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宮本常一さんの「調査されるという迷惑」を読みました

2017-08-19 Theme: 精神保健

質的研究に取り組むにあたり、「調査に出る前に一読をお勧め!」と言われ、下記を読みました。

フィールドワークのバイブル的な一冊とのこと。

 

 

 

人文科学の専門家が現地調査に行く際の注意事項を経験や事例をもとに教えてくださいます。

人文科学は人類学みたいに村落などに行き、生活様式などを描写したりするようです。

そこでの現象を捉えるために、長いこと滞在して、一緒に生活して、心を開いて地元の人がいろいろ話してくれたり見せてくれたりするのが大切なようです。

そのような設定では、研究者は「よそ者」であり、「お客さん」であり、「地元とは切り離したところに研究成果を持っていく人」であり、ということが起きうるようで、そこへの問題提起と解決策が記載されています。

場合によっては、研究成果の発表は地元の人に不利に使われたりなんてこともあるようです。

 

人類学とか多分化精神医学でも似たような議論を聞くことはあります。

観察者はいかに壁紙になるかが重要で、存在が現象を捻じ曲げないようにって感じで。

これは需要な視点だと思いますし、何しろ「研究者・測定器が介在して捉えた情報である」ことを文献で明らかにし、読み手がその状況を把握し、結果を解釈する必要がある点では同意します。

しかし、「壁紙」にはやっぱりなれないのではないかと思います。

 

全体の現象を捉えようとする人文学などの分野に比べて、医療の質的研究はもう少し特定の問題とそれへの解決策に焦点が絞られているように思います。

そんな視点からこの一冊は大事な現実ですがロマンチックな現実にも私には映ります。

カチッと方法論が決まっている量的研究に比べて、質的研究は何を重視するかにより方法論や解析が異なります。そして、指導者や研究チームが価値観が似ている方がやりやすいのだろうなと想像いたします。

 

研究への向かい方でこんなにいろいろ考えさせられたということを考えても、この一冊が筆者のトップクラスの経験と洞察に基づいて記載されたからだと思います。

 

この本とは直接は関係ないですが、「質的研究は準備からインタビューまでとインタビューから解析・執筆までは同じくらい労力がかかります」、「論文は20本くらい書くと要領がやっと掴めます」と先日伺い、加えて「2本目の労力は1本目の半分、3本目は1本目の三文の一」と伺い、目安にしたいと思いつつ、質的研究に圧倒されながら準備を進めている心持ちは変わらず。。。

質的研究は研究者が測定器になることを考えると、「強制的に精神医療を受ける当事者の感想とサービス向上への提言」というテーマは、「当事者グループと医師(私)」が手を組んだ今回の研究チーム以上に上手に扱えるチームはいないと思うのです。

圧倒されながらも「私たちがやらずに誰がやるの!当事者に役立つエビデンスを!」と初心を思い出して、前進します!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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