君は、肩乗りインコならぬ肩乗り兎だった。
肩に載っけて色々な所に行ったね。
君に海を見せてあげたい・・・・・。何故か私は思ったから君を海岸に連れて行った。
君の黒くて大きな瞳に水平線が映っていたね。
初めて見た海・・・。君は寄せて返す波に見とれていた。
いったい何を思っていたんだろうね。
「全ての命が生まれる場所だよ・・・・」と私は何故か言った。
君はただ黙って涙を流しながらこちらを仰ぎ見ていた・・・・。
「君の体が無くなるまで、ずっと一緒にいるから。どんな事があっても一緒だと約束するよ」と言った。
君は「わかった」と瞳でそう言ってたね。
そんな楽しい毎日・・・・・。
とある日の事。
私達家族は、就寝前に、彼のドアがきちんと閉まってるか必ず確認していました。
※理由はコード等を兎がかじると感電したり、縄張りを広げようとあちこちにおしっこをする為。
死に結びつく危険な事なので家族皆で必ず確認していました。
それなのに・・・・・。
夜中、彼が一人でいる隣の部屋から、ふすま越しに彼の走る足音がするのである!
「カカカカカカカカッ!カカカカカッ!」
急いでふすまを開けると音がパタッと止む。けど君はゲージの中・・・・。
そんな事は三回以上あり・・・・。
不思議に思っていは居たのだけど原因がわからず・・・・。
昼間出かけていた時にそれは起こりました・・・・。
家に帰宅するとリビングの一番日当たりの良い場所に彼が寝ころんでいるではありませんか!
お腹を見せてふてぶてしくだらしなく?寝ていたのです。いびきをかいて・・・・。
私が近づくと、その気配でガバッと彼は驚いた様子で、目を覚ましました。
その時の彼の顔はどう見ても
「やべぇっ!見つかっちまたぜ!」
というような悪ガキが先生を見る様なまなざしだったのです!
いつもだったら帰宅するとカタカタ籠を鳴らし、開けると一目散に私に走り寄って甘えてペタペタくっついてくるのでが・・・・・その時はこちらを凝視したまま座り込み凍りついてました。
そして、こそこそとゲージの中に自分から入りだしたのです。見なかった事にしてくれと言わんばかりに。
なので私は
「もう手遅れだよ・・・・。本当は自分でドアを開けられるんでしょ君?」って話しかけると
気まずいのかこちらを見ようともしません。
この脱走事件も実は三度ほどあり。
何らかの開けられる方法を彼は持っていたに違いありません。
嘘と思うかもしれませんが、本当の話しで、大人二人が毎晩チェックしたので間違いないです。
明らかに彼は夜中や出かけて誰もいない時に脱走をしていたのだと思います。
続きは→その9