真珠の耳飾りの少女 | 映画を観よう

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真珠の耳飾りの少女 通常版
GIRL WITH A PEARL EARRING

イギリス/ルクセンブルク 2003年

スカーレット・ヨハンソン、コリン・ファース、トム・ウィルキンソン、キリアン・マーフィー、エッシー・デイビス、ジュディ・パーフィット、アラキーナ・マン


監督:ピーター・ウェーバー

脚本:オリビア・ヘトリート

音楽:アレクサンドル・デプラ 『愛のエチュード』、『陽のあたる場所から』

原作:トレイシー・シュバリエ



【ストーリー】

1665年、オランダ。タイル職人の父が病に倒れ、とうとう失明してしまったことから、家族のために奉公へでかけるグリート(スカーレット・ヨハンソン)。彼女の雇い主は、天才画家フェルメールの家だった。フェルメール家は気難しいフェルメール夫人のカタリーナ(エッシー・デイビス)と、彼女の母親のマーリア(ジュディ・パーフィット)、そして6人の子供たちという大家族。だが、フェルメールが1枚の絵を完成させるには3ヶ月~半年もかかるため、家計は苦しく、使用人も少ない。カタリーナは夫の仕事を理解せず、フェルメールが書いたキャンバスを破いたこともあり、それ以来アトリエには入らなくなっていた。グリートはそのアトリエの掃除を頼まれる。

広大な屋敷には、夫を避難するカタリーナのヒステリックな声と、子供たちの騒がしい声と足音、だが、アトリエだけは唯一静寂の中にあった。

フェルメールの書きかけの絵を見て立ちすくむグリート。彼女は特別な才能(光りと色に対する)を持った少女だった。そしてグリートの才能に気づいたフェルメールは絵の具の調合などを手伝ってもらうようになり、ついにグリートをモデルに絵を描きはじめるのだが・・・・。



あちゃぁ~、参りました・・・素晴らしい!でも、万人受けする作品ではないかもしれないです・・・。


この作品の原作者がフェルメールの「真珠の耳飾の少女」(通称「青いターバンの少女」)の表情から考え出したという物語。美術の本などで一度は見た事があるあの作品です!

(光の画家と呼ばれたレンブラントと同じ17世紀に活躍したオランダの画家です。この絵ではその時代ではとても貴重だった「青」の絵の具をふんだんに使っていることでも有名で「フェルメール・ブルー」と呼ばれています)


思わずノンフィクションかと思いたくなるほど、1枚の絵からこんなに美しい物語ができるんですねぇ~。

とにかく、セリフが少ない!あの物憂い表情、しぐさ・・そういうところで語られる物語がなんとも言えなかったです・・・。



スカーレット・ヨハンソン、この作品の完成時で19歳(撮影時期はもっと若いわけで・・)ですね。

グリートも17歳という設定ですから、ある意味、等身大なんでしょうけれど、スゴイです!わずか11歳だったという『のら猫の日記』でもスゴイと思ったけれど、いや~セリフなくてもこの表現力は・・・ため息もんです!!青いターバンを巻いた姿は、あの絵かと思ったくらい・・・。(よく観ると似ていないけれどね)


コリン・ファース扮するフェルメールがまた色っぽい。

なんだろう、あの眼光鋭い瞳。ボサボサの髪もセクシーというか・・・。『ラブ・アクチュアリー』の時とは全然雰囲気違うんでビックリ!!



二人はお互いの才能を認め合い、惹かれ合うのだけれど、絵を介するしか術がない。あのパトロ合いないや~な親父のように、主人が使用人に手を出すなんて普通にあった時代だから、妻の入ってこないアトリエで何があっても不思議ではないのだけれど・・・二人はもっと違う部分で繋がっているんですねぇ~。


それにしても、なんて、美しい、官能的な作品なんでしょう♪!(裸なんて出てきませんよ!!)


モデルを始めたときにフェルメールがグリートに唇を少し開いて、舐めてみて・・・というシーン。

少しも目をそらさず唇を何度も下唇を噛んで濡らすグリート。最初は戸惑っているのに何度も唇を噛むうちに少女から大人の女性に見えてくる。。。


顔が見えないから頭巾を取ってくれといわれたグリートが布で髪を巻こうとするシーン。

豊に少しウェーブがかかった栗色の髪を降ろしたグリートを密かに覗くフェルメール。

付き合っている肉屋の息子ピーターにさえ見せたことのない髪をフェルメールに見られた、見せてしまったグリートの鼓動が聞えてくるようなあの表情。でもどこか挑発的でもあり・・・

(髪を見せるということがこんなにも女性を強調することだったなんて再認識です!)


そして、真珠の耳飾りをつけたシーン

あの涙はなんだったのか??

耳にピアスをすることはどれだけの決心だったのだろう。それがどんな結果を生むかグリートは知っていたはず。。。こんなに近くにいるのに届かないフェルメールに対する思い?その夜、酒場にいるピーターの元へ走るグリートの気持ちは??

ここはちょっと意外だったけれど・・・逆にそれほどまで・・・と思ってしまう部分でもありました。



フェルメールの義母、マリーアは全てを知っていたんですよね。初めてフェルメールの絵を見て立ちすくんでいるグリートを見た瞬間から・・・。グリートをモデルにしていることも、カタリーナの耳飾りを貸したときも、カタリーナが絵を見たらどうするか?そして、フェルメールが選ぶものが何なのかも・・・・。


ラストの真珠の耳飾を握り締めたグリートの気持ちが・・・。



あああ、いけないですねぇ~書きすぎました(苦笑)