絵:シャガール「時に岸なし」
「夏に会ったひと」2015/2/9完結
「夏に会ったひと」(1) ※←タイトルをクリックしていただくとページに飛びます
四季の中では秋が好きだ。
特に金木犀の咲く頃が一番好きだと思う。
「夏に会ったひと」(2)
二番目に好きなのは春。
それは桜の咲く頃。
「夏に会ったひと」(3)
「夏の終り」というのは、いったいいつの時を言うのだろうか。
それは「秋の始まり」とはまた別のものなのだ。
「夏に会ったひと」(4)
地球に四季が繰り返されるように、人の一生もまた、繰り返しに四季が巡っているではないかと私は思うのだ。
「夏に会ったひと」(5)
それは、猛暑と呼ぶに相応しい夏の、一番暑い日のことだ。
「夏に会ったひと」(6)
ふと、その二人の姿が目に浮かんだ。
どこかの広場で、道行く人々の足を止める大道芸人。
「夏に会ったひと」(7)
過ぎ去る時はさらさらと流れ、誰もそれを止めることは出来ない。
舞台の幕はやがて下り、祝祭の日々はいつか終わる。
「夏に会った人」(8)最終章
過ぎ去る年を振り返り、次の一年を思うには、真冬こそが相応しい。
文:煌月