クイーン+ポール・ロジャース その2
Peter Freestone, David Evans, 田中 雅子, ピーター フリーストーン, デヴィッド エヴァンス フレディ・マーキュリー―華麗なるボヘミアン・ラプソディ リック スカイ, Rick Sky, 中村 美夏 フレディー・マーキュリー 華やかな孤独 |
【このコンテンツは批評目的によるフレディ・マーキュリー氏の音楽の引用が含まれています。音楽の著作権は著作権者に帰するものです。また、個人的耳コピのため音楽的には間違った解釈である可能性もありますが、故意に著作権者の音楽の価値を低めようとするものではありません。著作権者主体者の権利、音楽の美学を侵害した場合このページに限り、いかなる修正・削除要請にも応じますので、ご教授ください】 一昨日観に行ったクイーン+ポール・ロジャース。 自分はクイーンのアルバムを全部きちんと聴いていない。ライブを観るのも初めてだ。レコーディングの「ボヘミアン・ラプソディー」や「バイシクル・レース」の印象がかなり強く、クイーンの”編曲力”、そして、複雑に構成された変拍子、転調を見事にこなす、技術の卓越したバンド、という偏見を持っていた。そう、イエスの曲を演奏するような能力を持ち合わせたミュージシャン達と思っていたのだ。 友人OMによれば、「クイーンはそういうバンドとちゃうで。下手やで。それを判ってないと、楽しめへんで」。ロジャー・テイラー(Roger Taylor)のドラミングは常に”ワタワタ”しているし、ブライアン・メイ(Brian May)のギターも、音色はキレイだが常に速いパッサージが遅れる。生演奏で勝負するというより、どちらかといと、スコアに綺麗な絵を描くことが持ち味のバンドだったのか。判っていなくて損をした。
ロジャー・テイラーのヴォーカル曲というのを意識して聴いたことがなかったが、フィル・コリンズ、ピーター・ゲイブリエルに通ずる所謂”ブリティッシュ声”が魅力的だ。アンコールで、ブライアン・メイのアコースティックギターをバックに、ロジャー・テイラーが歌った、「ボーン・トゥ・ラヴ・ユー(I Was Born To Love You)」。キーはGメジャーだったと思う(レコーディング版はAb)。構成はライブどおりでないかもしれない。あしからず。 作詞、作曲:フレディ・マーキュリー(Freddy Mercury)
Ⅰ-Ⅲm7-Ⅳ-Ⅰ-Ⅱm7-Ⅴ7 が骨格となるコード進行。4小節、トニック内転換Ⅵm→Ⅰ→Ⅵmを八分音符3、3、2の符割でニュアンスとして行う。7~8小節、ベースラインはD→C→B→Aと下降。 【A-2】
【A-1】と同じ構造だが、6小節でトニックに解決する。 【B】
Ⅰ-Ⅲm7-Ⅳ-Ⅱm7 【A】の1~4小節のコード進行にサブドミナント代理Ⅱm7を挿入して倍テン(=倍のテンポ)にしたものだ。ベースは「♪×3、♪×5」という基本リズムを描く。 【C】
ブリッジ。【B】のリズム(3-3-2系)から8ビートを強調したリズムに変わる。コード進行は Ⅴ7-Ⅲm7-Ⅵm7-Ⅱ7-Ⅴ7 この後【A-1】【A-2】を繰り返す。 【D】
再ブリッジとも言うべき、【D】パート。このように、単純な構成で終わらないのが、フレディ・マーキュリーらしいところ。1~7小節はⅠ-Ⅳヴァンプ。7小節目は経過ディミニッシュコード挿入。8~17小節は、 Ⅰ-Ⅴ7-Ⅵm7-Ⅱ7-Ⅴ7 と、ベーライン下降のパッヘルベルのカノンタイプ(参照 )進行で、また【A】に戻り、ギターソロをフィーチャー。 【C'】
Ⅲm7-Ⅵm7-Ⅱ7-Ⅴ7 【C】パートの変型パターン。フレディらしい複雑な構成が曲を盛り上げて、この後また【A-1】【A-2】繰り返し。 【E】
Ⅱm7-Ⅴ7-Ⅰ ツーファイブに乗せて繰り返す。そしてGメジャー一発のコーダへ。コーダはノリでやっているというか構成が複雑なので、解析は省略。 元はフレディのソロ作品。木村拓哉&竹内結子のドラマ「プライド」でリバイバルしたのが記憶に新しい。ブライアン・メイとロジャー・テイラーの弾き語りバージョンは、本当にしっとりしていて、寂しげで、感動的だった。
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