自分の仕事を問う | みのり先生の診察室

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5万人以上の「オシリ」を診察してきた
肛門科専門医の女医がつづる
お尻で悩める人へのメッセージ

先日、徳島県美馬にあるホウエツ病院で講演をさせて頂きました。

 

 

きっかけは2017年秋の日本臨床内科医学会での教育講演から始まりました。

 

その時のことはコチラ↓

 

日本臨床内科医学会で講演しました

 

この講演を聴いておられた徳島県内科医会の会長から「あまりにも内容が良かったので、今日聴きに来れなかった徳島県の内科医会の会員にも是非聴かせたい」と言われ、翌年5月に徳島県で講演をさせて頂きました。

 

わざわざ心のこもったお手紙まで頂いての要請でした。

 

そして徳島での講演も大変喜んで頂け、そこに来られていたホウエツ病院の院長先生から「排便管理セミナー」で職員向けに具体的に話をしてほしいと依頼が。

 

どこかで講演をすると、その講演を聴いて下さった先生から次の講演の依頼があり、講演が次の講演につながるという連鎖で、毎年講演をたくさんさせて頂いております。

 

講演の準備は大変で、仕事の合間をぬってやったり、休日を犠牲にしてスライド作りをしましたが、私自身、すごく勉強になり、講演を重ねる度に自分がステップアップして成長することが出来ています。

 

どう伝えよう

どうすれば伝わるかな

 

と自問自答しながらスライドを作る作業は、改めて自分の理解を問われ、時には理解の甘さが露呈し、そこから改めて勉強をし、とことん調べ、自分の中に落とし込み、しっかりと理解をしてからアウトプットする。

 

数年前の講演のスライドと比べると明らかにレベルアップしています。

 

自分自身も成長させて頂いていることに感謝です。

 

そして今回のホウエツ病院での講演でも高齢者の排便管理について考えさせられました。

 

寝たきりの高齢者の場合はどうするのか?

 

病院と自宅での場合で違ってきます。

 

そこは私たちの診療経験が役立ちました。

 

ホームに入所している高齢者の方が施設の職員の方と一緒に来られたり、ご家族が車いすに乗せて連れてこられたりすることがあります。

 

寝たきりの高齢者の痔の手術をさせて頂いたこともあります。

 

(分離結紮は手術室じゃなくても出来るところが強みですね。ヘタしたら訪問診療で患者さんの家に行って手術することも可能です。)

 

 

今回は私からお願いして講演前にホウエツ病院の見学をさせて頂いたんです。

 

何故って、ホウエツ病院はドクターヘリだけでなく自衛隊のヘリや輸送機が離発着できるヘリポートを備えているスゴイ病院なんです!

 

すごいでしょ!

 

普通のヘリポートの数倍の大きさがあるんですよ。

 

夜間でも離発着出来るようにライトアップします。

 

院長の林先生とキラキラ

 

ホウエツ病院は徳島でも有名な基幹病院。

 

ドクターヘリだけでなく自衛隊のヘリや輸送機が離発着できるようにされている理由は災害時のことを想定されているからです。

 

だから訓練も、なんと!自衛隊と合同でされてるんです!!

 

南海トラフ地震が起こったときは徳島市が津波で被害を受けるから、山間部の美馬にあるホウエツ病院で患者さんの受け入れをできるようにという使命感をもっての対策です。

 

防災に関しては大阪肛門科診療所もかなりやっているつもりだったのですが、レベルの違いに頭が下がりましたびっくり

 

林院長と話をしていて、災害時や救命救急の現場では私など、何の役にも立たないどころか、何も出来ず足手まといになるだけだろうなぁ・・・と少し医者として情けない気持ちになりましたタラー

 

でも、講演のあと、医療や介護の現場で医師や看護師のみならず、介護士やヘルパーさんなどが高齢者の排便管理で困っていることを知り、こんな私でも役に立てるかもしれないと分かりちょっぴり嬉しくなりましたおねがい

 

地域や診療科によって同じ医療でも求められる仕事や役割は違うと林院長から言われました。

 

都会と過疎地では医師として求められる能力も違うし、それぞれが持ち場で自分の役割を果たせばそれでいいと。

 

確かにそうです。

 

過疎地では医師不足ですから自分の専門は肛門科だから、肛門以外は診ませんとも言えない状況があります。

 

幅広い知識と経験が必要です。

 

でも都会では病院やクリニックがたくさんあるから、それぞれが自分の専門分野で仕事をすればいいと言われました。

 

でも実際は・・・

 

大阪府は医師過剰地域と言われていますが、開業すると一人の医師が多数の診療科を標榜しています。

 

それぞれが自分の専門分野だけで開業して、専門外のことは専門医に紹介するなどすれば、痔の患者さんも路頭に迷うこともないのになぁ・・・って思いますねタラー

 

地域医療の現場を見て自分の仕事を改めて問う貴重な機会を頂きました。

 

そして大阪の地で100年以上前から肛門専門施設として続いている、しかも自由診療の肛門科という立ち位置を考えさせられました。

 

私たちの仕事は役に立っているのか?

 

私たちの医療は必要とされているのか?

 

誰のためにやっているのか?

 

何のためにやっているのか?

 

帰りのバスの中で美しい景色を見ながら自分の仕事を問いました。

 

問いの答えは仕事の中で見つけていこうと思います。

 

診療所のセラピードッグ「ラブ」あしあと

左側がラブです

ラブの仕事は

ラブの存在は

たくさんの患者さんを癒しています照れ

 

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