式市場においてインサイダー情報の取り締まりは以前よりは容易になったかもしれない。が、少なくとも過去100年間以上、インサイダー取引は存在し続けた。が、市場が“崩壊した”なんてことはない。たとえば、戦前の日本は戦後よりも株式市場・直接資本市場が発展しており企業の資金調達は直接金融により依存していた。このことを考えても氏の指摘は大げさすぎる。

それに。怪しい取引は瞬時に・・・というが実際には容易ではない。怪しい可能性がある取引をチェックして色々と調べるのはそんな楽じゃない。それに大口じゃなくて小口で行われているものは自動的にチェックするのは不可能だ。そのコストを考えれば、取締りなんて一切やめて市場の効率性を増すほうがトータルではぷラスかもしれない。

また、インサイダー取引が自然と行われるようになればインサイダー情報に基づいた取引を行うと公然と名乗る投資信託などがたくさんできるだろう。インサイダー情報に基づく取引がそれほどに有利ならば、個別株で勝負するのをやめて投資信託を買えばいいだけの話。また、株を個人が買わなくても預金した先の銀行や保険会社はいやでも株を買わざるを得ない。だから、別に問題があるはずでない。むしろより洗練された機関投資家が売買するほうが市場が洗練されるからいいかもしれない。

また、何を持ってインサイダー情報とするかの定義は非常にあいまいだ。だから現実には適切にインサイダー情報を定義して取り締まることなどできない。このことは村上事件で周知になったはずだ。政府関係者や中銀関係者は自分達の持つインサイダー情報を駄々流しにする一方で目をつけた人間はインサイダーをネタに取り締まる。これこそが市場を崩壊させる行為というものだ。

informedトレーダーは必ず勝つのか?微妙だろう。決定的なネタはそんな何度も市場に出てこない。インサイダーネタをつかんで売買しても市場の反応が薄い場合は多いにありうる。また、インサイダーが横行する世界では売買のタイミングが重要になる。なぜなら規制がなければインサイダー情報は瞬時に流れるからだ。またインサイダーを狙って取引する人間の数もより多くなる。知らない人たちをだましながらこっそり売って(買って)、情報が出た瞬間に買い戻すというワザは今よりも通じなくなるだろう。インサイダーをつかんだ人が売り始めたとたんに情報は今よりも格段に速いペースで知れ渡って売りが売りを呼んであっという間に適正価格になる。

こう考えていくとやはりインサイダー取引を政府が取り締まる必要性は少ない。少なくともuncorrelated氏の指摘や一般的に言われる理由だけではインサイダー取引を取り締まるべきというには不十分だと僕は考える。

インサイダー取引を自社の関係者が頻繁に行うような会社の株はたしかに割安に放置されるかもしれない。その場合にはたとえば会社自身がインサイダー取引を行わないように取り決めればよい。インサイダー取引が認められる株と認められない株のどちらが適正な水準で売買されるかを競わせればよい。


インサイダー取引がそんなに問題だというならまずは情報を流しまくっている世界中の政府関係者や中央銀行関係者を軒並みお縄にしてからにしてもらいたいと思うのは僕だけじゃないだろう。



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