加藤隆「新約聖書」の誕生 | さかえの読書日記

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琴線に触れたことを残す備忘録です。

「新約聖書は、西洋的である。それは新約聖書が成立し定着した環境が西洋的なものだったという単純な意味ではない。新約聖書の使用方法が前提としている社会構造が西洋的だという意味で、ある程度は世界的に認められているのは、現代の世界においては西洋的社会構造が支配的だからだと、やはりいわざるをえない。ここで『西洋的』であるということの最も重要だと思われる面を、無理を承知の上で述べるならば、『西洋的』であるとは、人間を本質的な意味で上下の序列に組み込んでいる、ということである。」

 

   加藤隆「武器としての社会類型論」参照