ケリー・ザ・ギャング | 映画を観よう

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ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン
ケリー・ザ・ギャング

オーストラリア/イギリス/フランス 2003年

ヒース・レジャー、オーランド・ブルーム、ナオミ・ワッツ、ジェフリー・ラッシュ、ジョエル・エドガートン、エミリー・ブラウニング、ローレンス・キンラン、フィル・バランティーニ、ケリー・コンドン、クリス・マッケイド


監督:グレゴール・ジョーダン 『戦争のはじめかた』


【ストーリー】

19世紀のオーストラリア。アイルランド移民の子ネッド・ケリーは、家族を支える長男として、暮らしは楽ではなく、差別と偏見に苦しみながらも真っ直ぐ生きていた。オーストラリアは、かつてイギリスの流刑地としての役割を負わされ、多くの犯罪者が送り込まれてきたのだが、ネッドの父もまた、羊泥棒として裁かれ、アイルランドから送られてきた移民の一人だった。この地で生まれ育ったネッドは、10歳の時におぼれる少年を助け、勇気あるもののしるしとして帯を送られたほどだったが、16歳の時、無実の罪で投獄された。やっと出所した彼を待っていたのは、相変わらず貧しい暮らしの家族と、友人たちだった。それでもこれまで通り、まっとうに生きようとするネッドだったが、妹ケイトに思いを寄せる警察官の偽の証言により、重罪犯として指名手配され、ついに彼は、親友のジョー(オーランド・ブルーム)と弟ダンらと共に“ケリー・ギャング”を名乗り政府に反旗をひるがえすのだった。。。



豪華キャストに、日本未公開作品

ヒース・レジャーを見るか、オーランド・ブルームを見るか・・

そんな軽い気持ちで見た作品です!


実在する人物、ネッド・ケリーはオーストラリアでは伝説的な人

一度、本で読んだことはあったのだけれど

映像になるとまた少し違う感じがしました


映画が始まって、ナレーションがはいりますが

その鼻づまりのような(ゴメンナサイ)低い声は

まさに、ヒース・レジャー!!

年齢に合わないその渋い声に、すぐに映画の世界に引き込まれていきました


犯罪者が流刑される島

その子孫として生まれ育っていく若者達は

どんなに頑張っても、その存在そのものが差別や偏見の対象となり

いわれのない罪を捏造され、ついには本当の犯罪者になってしまう・・・

物語の中で、ネッドが苦しそうに言います

「虐げられた人間はこうするしかないんだ・・・」


決して必ずしもそうではないと思うけれど

彼らは、なりたくて犯罪者になったわけではないはず

ただ、もちろん・・・途中からはねずみ小僧のように

人々に崇拝され、何かを変えられると信じたのだと思いました


ネッド役のヒース・レジャーは

虐げられながらもまっとうに生きようとする青年を

深い悲しみを覗かせながら信念を貫く力強さを見事に演じていました

設定年齢よりもずっと落ち着いて見えたのはヒゲのせいだと思うけれど

ぴったりの役でした。

きっと、オーストラリア出身だけれど、ルーツは英国という部分が

役ではなく、そのままにじみ出ているのかもしれません・・・



オーランド・ブルームは、ネッドの友人のジョー役ですが

ハンサムな顔で女性にモテモテだった・・という実物に合わせて

オーリーが配役されたのでしょう!やさしいまなざしは、やっぱりモテますね!

ジョーは、親友のアーロンに裏切られ、彼を殺すのですが

ジョーの最後は悲しかったです・・・・

血にまみれて死んでいる人々を見て、「なんてことだ。。」とつぶやいて

きっと、彼はもっと優しい男だったんだと思います



時代や生まれた環境、生い立ち・・・

自分がどんなに頑張っても替えることのできないものに立ち向かったネッド


どちらかというと、ただ彼がギャングになった経緯と囚われるまでの伝記物語ですが

彼の恋愛や、友人達と成長してきた人間的な部分が描かれていたら

もっと良かったんじゃないかなと思いました



ナオミ・ワッツは、ネッドが恋する人妻の役ですが

残念ながら出番は少なめです

更に、仕方ないのですが、彼女がネッドを助けていれば・・・という役どころ

でもやはり、あの時代、彼女はそうするしかなかったんですよね・・・


ジェフリー・ラッシュ演じるネッドを追う警視

「レ・ミゼラブル」のような迫力や執拗さがなくてちょっと残念でした


それから、末の妹の役でエミリー・ブラウニングがここでも登場していました♪