皆さんこんばんは、珠下なぎです。

前回は久々の更新にも関わらずご訪問くださってありがとうございました。

本当に嬉しく思います。


本日は前回の続きです。


1.加速するアメリカ型医療への以降

 

 前回は日本の医療が次々に市場としてアメリカに開放され、その裏に経済諮問会議の存在があることを述べました。


 では、具体的にどんなことが起こるのか?

 これは堤さんの危惧されている未来予想図と、以前私が「国民皆保険制度の壊し方」という題名でブログに書いた内容にはかなり共通点が多く見られました。

国民皆保険制度の壊し方1  国民皆保険制度の壊し方2  国民皆保険制度の壊し方3TPP編


 おおまかな筋書きとしては、二つあります。


 一つ目は、国家戦略特区を中心とした流れです。


国家戦略特区を手始めに混合診療を導入→最新医療は混合診療にとどめ置かれ、公的保険の適応範囲が相対的に縮小→民間保険の参入(もちろんアメリカ資本)

この流れは、国家戦略特区の中で初めは起こるかもしれませんが、現政権は特区での規制緩和をいずれは全国区に広げると明言しており、いずれは全国にこの流れが拡大すると考えられます。


二つ目は、TPPを中心とした流れです。



TTPの交渉内容のひとつに、「知的財産権」の保護があります。ここに、医薬品の特許権なども含まれます。WTO(世界貿易機関)では、「知的所有権の貿易関連の側面に関する協定(TRIPS協定)」という知的財産権の保護規定を定めており、特許の対象となる「新薬」については、加盟国が国内の法令や事情を考慮しながら、決定できることになっています。


詳しくは国民皆保険制度の壊し方3TPP編 に述べていますが、アメリカは新薬の特許期間をいくらでも延長できるような方法を用いて、安価なジェネリック医薬品の普及を防ごうとしています。


さらに恐ろしいことに、TPPの裏で、公共サービスを自由化しようというTiSA(新サービス貿易協定)が薦められているそうです。


この中で、既にアメリカは日本の国民皆保険制度、株式会社の医療法人経営を禁じる医療法について具体的な要求を出しているそうです。恐ろしいことですね。



2.日本の近未来韓国


日本より少し早く米韓FTAを締結した韓国では、私がブログで危惧していた流れが実際に起こっていると本書では紹介されています。


ジェネリック医薬品の阻止→医療費の高騰→公的保険の縮小→民間の医療保険の参入という、まさに日本の近未来図です。


その結果何が起こったかというと、体調の悪い患者も病院の受診を控え、皮肉なことに公的保険財政は大きな黒字を出したそうです。


こうした未来図は、まさに日本政府と米国企業にとってはwin-winの関係です。

ただし、国民の健康と幸福を大きく犠牲にしたうえでの話です。


本国の米国でも、医療法人や介護保険施設に株式会社が参入した結果、サービスの質が大きく落ちるという研究結果が、カリフォルニア大学の研究結果で出ているそうです。


次回は、日本の未来がこうならないために何ができるか、堤さんの本の内容をヒントに考えたいと思います。


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最後までお読みくださってありがとうございました。


初めての方はこちらをご参照ください。




★このブログで、私が一番言いたかったこと★



第1部「心のケアのあり方」についてのまとめ
第2部「心のケアから現代社会を考える」のまとめ1
第2部「心のケアから現代社会を考える」のまとめ2
第2部「心のケアから現代社会を考える」のまとめ3
「第3部 現代社会への処方箋~持続可能な社会の実現に向けて…
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(目次で読める記事は昨年9月までとなっております、申し訳ありません)
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