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まずは七夕の原型「天人女房」の粗筋を解説しますね。

この話しが次に出て来る「棚機伝説」と融合して行くのです


この天人女房は、日本全土。北海道のアイヌ族から沖縄まで。

中国・朝鮮半島や東南アジア~ヨーロッパまでと世界の広範囲に類話が見れます。


なんと、バレエの「白鳥の湖」の原点のひとつも、白鳥乙女伝説だと言われているのです。羽衣を付けた日本の天女は世界の他の民族では、羽根の衣を付けた白鳥乙女になるようdせう。



【天人女房】

昔、天人が二人、天から降りて来て川で水浴びしていた。


羽衣を、側の木に掛けて置いて、夢中であそんでした。


そこへ、若い牛飼いの男が通りかかって、羽衣を見つけた。


誰だろうと思い見渡すと天人が見えた。


こんなに素敵な女性を初めて見たと思った彼は、一目ぼれして、その羽衣を一枚盗って背負い籠に隠すと、再び見とれていた。


暫くすると、二人とも自らあがり、一人は羽衣をまとい天に昇っていった・・・・・


が・・・・・もう一人のは彼が盗ってしまっていたので、自分の羽衣が見つからなかった彼女はうろたえて泣きだしてしまった。


そこへ彼は「何で泣いてるの?」と聞いた。


天人「羽衣が見つからないのです。私は天に帰れません。あなたは羽衣知りませんか?」


彼「知らん。けど、天に帰れないなら俺の家に来い」と言った


天人は、今となっては仕方ないのであきらめて彼に従った。

そして二人は夫婦になり、七年が過ぎた頃には、子供も二人産まれ幸せに暮らして居た。


しかし・・・・それが崩れさったのは彼が仕事に出かけている時だった。


母親が水汲みに出掛けている間下の子がむずがったので上の子が歌を歌って上げていた。


その内容が「父は山へ木をなぎに、母は水汲みに。泣くな坊ちゃん。六本柱の高倉の稲と粟底積み、飛び着物~舞い着物とってみせるさ」


そして、坊やは笑ったのですが、その歌が帰宅途中の母親に聞こえていたのでした。


母親はその歌はどこで覚えたのと子供に聞くと、母親の留守に坊やがぐずると何時も父親が歌って居たと告白する。


その話しで気が付いた母親は、高倉に駆けあがり稲束、粟を押しのけると羽衣が見つかった。


そして子供を両脇に抱えると天に昇って行った。


帰宅した牛飼は妻も子供もいない事に気が付いた。

そして書き置きの手紙を見つけた。

「羽衣を見つけたので、父母の居る天に帰ります。子供が恋しかったら点に昇ってきてください」


彼はどうしていいかわからず眠らず食わずの生活を暫くして居ると隣の人が来て訳を尋ねた。


それで彼が理由を話すと、彼は天に昇る方法を教えてくれた。


「庭を掘って、お前の一番大事な物を埋めなさい。そしたら金の竹が生えてきます。七日待ったら点まで伸びるから、それを伝って天に昇りなさい


牛飼は思う「牛が一番大事だ」そう考えて牛の所に行くと・・・・

何と牛がたおれて死んでいたのだ!

それで彼は泣きながら牛を埋めた。


そして生えた金の竹で天に昇って妻と子供に会えました。

彼女の御両親に挨拶をした彼は父神様に

「私の言う事をやってみろ!それが残らず出来たら、婿にしよう!」


と無理難題を仕掛けるというかぐや姫の様なパターンが展開するのであった・・・・・!


その婿殿の体を張った頑張りが凄かったので(笑)

省略しようと思いましたが、次回に少し御紹介したいと思います。




続きは→その8