おはようございます(こんにちは)。三重心身クリニックの臼井卓士です。
今年も1週間が過ぎました。
今年はあまりブログを頑張れていません。・・・年明けから持病のアレルギー症状を増悪させ、悩まされております。
さて三重心身クリニックではこころの病やメンタルヘルス不調に対し、お薬の処方をしたり、カウンセリングでの治療も行っていますが、分子整合栄養医学という学問に基づいた、栄養素による治療も行っております。
昨年最後の分子整合栄養医学の記事は「エネルギー代謝に重要なビタミンB群」でした(→過去記事 )。
「アデノシン三リン酸」 ( ATP ) というエネルギー物質は生体のエネルギー通貨であり、ATPは生物が生存したり増殖するための生体エネルギーとして利用されるのでした。ナイアシンを含めたビタミンB群がATP産生に重要であり、上手くいかないと乳酸の生成が増えやすくなることもお伝えしましたね。
再掲
上の図で考えると
ピルビン酸 アセチルCoA
という反応が円滑に進まないときに乳酸が増えます。
さて、前回の続きになりますが、酸素が足りない状態では、アセチルCoAから先の反応が進まないためピルビン酸からATPを作る必要が出てきます。そのピルビン酸からATPを産生するときに出てくるのが乳酸になります。「筋トレで筋肉が張る」「久しぶりに重労働をしたら筋肉がだるい」ということがありますが、これは筋肉が活動する際には酸素の供給が追い付かず乳酸が出てしまいやすいからなのです。つまり乳酸は酸素供給量が追いつかないときに増える代謝産物なのです。
そしてもう一つ、ピルビン酸→アセチルCoAの反応を矢印通り右へ流すためには、ビタミンB1が必須です。ビタミンB1不足であると乳酸が多く作られ、効率よくエネルギー産生ができないのですぐに疲れてしまったりするのです。またアセチルCoAから先の反応では、酸素以外にビタミンB2、ナイアシン、パントテン酸などのビタミンB群が重要です。
つまりビタミンB群が不足すると、十分な酸素供給があったとしても効率よくエネルギーが作られないだけでなく、乳酸が蓄積してしまいます。
三重心身クリニックの分子整合栄養医学外来(サプリメント外来)を受診されるクライアント(患者)様の多くが、疲れやすさを訴えられます。あるいはあまりに長くそういう状態が続いており、疲れやすさを自覚できない方も多くいらっしゃいます(治療により改善すると「身体が軽くなった」と報告いただく方が多いですね)。そのようなとき「運動不足」で「体力が落ちている」のが原因と思い、運動をするようにしたと報告される方が多くいらっしゃいます。
先日も「今は運動は控えたほうがよい」と助言をしたクライアント様がいました。疲れの原因がビタミンB群不足であれば、運動をすることでさらにビタミンB群が消費されてしまうからです。