(200)教科書師匠患者さん | 大阪肛門科診療所 院長 佐々木いわおブログ──『過ぎたるは及ばざるにしかずだよ、佐々木君』

大阪肛門科診療所 院長 佐々木いわおブログ──『過ぎたるは及ばざるにしかずだよ、佐々木君』

「切りすぎた肛門は元には戻せないんだよ・・」故隅越幸男先生の言葉をいつも心の真ん中に置いて「切りすぎない手術」「切らない肛門診療」を追求する肛門科専門医が、手術のこと、治療のこと、日常のことを、綴ります。


診療をしていると

教科書に書いていないことに

遭遇します。

多分どんな科でもそうなのでしょうが、

少なくとも肛門科ではそうです。



私は肛門科のことしか知らない

肛門バカ(笑)ですが

むしろ教科書に書いてあることの方が

少ないとさえ感じます。

「キモの部分は書いてないんだ・・」

とすら思います。

そこが面白いのに。



多分、そういう大切なことって

標準化できないのだと思います。

教科書に書けることは、

誰が見ても、聞いても分かるような

明らかなことに限られる。



なぜだろう・・と考えてみて、いくつか

理由らしきことを思いついたのですが、

一番大きな理由は、

世の中全体の、

数値化できるデータを重要視する風潮

じゃないでしょうか。

論文を書くときにもデータが重要ですし、

教科書を書く医者も、大抵は

論文を書くのが得意な人です。

みんな数字が大好きです。

私にもそういう時期がありました。



でも、

「客観化や数値化ができなくても事実は事実。」

そんな技術を師匠に見せてもらって

考えが変わりました。



同じモノを見て、私に分からないことが師匠には分かる。

同じモノを触れて、私に分からないことが師匠には分かる。

はじめは信じられませんでした。

でも、師匠には病気が見えているんです。

その証拠に、師匠がやれば治るんです。

師匠の技術を信じるようになって、

数字や画像に頼る考え方を捨てました。

頼るとヘタになる、と自分を戒めています。



支離滅裂な話になってしまいました。

師匠には

とにかく患者さんの話を

聴くことが大切だと

教えていただきました。



感謝。