- ナイロビの蜂
- ￥2,850
THE CONSTANT GARDENER
イギリス 2005年
レイフ・ファインズ、レイチェル・ワイズ、ビル・ナイ、ダニー・ヒューストン、ピート・ポスルスウェイト、ジェラルド・マクソーリー、ジュリエット・オーブリー、リチャード・マッケーブ、アーチー・パンジャビ
監督：フェルナンド・メイレレス 『シティ・オブ・ゴッド』
脚本：ジェフリー・ケイン 『００７／ゴールデンアイ』
音楽：アルベルト・イグレシアス 『トーク・トゥ・ハー』、『バッド・エデュケーション』
【ストーリー】
ガーデニングが趣味の英国外務省一等書記官ジャスティン（レイフ・ファインズ）。代々外務省の優秀な家系の彼は、職務に忠実で、何事にも例外などないと思っている。ある講演で、忌憚のない質問を浴びせかける女性テッサ（レイチェル・ワイズ）と出会う。対照的な二人だったが、お互いに惹かれあい、アフリカに赴任することになったジャスティンに、自分も連れて行ってくれと懇願する。二人は結婚して、ケニアのナイロビに住む。もうすぐ子供も生まれようとしていた。事なかれ主義の彼は、アフリカで精力的に救援活動を続ける妻テッサの行動には深く立ち入らず、お互いの仕事については干渉しあわないと言っていた。その日も、テッサはロキに向かって、いつものように笑顔で出発した。だが、テッサは救援活動中に何者かに殺され、変わり果てた姿になってしまう。警察はよくある殺人事件の一つとして処理しようとしていたが、妻の死に不審なものを感じたジャスティンは、意を決して自ら調査に乗り出す。やがて、事件の真相にたどり着くジャスティンは、妻の深い愛に触れることになるのだった・・・・。
地の果てで、やっと君に帰る。
観るためには、ゆっくりと落ち着いた時間が必要だと
相変わらずの予備知識のなかった私は
（いろいろな方の記事もスルーしましたし・・・）
なぜか、それだけは心構えとして考えていました
決して単なるラブストーリーではなく
社会派サスペンスと言っても、それだけではなく・・
感想を書くのにキーボードの前で
なかなか動かぬ手をホームポジションに置いたままで
今観た映画のシーンが浮かんでは消え、浮かんでは消え
悲しげな瞳とその瞳の奥に映る妻への深い愛
自分の信念を貫き、夫を守るために秘密を持った妻の愛
自分達の利益と身を守るために友人・仲間を裏切るものたち・・
そして決して救われないナイロビの人々・・
あまりにもたくさんのものに圧倒され
感想が書けないでいます
あまりにも真っ直ぐで男前なテッサと
いかにも英国紳士で心優しいジャスティン
彼を大切に思うからこそ
自分の活動に巻き込みたくなかった
そんなテッサの秘密は
思いもよらない方向に進んでいき
彼女の活動には口を出さないと決めていた夫は
死産したばかりの妻を心配しながらも
妻と活動家のアーノルドの仲をうたがってしまう
お互いを大切に思いすぎた二人は
あまりにも残酷な運命に引き裂かれ
残された夫は妻の足取りをたどりながら
気がつくと、過去の自分とはまったく違う
まるで妻のような行動をとっている
妻の真実が明らかになっていくにつれて
彼女との日々がフラッシュバックのように
映し出される映像と今現在の映像が
悲しみと深い愛を浮き立たせている
この作品の監督が『シティ・オブ・ゴッド』の
フェルナンド・メイレレスと知ったのは
観終わってから・・（汗）
（ほら、そんなことも知らないで観ていましたヨ）
色、広大な景色、音楽
ジャスティンの行動の中に割り込まれている
テッサとの映像
なるほど、フェルナンド監督だなぁと
すごく納得してしまいました！
ジャスティン演じるレイフ・ファインズ
妻を静かに愛し、見守っている紳士の役がぴったり！
妻を見守っていたつもりが、本当の意味では守ってあげられなかった
彼女を亡くしたあと、思い出の家の庭で
涙を流すジャスティンの姿に胸がしめつけられながらも
男の人の泣く姿を美しいと感じたのは
やはりこの人だから・・と思いました
テッサを演じるのはレイチェル・ワイズ
この役でアカデミー賞助演女優賞を獲得しました！
今まで、綺麗な女優さんというイメージしかなかったけれど
素晴らしいです♪
相手が誰であれ、怒りを隠すことなく、問題を追及する彼女
ママ・テッサと呼ばれ、アフリカの子供達に慕われる彼女
ジャスティンと一緒にいる時に見せる
少しはにかんだような無邪気な笑顔
そして、実際に妊娠中だったという彼女の
体当たりな演技に、圧倒されました
母となるものの強さが滲み出たのでしょうね・・
失って初めてわかるお互いの深い愛
最後まで守ってあげられなかった妻への思いを
あの手紙に託したジャスティンの最後の決断
妻が死んだ場所で最後の時を待つジャスティンと
心から安心したような無邪気な笑顔のテッサの
見詰め合った笑顔がいつまでも頭から離れません・・