その(1)は↓です。
http://ameblo.jp/einosuke47/entry-11297111071.html
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僕らは、「羽生さん」という蜃気楼を追いかけ、走った。

もとい、息子は走り、僕はかなり遅れて、足をひきずった。

  
2キロは走った(ひきずった)だろう。
もちろん正確にはわからない。
だが、僕の心臓のカラータイマーは、そう告げている。

カラータイマー

ジュワッ!!
限界である。

「お~い、もう帰るぞ~。」
最後の力を振り絞って、小さくなった息子の背中に叫んだ。
 
沿道の高木、フェニックスをかすかにゆらす海風が、その声を息子の耳まで運んでくれたのだろう。
 
息子が立ち止まった。
 
ちょっと意外だった。
と言うのも、息子は、どこまでも追いかけていく性格だからだ。
断っておくが、目的遂行能力が高いのではない。
ただ単に意地っ張りなのだ。
その息子がなぜ?
 
しかし、そんな疑問は、この際、どうでもいい。
とにかく、このゴールの知れぬ「蜃気楼マラソン」に終止符を打てればいい。
  
振り向いた息子が、今度は僕に向かって叫んだ。
 
「急いで、急いで!!」
 
「・・?」
 
「いたよ、羽生さん!」
 
「えっ!」
 
「急いでよっ!!!!」
 
手に取るようにわかる。
息子は興奮している。
レッドゾーン、振り切りである。
声がうわずっている。
足がすくんでいる。
きっと、目も血走っている。
 
3歳の頃、初めて、くぬぎにカブトを見つけた、あの顔を思い出した。

カブトムシ

興奮とは、共鳴運動である。

それは、息子との距離、およそ300メートルをものともせず、父の足をも硬直させた。
 
「ほ、ほんとか!?」
 
声も出せぬ息子が指したその先に、ベージュのコートを着た男の姿があった。
目測、さらに、100メートル先である。 
 
あれが、ゴールなのか。
 
いや、油断はできぬ。
オアシスと信じて、倒れた砂漠の旅人は、きっと数知れぬのだ。

オアシス

つづく

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