村上春樹の研究本はいくつかあるみたいなのですが、よむのは本書が初めてです
これが、あまりにおもしろくって、一気に読んでしまいました
村上春樹に対する、もやっとした魅力と謎が、個人的にはすべて解明されたような気がします
なにより素晴らしいのは、あらためてまた村上春樹を読んでみたくなること。
わたしはノルウェイ信者ですが、ほかの作品ってそこまですきじゃなかったんですね
でも結局長編は全部制覇しているわけで(半分以上忘れてしまってるけど・・)
すきじゃないけど気になる存在、というひとでした
そういったひと、もしくはファンのひとが読むべき論です
タイトルがもったいきもする
このひと切れ者すぎて、個人的には村上春樹を越えた次元で評論してる気もします
かかれていることは素晴らしいけど、村上春樹が暗に込めたメッセージというよりも
村上春樹が表現し得なかった世界にまでいっちゃってるかんじ
村上春樹をベタ褒めしてるようで、どことなく尊敬した作家に対しての意見じゃない気もします
うまくいえませんが、良い意味で真剣になりすぎてないというか,,,
こんなけヨイショされても、村上春樹自信は嬉しくないだろうな、という謎の印象も持ちました
でもその余裕の視点がわたしのような読者には絶妙な距離でした
ただ、ちょっと内容がちらばりすぎて、まとまってない
あとがきによると、今までかいてきたブログ等の村上春樹論をまとめたらしく、
たしかにひとつひとつは沁みるけど、いろいろとんでて、
真剣に正面から解いたというよりも、おもうこと、おもうことをぽんぽんっとのせただけにも感じた
かける面だけかいてみたって、なんとなくずるい印象ももつから
それでも細部はさすが研究者ってかんじの隙のない評論で、ほんとうによかった
ノーベル賞をとった時用の寄稿にはじまる出だしや冬のソナタの発想もよいですね
面白い人というのは、頭の回転がはやく賢いということを改めておもいました
ほんとうに頭のいいひとは
・想像力がある
・ユーモアがある
・むつかしい言葉をつかわない
mammy的天才三原則に一致するひとでした
私たちの平凡な日常そのものが宇宙論的なドラマの「現場」なのだということを実感させてくれるからこそ、
人々は村上春樹を読むと、少し元気になって、お掃除をしたりアイロンかけをしたり、
友だちに電話をしたりするのである。それはとってもとってもとっても、たいせつなことだと私は思う。
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