ロンドン・テロとラルフ・マクテル
Ralph Mctell From Clare To Here: The Songs Of Ralph McTell Ralph McTell Definitive Transatlantic Collection Ralph McTell Best of Ralph McTell: Streets of London |
無差別殺人を行える奴等というのは、「様々な文化があること」(参照 )、「色々な他者がいること」(参照 )に対する想像力が、根本的に欠如した輩だと思う。 自分は、ロンドンに行ったことがない。ロンドンの風景を想像するとき、真っ先に出てくるのが、イギリスのフォーク・シンガー、ラルフ・マクテル(Ralph McTell)の「ストリート・オヴ・ロンドン(Streets of London)」。キーはDメジャー。 【A】
もろパッヘルベルのカノン進行(参照 )。歌詞は、 In his eyes you see no pride と続く。大意を訳すと、 ロンドン下町のおじいさんを見たことがあるかい? 擦り切れた靴で、新聞紙を蹴っ飛ばしている。 目にはプライドの欠片も無く、だらんと腕を垂らしてる。 昨日の新聞は、昨日のニュースしか伝えてないのに。
【B】
Ⅳ-Ⅲm7-Ⅰ-Ⅳ-Ⅰ Ⅱ7-Ⅴ7 サブドミナント→トニックを繰り返して、ツーファイヴ。 何で君だけが寂しいと思うのかい? 自分にだけ太陽が輝かないなんて。 【A】'
君の手を取って、ロンドンの街に連れてってあげるよ。 君の心を変える何かを見せられると思うんだ。 ここに描かれた情景は様々な人間が共存する街。それは、色んな人種の人々を受け入れてきたヨーロッパ大都市の歴史と風格を感じさせる。どこかホッコリと暖かい街の情景。 無差別殺人、任意の any one を消せる奴等は、任意の one (=自分)すら消せるのだと思う。この曲には任意の any one が、それぞれの立場、いばったりできないが、何かを持ちながら生きている様を描写している。僕らは、他者の心理や生活を想像し、他者を描いたり、歌ったりする感性と能力を、どんな極限状況下であり、どんな「大義」、「正義」、「黄金律」、「使命」があろうとも、決して忘れてはならないと思う。 ■関連記事:セロ弾きのゴーシュ 樋屋奇応丸 パッヘルベルのカノン |