最近、和式便所が見直されています。
その理由は便を出すのに理にかなった姿勢だからです。
欧米でトイレに置く足台が普及していて、逆輸入のような形になってますね
私の患者さんの中にも
洋式便座よりも和式便所の方が便が出やすい
と言ってる人が多いですね。
でも、国内においても和式便所は今や天然記念物になりつつあります。
和式を探す方が大変ですよね
自宅のトイレもほとんど洋式じゃないでしょうか。
で
困った患者さんがとった方法が
洋式便座の上にしゃがんで
和式便所のようにして
排便する
というもの。
意味わかりますかね?
座る便座の部分に
便器の中に落ちないように注意して
トイレの蓋を抱え込むようにして
しゃがんで排便するんです。
この姿勢になりますよね?
この姿勢になると
直腸肛門角が開き
直腸と肛門がストレートに近くなるため
便が出やすいのです↓
左側は洋式便座に普通に座った場合。
右側は和式トイレでの姿勢。
膝を折り曲げ太ももをお腹に引き寄せるようにすれば直腸と肛門が真っ直ぐになり、便がストンと出やすいのです。
これは座位だけじゃないです。
横向きに寝転がった姿勢でも同じ。
だから診察の時に
「膝を揃えて、しっかり胸の方に引き寄せて下さい」
って声かけしてるでしょう?
この姿勢を取ると診察がしやすいですし、直腸鏡など奥に挿入する場合でもスムーズに入ります。
摘便する時も必ずこの姿勢です。
診察も排便も摘便も姿勢一つで随分違います。
効果的に便を出すために和式トイレは非常に優れていたとも言えますね。
そしてもう一つ、重要な利点があります。
何だか分かりますか?
トイレの時間です。
和式トイレの姿勢だと長く頑張れません
足がしびれてくるので自然にトイレの時間が短くなります。
あるいは一旦、トイレから出る人が多いです。
そうやって「いきみすぎ」を防止してくれていたんですね。
ただ欠点もありまして・・・
ひどい脱肛(イボ痔が大きくなって外に飛び出す状態)の人は和式便所だと便も出るけどイボも出やすくなります。
中のものが外に出やすい態勢ですからね
仕方ありません
だからイボ痔を大きく育てる前に使いたいトイレでもあります。
子供の頃に和式便所っていうのは悪くないですね。
イボ痔の予防が出来るんじゃないかって思いますね
それに
この姿勢をとるためには
足首の柔軟性が必要です。
そして膝の曲げ伸ばしもスムーズに出来なければなりません。
つまり
小さい頃から和式便所を使うと
足首の柔軟性が培われ
膝の曲げ伸ばしもスムーズになる
とも言えますね
最近の若者の中に和式便所でしゃがめないという人もいるそうですが、これは足首の柔軟性が無い証拠。
何を隠そうウチの息子がそれ!
和式便所だとウンコ出来ません
しゃがもうとすると
後ろ向きにコロ〜ンと倒れてしまいます
洋式トイレで育ちましたからね〜
ボットン便所で育った私は足首はむっちゃ柔らかいです
いやはや
恐るべし!
和式便所!!
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足を折り曲げてますね
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