リフレに対する素朴な疑問(1) | ロンドンで怠惰な生活を送りながら日本を思ふ 「東京編」

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ロンドン・東京そしてNYといつの間にかいろんなところを転々とそしてまた東京に。海外なんて全く興味なかったし今もないという予想外の人生でした。今は東京に戻りしばらくお休みしていましたが少しずつ再開してみようかと思ってます。よろしくお願いします

リフレ・リフレとやかましい。ちょっと前は政府がもっと財政支出を!という話がネット上で流行っていたような気もするけれども。

民主党が大きな政府を目指す雰囲気であること(ネット上の保守の人が対抗上言いづらくなっだんだろう)やギリシア危機などで財政危機が身近に感じられたのか、そういった話を主張する人は減った気がする。


一方で、貨幣の供給量を増やせばすべてが解決する。インフレが起こるという議論が盛んだ。そしてインフレが起こればすべてが解決すると。


そもそも、インフレが起これば『必ず』景気がよくなるということ自体が理解不能なんだけれども、理屈で説明してもわかってもらえないので、数字を持って検証させてもらった。(過去記事→インフレになれば景気がよくなる?)


名目金利はゼロだが、実質金利は結構高い。それが問題。インフレ率(期待インフレ)があがれば実質金利が低下する。という議論はあると思う。それに関して否定はしない。そしてそのことはおいおい書かせてもらう。

それはそうと、リフレを主張する人の多くの人の頭の中に(認識するしないにかかわらず)はこの式が入っているように思える。


MV=PQ(=GDP)


Mが中央銀行が決定するマネーストック (世の中に出回っているお金といえばわかりやすいだろうか)、Vが貨幣の流通速度、Pが物価、Qはものの取引量。


要するにMを中央銀行が増やせば、VとQが一定ならばPが上昇するという理屈だ。


しかし、冷静に考えれば、不況になればV(貨幣の流通速度)が落ちるというのが普通の考えだろう。

M(お金の量)は中央銀行が動かすことはできるけれども、その流通速度(V)までには介入はできない。だから、単純にMを増やしただけではPはあがらない可能性が容易に想像できるだろう。


さらに、Mの中でも中央銀行が操作できるのはその基礎の部分のマネタリーベース だけだ。だから、状況によってはマネタリーベースを中央銀行が増やしてもマネーストック(M)は増えないこともあることを認識しないといけない。

その証拠にFED(アメリカの中銀)はリーマンショック後にマネタリーベースを前年比約2倍のペースで増やしたが、マネーストックの増加はわずかであった。(参考過去記事→日銀がマネーを増やせば景気がよくなるのか? 本当?)


だから、単純に中央銀行がマネーを供給したところでその流通速度があがらなければまったく意味はないわけだし、そのマネー自体も増やせるかどうかわからないのだ。さらに、新しく供給したマネーは現在、日銀の当座預金にブタ積みされているだけで、むしろマネーの流通速度を遅らせる要因になっているのではないだろうか?(この理屈あってますよね・・・)


さらに言うと中央銀行はどうやって通貨を人々に押し込むというのだろうか?現実を知らずに議論している人が多すぎる。


通常は国債などを買うか国債などを担保として受け入れてお金を金融機関に貸す。その際に基準となるのは当然金利だ。金利が安く、有効な投資先があれば、金融機関はそれを担保にお金を借りようと思うだろう。


しかし、現在の金利はほぼゼロ。しかも、有効な投資先は限られている状況だ。そんな中で、中央銀行がお金をもっと貸します。ゼロ金利ですよーー。と叫んだところで、金融機関はゼロでもいらねーよ。貸出先も投資先もないし。バカかお前は。と思うか、とりあえず借りておいて、日銀の当座預金に積んでおくのが普通だろう。要はお金は中央銀行と金融機関を(国債を介して)行き来しているだけで世の中には出て行かない。


たとえば、売れ残りの腐った大根をただですよーー。って叫んで売ろうとしても売れないのと同じだ。そんなものは捨てるだけだから買ってもムダだからだ。か、ただでもらってあげて、その辺のゴミ箱にすてるのがせいぜいだろう。


だから、なんとなく市中にお金をもっとあふれさせろといっている人が多いけれども、じゃ、具体的にどうやるのか?という議論ができていない人も多いような気がする。


ま、僕がすごくわかってるわけではないし、自分の仕事とまったく関係ない航空行政だとか、水ビジネスだとかについてえらそうに書いてるときもあるからあまりいえない面も多いんだけれども。


今日のところはこのあたりにしておいて、ここからこの素朴な疑問に関しても週に1回くらいのペースで書いていきたい。みなさんの考える材料になればうれしいし、僕の知識不足や至らない点は指摘してもらえるとうれしい。


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