たくさんの参加者(80名)で、白熱した御手洗長治杯第4回別府市小学生将棋名人戦。

高学年の部の3回戦、赤星秀栄君と友永晴己君の対局が合同新聞観戦記に掲載されました。

優勝や入賞を大きく左右する大一番です。

2015/04/03から2015/04/06までの予定です。

各回の最初の図と終わりの図が、次の一手を研究する資料になっています。

みんなも、考えてみてね~。

【大会名】御手洗長治杯「第4回別府市小学生将棋名人戦」
【クラス】
高学年部(5・6年)
【開催日時】3月8日
【対局者】
▲先手:赤星 秀栄(大分市滝尾小5年)★写真左
△後手:友永 晴)己(別府市石垣小6年)★写真右


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第1譜(1~32)
【緊張のスタート】
長きにわたり、県将棋界を牽引下さった(故)御手洗長治氏。本大会は、氏のご家族からご協賛を頂きました。3月8日、穏やかな日、80名の児童が参戦、ビッグな子ども棋戦となりました。駒音は天上の御手洗さんにも届いたことと思います。
本譜は「高学年部」第3回戦。なお表記の学年は大会当時のものです。両者は、ここまで2戦全勝。本局は大会結果を左右する大一番となりました。それは、二人とも百も承知。故にその顔はやや紅潮しています。
赤星君は得意の三間飛車。友永君は迷わず角交換。子ども達が「さくらんぼの術」と呼ぶ△4五角を放ち、ならばと▲7六角。激闘を予感させる攻防です。
緊張感は図の14手目に現れました。△4四歩に、▲2一角成と▲5八金左を迷いながらも金に手をやった赤星君。ここは馬を優先させた方が良かったか。 
両者、硬い表情のまま、再度の角交換。その後、32手目△7八角に先手の手が止まりました。さて、子ども棋士の皆さん、どう応じますか?
(英之介)

第1譜(棋譜)


先手:赤星秀栄
後手:友永晴己

▲7六歩    △3四歩   
▲7五歩    △8八角成 
▲同 銀    △2二銀
▲7八飛    △3三銀   
▲4八玉    △4五角   
▲7六角    △5二金右
▲3八玉    △4四歩(図)   
▲5八金左  △5四角   
▲2八玉    △4二玉
▲3八銀    △3二玉   
▲1六歩    △1四歩   
▲5四角    △同 歩
▲7四歩    △同 歩   
▲同 飛    △7三歩   
▲5四飛    △4三金
▲5六飛    △7八角



 
   
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第2譜(33~57)
【不屈の友永君!】
 後手の友永君。大会デビューは昨年の同大会。実は全敗を喫してしまったのです。将棋が嫌になってやめてしまう人もいるでしょう。しかし、彼は逆でした。不屈の精神に火が着き、お父さんやパソコンを相手に猛練習を始めたのです。精進が実を結び、数々の子ども大会で優勝・入賞を重ねてきました。
さて、最初の図。友永君が放った△7八角。どちらに動いても馬となる「さくらんぼの術」。眉間にしわを寄せる赤星君。馬は覚悟しなければいけない。ならば、次につながる応手をしておきたい。そんな手があるか。熟考の末▲7六飛を決断。これなら次に▲7四歩から▲5五角の反撃が可能との読み。なるほどの手ですが、桂損は痛い。ここでは▲9八角と応じる手もぜひ研究してほしいです。
進んで、▲5五角に△6四桂と合わせられ、どうやら後手が有利な形勢を固めてきたようです。挽回を期す赤星君に、攻めきりたい友永君。大きなヤマ場が57手目に出現しました。さて、子ども棋士の皆さん、後手ならどう指しますか?



(英之介)
 
第2譜(棋譜)
▲7六飛    △8九角成 
▲7四歩    △同 歩
▲5五角    △6四桂   
▲7四飛    △7二銀   
▲7九飛    △同 馬
▲同 銀    △8四歩   
▲7一角    △8三飛   
▲6二角成  △7五飛
▲8八角    △8五歩   
▲6八銀    △8六歩   
▲同 歩    △同 飛
▲7七銀    △8七飛成 
▲7六歩   
 


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第3譜(58~75)

【研究怠らず!赤星君】
研究熱心で知られる赤星君。棋書での研究も怠りません。今読んでいるのは『囲いの破り方』と『後手番で勝つ戦法』。またネットアプリ「将棋ウォーズ」でも練習を積んでいます。もちろん各種子ども大会に積極参加。数々の優勝入賞を積み重ね、今日に臨んでいます。
さて最初の図。赤星君の▲7六歩。この地点は後手の龍、飛、桂が利く、いわゆる「焦点」。また飛を引く手もあり、実際に友永君を「ううむ」と迷わせました。さあ、どうする友永君。
決断の本譜は△同桂。しかし、ここは、△7四飛と引いておくべきだったか…。
 ここから、少しずつ赤星君の反撃が始まりました。馬を渡し、飛を獲得。さらに攻め続け、角を切った後、75手目に▲6二飛成。本対局で初めての先手龍を実現したのです。
敵の最強駒出現に友永君は沈思黙考。そして、ちらりと時計に目をやりました。切れ負け戦の残り時間は5分。心なしか焦りの色がにじみます。子ども棋士の皆さん、ここでは、どう指しますか?
(英之介)
 
第3譜(棋譜)

△同 桂   
▲6六銀    △7三銀
▲7五銀    △6二銀   
▲5五角    △7三銀   
▲7二飛    △4二銀
▲7四歩    △6四銀   
▲同 銀    △同 歩   
▲同 角    △6三銀
▲4二角成  △同金引   
▲6二飛成  
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最終譜(76~117)
【精神のぶつけ合い】
 この二人は将棋教室「将星会」の同門。資料を見ると、二人の練習対局は50局をゆうに越えています。だからこそ「すごく強い」と互いを評する、その言葉に嘘はありません。   
二人の上達には様々な理由がありますが、対局をしっかり観戦する力を身につけていることも大きいと思います。これは、子ども棋士の皆さんに参考にしてほしいことです。
 さて、最初の図。迫る龍と残り時間に焦りの色を隠せなかった友永君。△7四銀と応じました。だが、ここは5二の地点に金、あるいは銀を配置することを検討したい局面です。そして、普段の友永君ならそうしたかもしれません。この後、先手有利で展開。後手も反撃しますが及ばず、117手で熱戦に終止符。
二人に限らず、子ども達は精神をぶつけ合いながら対局をしています。まさに磨き合いです。 そんな皆さんに空の上から御手洗さんが拍手をしてくれていることと思います。なお、赤星君は準優勝、友永君は三位。両者堂々の入賞です。他の結果は本紙既報(3月20日)の通りです。
(英之介) 
 


最終譜(棋譜)


△7四銀   
▲5三銀    △5二歩
▲4二銀成  △同 金   
▲5一銀    △5三金   
▲4二金    △3三玉
▲5二金    △同 金   
▲同 龍    △6八金   
▲4二龍    △2四玉
▲6八金    △同桂成   
▲2六金    △3三銀   
▲2五金打  △1三玉
▲3二龍    △2二金   
▲3一龍    △8九龍   
▲1五歩    △1二玉
▲1四歩    △5九成桂 
▲3九金    △5八角   
▲1三歩成  △同 桂
▲1四歩    △2五桂   
▲同 金    △4九角成 
▲1三歩成  △同 金
▲同香成    △同 玉   
▲1四歩


まで117手で先手赤星君の勝ち

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