大阪肛門科診療所 佐々木いわお院長ブログ──『過ぎたるは及ばざるにしかずだよ、佐々木君』

良い手術、こわくない手術を求める終わりなき旅──手術をやり過ぎた肛門は元に戻せません。だから少なめに取る意識が大切です。師の教えに救われてきた肛門科専門医が手術のこと、治療のことについて、自戒の念も込めて綴っています。


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例えばの話なのですが。



モノ作りということで考えると、

決まった型のモノを数多く作る

そういうプロがいる一方で、

お客さんの要望に沿うように

一つ一つ違うモノを少数だけ作る

そういうタイプのプロもいます。



どちらの技術が高い、とか

言うわけじゃないのです。

異なる環境で同じ型のモノを作ることは

地味だけどスゴい技術です。

でも、

一つ一つが細かい部分で違っている、

そんなモノを意図して作る。

そういう技術もやはりスゴいと思う。

両者は異なる技術なのです。



別の例で言ってみますと、例えば

料理ということで考えると、

安い値段で数多く質の高い料理を提供する

定食屋さんに対して、

一つ一つに手間暇をかけて

高いけれど少ない数しか提供しない

高級料理店もあります。



高級料理店の料理の方が

単体で言えばウマいのかも知れませんが、

じゃあ高級店の料理だったら

みんなカネさえあれば無条件に行くのかというと、

ちょっとちがうでしょ?

値段が高い分、

高級店ほど好みが分かれるんじゃないですか?

あの値段でこの料理だったら、

接待なら使うけど自腹では来ない、とかね。



定食屋さんが持っている

安価で短時間で多数の

しかも多くの方の好みに合った料理を作る技術。

それも侮れない技術です。



例えば、高級料理店の料理人なら

定食屋くらできのるかというと

多分難しいんじゃないでしょうか。

やっぱり両者は異なる技術だと思います。



結局のところ

モノ作りも料理も、それぞれ

どちらが優れているとかではなく、

提供する側が何を目指すかが問題。

そして、

お客さんは求めている技術を持った

人のところに行けばよいのです。



不幸なのは、

両者を同じ土俵に乗せてしまうこと。

パパッと手軽に食べたいのに、

高級フレンチのランチに入ってしまったり、

こだわりの逸品を探しに

百円ショップに入るような事態です(^_^;)



当院の医療も同じです。

私は、たくさんの診療はできないけれど、

ひとりひとりの異なるゴールに

寄り添えるような、

そういう医療を目指しています。

そして当院の医療は高価です(汗)



沢山の人を安価に救える医療を

実践する医師は世の中に沢山います。

私はそういう先生たちとは

少し立ち位置が違います。

異なる技術と考えています。

自分が両方できるとは思いません。

私には私の得意分野があります。



医療の世界では

手術数が〇〇例、だからウマい、

患者数が〇〇例、だからスゴい、とか

数字の話がやたら多いです。

分かりやすいし、

目安としては良いと思います。

確かに少ないよりも多い方が良いと

思います。



でも、私は

お世話になった直属の上司に

「技術は数じゃないよ、

どれだけ丁寧にやったか、だよ。」

と教えられ、それをずっと信じてきました。

いつか上司の言葉を身をもって証明したい、

そう思っています。


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