2014/10/12に開催した「べっぴょん将棋大会2」。(関連記事)

2014/11/21の合同新聞朝刊(15面)から3日間、小野倖稜、照記くんの兄弟対局の観戦記が掲載されます。

僕が書かせていただきましたが、子ども棋士の皆さんに、一緒に研究してもらうように書いています。
さて、皆さん、小野兄弟と一緒に考えてみてくださいね。

<1日目>
将棋観戦記
【大会名】別府市制90周年記念第2回べっぴょん子ども将棋大会
【クラス】
上級
【開催日時】10月12日
【対局者】


▲先手:小野倖稜(こうりょう)(明星小4年)★写真左
△後手:小野照記(しょうき)(明星小2年)★写真右

【攻勢!兄、倖稜(こうりょう)くん】
この大会は、別府市在住の幼・小学生の大会です。開会式には浜田博別府市長が、そして閉会式には別府市宣伝部長「べっぴょん」が来場。ニューライフプラザに集まった33名の選手と家族、総勢80名を超える参加者には大きなサプライズでした。
 本対局の小野倖稜君、照記君は2才違いの兄弟。兄弟で将棋に取り組めば、自宅でも対局練習できるという強みがあります。一方で、兄弟だからこそ、つらいことだってあるのです。心の葛藤を乗り越えて、二人はがんばってきました。
さて、途中図。兄が棒銀攻め、弟が矢倉を組みました。迫力ある攻防です。そして、35手目▲3三歩成に△同銀。さて子ども棋士の皆さん、あなたが先手なら、次にどう指しますか?研究してみましょう。
(英之介)


▲7六歩    △3四歩   
▲2二角成  △同 銀   
▲8八銀    △3二金
▲7七銀    △5二金   
▲7九角    △4四歩   
▲5六歩    △4三金右
▲2六歩    △3三銀   
▲2五歩    △4二角   
▲3八銀    △5四歩
▲2七銀    △4一玉(図)   
▲3六歩    △1四歩   
▲2六銀    △1五歩
▲3五歩    △同 歩   
▲同 銀    △3一玉   
▲3四歩    △2二銀
▲2四歩    △同 歩   
▲同 銀    △2三歩   
▲3三歩成  △同 銀

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第2譜(37~67)
【攻め力!弟、照記(しょうき)君】
さて最初の局面図から、先手は▲同銀成と後手「銀」を取りました。しかし、ここは「歩」を取り、次の「金」取りをねらうべきではなかったでしょうか。なんと言っても守りの要は「金」。「金なし将棋に受け手なし」の格言があります。そして「金」を手駒にすれば、寄せに抜群の力を発揮してくれます。
また、54手目の途中図(△1五角)の王手飛車取りには、▲2五香と攻め返しましたが、ここでは▲2五金を研究してほしいところ。飛をただで取られ、なお王手ではたまりません。角を手にしていれば、大活躍できそうだっただけに残念な一手でした。
こうなれば照記君の攻め力が爆発します。取った飛を敵陣の横から打ち込み、なお馬を作り、銀で攻め立てます。なんとかしのごうとする倖稜君。さて、67手目▲3七香の局面です。今度は後手になったつもりで、次の一手を研究しましょう。




(英之介)
 

第2譜(棋譜)
▲同銀成    △同 角   
▲3五歩    △4二角   
▲3四銀    △同 金
▲同 歩    △8四歩   
▲6八角    △8五歩   
▲1六歩    △同 歩
▲同 香    △同 香   
▲1七歩    △2六香   
▲同 飛    △1五角(途中図)
▲2五香    △2六角   
▲5八玉    △1八飛   
▲4八金打  △1七香成
▲同 桂    △同角成   
▲3九香    △3七歩   
▲5九金左  △2八銀
▲3七香  

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最終譜(68~120)

【兄弟の共鳴!】
最初の図から、後手は△3九
銀成と行きましたが、ここでは△3七銀成の方がスピード感がありそうです。照記君、優勢だっただけに、かえって固くなってしまったのか、この後も「らしくない手」が出てしまい、粘る倖稜君が巻き返してきました。
 途中図92手目△2二玉では、むしろ押し込んでもいます。この局面で、倖稜君は▲3三歩成。ここでは▲3三金や▲5八銀も研究してほしいところでした。本譜、この手が痛かった。うまくしのいだ照記君が反転攻勢、120手で最終図のように寄せ切りました。
結果、照記君が優勝。涙を飲んだ兄。しかし、翌週の子ども大会デーに二人そろって参加。今度は倖稜君が優勝という結果になりました。兄弟はいろんなつらさを乗り越えて、まさしく共鳴する関係を築いているのです。なお他の結果は本紙既報の通り。第3回は1月18日の開催予定です。


     (英之介)
 
最終譜(棋譜)

            △3九銀成 
▲同 金    △同 馬   
▲2四歩    △同 歩
▲同 香    △2三歩   
▲同香成    △同 金   
▲4三銀    △3八金
▲同 金    △同飛成   
▲6九玉    △5七桂   
▲7九玉    △6九銀
▲同 金    △同桂成   
▲同 玉    △4九龍   
▲5九銀    △5八金
▲7八玉    △2二玉(途中図)   
▲3三歩成  △同 桂   
▲同香成    △同 玉
▲3四金    △同 金   
▲同銀成    △同 玉
▲3五歩    △4三玉
▲5八銀    △同 龍   
▲3四金    △5二玉   
▲9六歩    △6九銀
▲8八玉    △7九銀   
▲9八玉    △6八龍   
▲8八桂    △同銀成
▲同 銀    △7八銀成 
▲7七銀打  △同成銀   
▲同 桂    △8九銀




まで120手で後手の勝ち