楽しみにしていた赤ちゃんが死産だったことから、
二人の仲が急速に壊れてゆく。そして・・・離婚。
でも二人はいつだって微妙な位置で、お互いのことを見つめ、
心から相手のことを想いやる。ただ・・・お互いに素直になれないのと、
神のいたずらのような間の悪さが災いして
二人の気持ちとは裏腹な人生がスタートしてしまうところが
ドラマだなぁ・・・と感じさせる。
愛されることより、愛すること・・・。
女の愛に応えてくれない男に向かって、理不尽だと思ってしまえば
その時点でひたむきな愛としては失格・・・。
うっ・・・・・・(*゚~゚*) なぜか深く心に残ってしまった一節です。
この小説の中のはると理一郎のような、純粋に相手を想いやる気持ちを
奮い立たせたいとそう感じますよ。きっと・・・。
池上冬樹氏があとがきにこう書いてあった。
“本書は、『いま』を感じさせる作家が書いた優れた恋愛小説である。
作者にはぜひとも、この手の軽妙な恋愛小説を
もっと書きつづけてほしいものだ”と・・・。
私もそう思った・・・。
もっと、もっと野沢尚作の恋愛小説に溺れてみたいと・・・。
でも、悲しいかな・・・もういないのよね・・・。
- 野沢 尚
- 恋愛時代〈上〉
- 野沢 尚
- 恋愛時代〈下〉