映画「英国王のスピーチ」がアカデミー四冠に輝き、注目を集めていますね。
私も応援していた映画なので、受賞をとてもうれしく思っています。
この映画の中で、吃音のコンプレックスを持つ王が、セラピストと二人三脚で努力を重ねて克服し、
国民の心を打つスピーチを届けられるようになる姿は、多くの人の胸に響くものでした。
さて、数日前の新聞のローカル記事に、こんな興味深い話がのっていました。
隣町に住む92歳の男性が、昔間違って手に入れたレコードが、今やお宝となったというのです。
なんと英国王ジョージ6世の1937年の戴冠式のスピーチが録音されたこのレコードは、
60年も昔、モントレーのジャンクばかり売っているような店の、
クラシックレコードコーナーにまぎれていたものだったそう。
奇遇なことに、このスピーチのレコードをたまたまを手に入れた男性も、英国王と同じく、
幼い頃に左利きを矯正したことがきっかけで吃音に悩んでいたとのこと。
彼の場合は、スピーチセラピストではなく、大学での歌のレッスンによって吃音が直ったそうです。
自分と英国王の姿を重ね合わせ、録音された演説の中から、必死な思いが感じられ、
その後何度も住居を移転しているにもかかわらず、このレコードを捨てたり失くしたりすることなく
大切にし、時々とりだしては、聞いていたとか。
ひょんなことから手元に転がり込んだこのレコードは、彼にとっては思い入れのある大切な品だったけれど、
他の人には、何の興味も関心も持たれる事がない、見向きもされない存在だった・・
この映画が上映され、注目を浴びたことで、この古びたレコードもまた、
急に世間の感心をひく存在となったのですね。
ちなみに、この男性は高齢で聴力に問題が出てきているので、映画館での映画鑑賞はできず、
「英国王のスピーチ」も、DVDになるのを楽しみに待っている最中だそうです。