イギリスに行くことを井上に話す。
井上 「…こんな時に何言ってんの」
高杉 「うわ!怒鳴られんと逆に拍子抜けする」
井上 「今お前がいなけりゃ…」
高杉 「違う!オレがおらん方がええんよ!」
井上 「は?」
高杉 「桂さんが戻ってくる オレがおったらやりにくかろう?」
井上 「わかったよ…だけど洋行と知れたら攘夷党が黙ってないぞ」
高杉 「それなんよ」
高杉 「じゃけぇー表向きは英学の勉強と外夷事情調査で横浜行ったって言うちょってよ」
井上 「そう…で? 本当のところは?何しにイギリスへ?」
高杉 「聞多は実地に見にいっちょるけぇええけど、もう攘夷じゃメシが食えん」
高杉 「昔、上海で見たもんを本場で確かめたいんよね」
高杉 「そこで仕込んだ知識で長防二州を五大州の雄藩にするそ」
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つまりは世界列強の仲間入りする…と言いたいわけだ。
この時の長州は佐幕派が一掃されたと言えど、国内では孤立している状態だ。
幕府は当然、長州内の恭順派政権が倒れたことは知っている。
長州藩に対する最終処分は決まっていないが、苛酷なものになることは疑問の余地もない。
当然、拒否するつもりだが
そうなれば幕府との戦争になる。
それに勝てるかどうかも怪しいのに世界の強国にしようという
まさに白日夢のようなことを言ったのだ。