BAでジュネーブへ | 女医の国際精神保健

女医の国際精神保健

精神保健および公衆衛生を軸に、韓国、ロンドン、ジュネーブ、ニース、フィジー、赤道ギニア、東京、インド。
他にも、旅行、馬術、音楽、写真などについて記載しています。

「SRC(生徒会)がジュネーブ訪問を企画します」
との案内があり、申し込み☆
総勢27人!
ちなみに、2泊で飛行機ホテル込みで約250ポンド。(約3万3000円)
学校トレーナー付きってのが修学旅行的な気分を盛り上げてくれます。

そして、「いつでもおいで~」と言ってくださる先輩さん にもお会いします☆

2月頃にEU関連を訪ねるベルギー2泊を企画してくれて、今回はその第二弾。
WHO ととUNAIDSMedicines for Malaria Venture が訪問先です。

WHOの関係者の半数はLSHTM出身者との噂。
なので、卒業生が受け入れをいろいろ協力してくださっているようです。
このあたりは、国際保健に強い大学院に進学した醍醐味です。

またしてもBritish Airwaysのストライキに振り回されながら、出発日を待ちました。
少し時間が変わりましたが、無事同じ日程で出発!


精神科女医のロンドン大学大学院進学

午前の便での出発だったので、ヒースロー空港で朝ご飯。
wagamamaに初めて入りました。
そして、食べたメニューは正に「asa gohan」
白米、ワカメ味噌汁、たくわん、焼きシャケ。
久しぶりの白米は感激☆

1時間40分の飛行時間と1時間の時差。
ビジネス客がたくさんの機内と空港。
男性率高い!スーツ率高い!!


精神科女医のロンドン大学大学院進学

日本円を持っていたので飛行場で換金。
1万円で114フランでした。
お札がカラフル!おじさんだらけ!!
気になるのは10フラン札のおじさんのポーズ。

ホテルに荷物を置き、とりあえずバスでWHOへ向います。
ホテルが滞在期間中のバス無料券を発行してくれました。
しかし、バスに乗車券の確認作業はなく、実質全員に無料!?
ロンドンに比べると静かです~


精神科女医のロンドン大学大学院進学

ジュネーブは人口20万人の小さな都市。
でも、スイスにとってはチューリッヒに次ぐ大都市で経済、産業、教育などの中心。
そして、人口の半分は外国人だそうです。
移民、国連関係者、フランス人のお金持ちなどなどなのかな?
この湖が皆の中心!


精神科女医のロンドン大学大学院進学

フランス語のWHOの略称はOMSのようです。
OMSのバス停で降りると、そこはWHO。
オンコセルカ症 などの銅像が入り口前にあります。
WHOに着き、はしゃいで皆で写真合戦。
ナイジェリア同級生達が銅像をみて「兄弟と写真撮る!」
「黒さ」つながりらしい。

身分証明書を受け取り、中へ。
渡り廊下で複数の建て物がつながっているのかしらん?
入ってから歩く歩く。

Neglected Tropical Diseases の部署からお話がありました。
この部署は、対策が遅れている後回しにされがちな感染症を専門にした部門です。
説明してくれたイタリア人の先生が熱い!
こういう人大好き☆

1、死なない(でも障害にはなる)
2、貧しい人がかかりやすい(発言が追いやられやすい)
3、感染症は遠くまでは伝染しない(離れた場所の人や先進国の脅威ではない)
などが対策が後回しになる大きな理由のようです。

1、一人一人に治療
2、集団予防(ワクチンなど)
3、感染経路のコントロール(飲料水や住環境の管理、病原菌コントロールなど)
が取られる対策ですが、どの病気かによりどこまで対策できるかが違います。
tool ready NTDやtool deficient NTDと呼ばれ、前者は診断や治療が確立されています。後者は、まだ開発中であったり、副作用が強過ぎたりします。
そして、1は高い!
費用対効果なども重要な議題です。

貧しい人を中心にこれらの感染症が1人に5種類もしくは6種類と共存することは稀ではないようです。

lymphatic filarisis, dengue, guinea worm disease, hook worm, typanosomiasis, leishmaniasis, leprosyなどがこの分野に入ります。
日本の医学部では、あまり取り上げられない疾患です。
実際の患者さんも日本の臨床で診た事ありません。
(ちょっと医学生の気分になりながら聞いちゃいました、この部分)

