映画いろいろ |   EMA THE FROG

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土曜か日曜に近所のDVDレンタルショップに行くのが恒例化している。娘がドラえもんとかアラジンとかクレヨンしんちゃんとかのアニメを3本くらい借りて、僕も1本、嫁も1本を借りるのまで恒例化している。新作はほとんど借りないので、一度の出費はそれほど高くない。見たことのない映画を通じて得ることになる感情とか知識とかは、少なくとも数百円より価値がある。それがたとえ、悲しみや怒りや、あるいは諦めだとしても。

ということで感想の書いていない映画が溜まってきたので、ザッと書いとく。余裕でネタバレ含みます。


【ザ・ウォーカー】

ザ・ウォーカー [DVD]/デンゼル・ワシントン,ゲイリー・オールドマン,ミラ・クニス

¥2,940
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イーライという名のやたら強いオッサンが、FALLOUT(PS3用ゲーム。核戦争後の荒廃した世界が舞台)そっくりのアメリカ大陸を、南へ南へと進んでいく話。灰色に染まった世界は、廃墟と化した世界は、単純に映像的好みという意味でとても美しかった。ただ話としてはイマイチ。悪役の娘がヒロインになっちゃうあたりもご都合主義的すぎてあれだし、だいたい聖書が点字だというのもよく分からないし(イーライは盲目?と一瞬思ったが、さすがにそれはねえだろう)、そもそも聖書があれ一冊しか残っていないというのも無理があるし、だいたいなんで物語の中心が聖書なの?という疑問もある。キリスト教への理解がなければ楽しめない映画なのかもしれない。いやでも、FALLOUT好きはとりあえず映像だけで楽しめるかも。


【ザ・ロード】

ザ・ロード [DVD]/ヴィゴ・モーテンセン,コディ・スミット・マクフィー,ロバート・デュヴァル

¥3,990
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幼い息子を連れた父親が、FALLOUT(PS3用ゲーム。核戦争後の荒廃した世界が舞台)そっくりのアメリカ大陸を、南へ南へと進んでいく話。灰色に染まった世界は、廃墟と化した世界は、単純に映像的好みという意味でとても美し……ってこれザ・ウォーカーと一緒なんですけどね。でも実際そっくりなんだから仕方がない。『シャッター・アイランド』と『インセプション』の類似もすごかったが、こっちもすごい。だいたいタイトルも何か似てるし、こっちにもイーライっていう人(でも爺さんだけど)出てくるし、聖書じゃなく彼らは「火」を運んでいるんだけど、やっぱり何かを南に向かって運んでいるのは同じだし、何より、パッと見たときの世界観、色、雰囲気、要するに見た目が同じ。似すぎ。ただ物語、話、プロットという意味ではザ・ウォーカーと正反対で、こっちはご都合主義的なもろもろがほとんど起こらない。ほとんど何も起こらないまま、最後に父親が死ぬ、という話。ちなみに原作小説のほうがそれは顕著で、映画はまだしも起承転結を作ってある。


【ハート・ロッカー】

ハート・ロッカー [DVD]/ジェレミー・レナー,アンソニー・マッキー,ブライアン・ジェラティ

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HEARTだと思ったらHURTなのね。爆発物処理班の主人公が、爆発物を処理したりする話。意外にもかなり気に入りました。ドキュメンタリータッチで物事は淡々と進み、兵士同士の会話も、物語の側に要求されてしゃべっているという感じが全然しなくてリアルだったし、スリル中毒になって自ら危険に突っ込んでいく主人公の顔が妙に童顔なのもよかった。一番印象的だったシーンは、顔見知りの少年が腹に爆弾を埋めこまれた状態で死亡しているのを発見した主人公が、自分の職場である戦場に初めて強烈な嫌悪感を覚え、爆発物を処理した上で少年の死体を運び出す場面。いや、違うな。その顔見知りの少年は実は全然別人でピンピンしていて、次の日(なのか分からないけど)いつもどおり主人公に話しかけてくる。人間爆弾にされていたのは全然知らない少年だったと主人公が知る場面だ。とてもいい映画だと思ってネットで調べてみたら、ほらやっぱりね、俺の好きな映画はだいたい評判悪いんだ。なになに?「この手法は既にブラックホークダウンで完成されている」だって?ああそう。じゃあ見てみようじゃない。ブラックホークダウン。


【ブラック・ホーク・ダウン】

ブラックホーク・ダウン(買っ得THE1800) [DVD]/ジョシュ・ハートネット,ユアン・マクレガー,トム・サイズモア

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ということで見てみました。実は名前だけはかなり前から知っていた作品で、なぜって、CALL OF DUTY(PS3用ゲーム。戦争モノFPS。激ハマりました)の掲示板で常にオススメ映画として挙がっていたからなんだね。で、見てみたんだけど、はっはっは、まんまCALL OF DUTYじゃねえか。あとプレイしてないけどBIOHAZARD5でも似たような場面よく見たぞ。まあどちらのゲームよりこの映画の方が時期は早いわけで、むしろこの映画をお手本に2つのゲームは作られたんだろう。好きか嫌いかで言えばもちろん大好きです。物語なんてねえもん。ずーっとドンパチしてるだけだもん。でも、そのドラマのなさにむしろドラマを感じるというのは戦争ゲーム好きな人なら同意してくれる部分だろう。さっきまで隣でしゃべってた仲間が、一発の銃弾で死体になる。逆に言えば、自分の放った一発の銃弾が誰かの人生を終わらせる。言葉はなくて、あるのは生と死との間に引かれた、あまりにボヤけた境界線のみだ。そして共に死線をかいくぐった戦友、彼との友情は戦場を離れた途端になぜか煩わしいものとなる。戦場においてのみ機能する友情、愛情、そして興奮。そういう、言葉で語られないドラマ。いい映画でした。

今度は何を借りようかな。