肛門科はお尻のトラブルを抱えた人が来るところ。
そしてトラブル回避のために下剤を飲んでいる人が多いです。
ほとんど・・・と言っていいくらい。。。
飲んでいる下剤の種類は主に2つ。
酸化マグネシウム系
アントラキノン系
このどちらか、あるいは両方ちゃんぽんで飲んでる人も
昨日のブログで書きましたが、酸化マグネシウム系は「やわらかい便を作る薬」です。
決して「便を出す」薬じゃありません。
これは腸を動かさないのでクセになりにくい、腸に負担をかけないという安全神話があり、医師からも多用されています。
そしてアントラキノン系下剤は薬で腸を動かします。
神経細胞に作用するためクセになるのです。
依存性・習慣性があると言われるのはそのため。
最初は1錠で効いていたのに効き目が悪くなり、2錠、3錠、4錠、5錠と増えていき、コーラックを1回1箱(30錠)飲んでいた患者さんもおられました
市販の下剤だけでなく便がドッサリ出るなどと謳われているお茶や健康食品、サプリメントなどにも入っていることがあるので要注意
アントラキノン系下剤を飲み続けると腸が真っ黒になってしまいます
大腸メラノーシスというのですが、黒くなった腸は自分から動かなくなります。
そうなると薬を飲まないと便が出ない体になり、死ぬまで一生その下剤を飲まなければならなくなってしまいます
それだけでなく大腸癌との関連も指摘されているため、たかが便秘だなんて言ってられない
皆さんも飲んでいるものの成分を今すぐチェック
こちらのブログを読んでチェックしてくださいね
また困ったことに、お尻にトラブルがある人って、出口の排泄がうまくいっていないだけで、腸はちゃんと動いているケースが多いんです。
出口で便秘してるのに、お腹に効く下剤を飲むから下痢になったり、おなかが痛くなったり、軟便が何度も何度も出たり、水のような便が出たりするんです
そして
下痢のせいで肛門周囲膿瘍や痔瘻になったり、
洗い過ぎ、拭きすぎを招くため肛門周囲の皮膚がただれたり、
何度も排便しすぎてお尻が腫れたり
出始めだけ便が硬くて切れ痔になったり
軟便のせいでお尻がかゆくなったり
もういろ〜んなトラブルが起こってるんです
下剤のせいで痔を作っている
とも言えて
特に下剤による下痢で痔瘻になってしまったケースは本当に本当に残念なんです
ある意味、人工的痔瘻ですもん
たった1回、きつい下剤を飲んで下痢しただけなのに、その下痢のせいで痔瘻になっちゃった・・・という女性患者さんを今まで何人診てきたことか
痔→便秘→下剤を飲もう!
という発想は捨ててください
お尻に何か異変が起こったら、まずは出口の排泄を意識してみてください。
ちゃんと出てる?
残ってない?
便が溜まってないよね?
大切なのはそこ!
だって出口で問題が起こってるわけでしょう?
お腹に原因を求めるのは出口に異常がないことを確認してからです。
良かれと思って
痔のために飲んだ下剤で
痔をかえって悪化させている
ということ
本当に多いので
皆さんも気を付けてくださいね。
その下剤、本当に必要ですか?
その下剤、合ってますか?
診療所のセラピードッグ「ラブ」
真ん中の服を着ている
トイプードルがラブです
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