治療薬が存在しても、必要な地区が買えない、届かないとなると治療にはつながりません。
製薬会社をコーディネートしたり、各国の保健省にガイドラインを示すのもWHOの仕事です。
なかなか一筋縄ではいかないことが多いようで
「公衆衛生はfrustratingなことの多い仕事だよ」
「なんといっても、なんでもevidenceを示せってことで、時間も手間もお金もかかるよ」
「evidenceなんて言わなくても、問題は自明じゃないかあ!って叫びたいよ」
「考え方や目標が共通な人々と一緒に前進することが大事」


先輩Sさんに電話すると、
「丁度仕事も一区切り着いたところなので、案内するよ~」
わーい☆お久しぶりです~
日本人/カナダ人同級生ちゃんと2人で伺いました。


精神科女医のロンドン大学大学院進学

34カ国の代表が集まる会議場も見せてもらいました。
ここでパンデミックの話しやタバココントロールの話しが決まって行くのですね。


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日本寄贈の庭園。
桜の木も別の庭に寄贈とのことで、季節になると桜が満開だそうです。

以下、教えて頂いたことを少々。()内は私の感想☆

現在193カ国が加盟し、各国の保健省/厚生省がcounterpartです。
1988年から10年間は日本の中嶋先生がdirector generalでした。
現在は香港のチャン先生(女史!)です。
エイズ結核マラリアNTDの局長は日本の中谷先生です。
(やはり大きな役職に日本人がいるかどうかで、政治的な影響力が全く異なるようです)
(ちなみに、非感染症と精神保健の局長のアルワン先生はLSHTMの同級生のパパです)
WHOの5大機能
1、疾病制圧のための政策、指針の作成
2、加盟国への技術支援
3、良質な医薬品確保の基盤作り
4、世界統計の整備による各国の政策形成と進捗評価への支援
5、パートナーシップとの恊働
日本の最近の拠出金の低下は大きいようで、それに伴い発言力も低下傾向。
日本からの人材は相変わらず低空飛行。(ここは日本、日本人、私達が頑張らないといけない点)
MDGの妊産婦死亡の削減、5歳以下の死亡の削減、HIVマラリア結核の削減が現在の大きなテーマ。
WHO職員に求められる資質
1、専門性
2、公衆衛生の広汎な知識
3、簡易運営能力
4、政治的配慮(国の支持、地理的配分)

WHOで働く人ならではのご意見も伺いつつ、日本のWHO内での位置づけも伺いつつ。
いつもながら鋭い視点とこまやかな心配りが冴え渡るSさんです。
さすがです。

フォンヂュ 行きましょ」
とのことで、連れていてもらったお店はグルメさんで混み混み!


精神科女医のロンドン大学大学院進学

ロゼワインで乾杯しつつ、ハムの前菜☆
美味しい!
スイスは美味しいぞ、絶対。


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サラダもフォンヂュも着ました!
このお店はヒル氏 もお気に入りのお店なんだって。
私はヒル次官大好きです。
聡明さの中に温和さがあって、ちょー憧れ。
いつかお会いする機会があることを願っています。


精神科女医のロンドン大学大学院進学


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美味☆
がっつり頂きました☆
このおこげ的なものもカリッと美味しい。
店員さんがさくっとはがしてくれます。

満腹~
そして、すっかり先輩さんにゴチソウになってしまいました。
ありがとうございます。
出世払いします☆

その後、先輩さんご一家宅へお茶にお招き頂きました。
お正月以来のチビッコ達も、元気に楽しく学校に通っているようです。
意見がしっかりしていて、将来が楽しみです。
奥様も変わらず穏やで優しい。
なんだか安定感があって、お会いするといつもこちらが落ちつきます。
今後ともよろしく御願いいたします。
アルプス一望のマンションも素敵でした~

ホテルまで送って頂いちゃって、本当に御世話になりました。
ホテルに着いてからも同級生ちゃんと本日受けた刺激について話しが盛り上がりました。

やはり人に教わり、人と共有するのは素敵です。