30周年記念大会ということでプロパフォーマーの選手入場前演出があった。
かったるいなぁと思い観てたが、最後は30という数字になったのでこれは良しとしよう。
いつものタイミングで選手がアップ出来ないので、こういう演出には私は否定的な考えです。

そして驚いたのは炎の演出。
火炎放射器を演出用に用いているわけで、30m離れていても熱を感じる代物でした。
絶対に事故が起きない可能性はゼロではありません。
ある消防官の言葉ですが、「考えられないことが起きるのが事故」なんだと。

万が一があったら?
機器が暴走したら?
ノズルが違う方向に向いたら?
爆発したら?
決勝の試合なんて開催できないでしょう。
本当に100%絶対安全と言えるのでしょうか?

職業柄様々な事故事例を見てきているので、ガソリンを用いたあの演出は恐怖でしかありませんでした。
それと同時に、武器としての恐ろしさも改めて認識しました。

私はサッカーの試合開催を脅かす可能性のある演出をするべきではないと考えます。
決勝の試合を見に来たわけで、演出を見に来たわけではありません。
やるなら安全な演出だけでやって欲しい。





清水エスパルス 1-2 サンフレッチェ広島


久しぶりのIAIスタジアム日本平、試合前の天気は曇り。

Jリーグトップクラスのピッチ管理が上手い日本平の芝生が長い。練習前の散水も無し。

今の清水はドウグラス頼り、篠田監督ならロングフィードとショートカウンター。サンフレのパスサッカー封じのピッチ調整だろう。


練習の時からボールが転がらない。

キックオフ後もサンフレの選手はピッチに違和感があるのかパスミスばかり。

清水は予想通りドウグラス頼りなのだが、流石ドウグラス。空中戦に強いサンフレディフェンス陣を物ともせず、競ったシーンは全勝だったのではないか?

1人次元の違うドウグラスに翻弄され、セットプレイでもドウグラスの個人技に決められ先制される。


リードされカウンターのチャンスがあってもサンフレは遅攻で仕掛けず、相変わらずリスクを取らない攻め。

これでどうやって逆転するのか?疑問を感じたまま前半が終了する。


前半途中から霧雨だったのがハーフタイムから雨が強くなる。

そしてピッチが濡れてボールが転がり始める。

そう、雨によってサンフレに有利なピッチに変わったのだ!


ここから選手は躍動し、清水はドウグラスを残してドン引き。

セカンドボールも面白いように拾えるのだが、固い守備を崩せない。

するとサンフレは城福さんお得意のあるタイミングでスイッチを入れる攻撃に移る。

これをやり始めると清水ディフェンスは対応出来なくなり、センターバックがヴィエイラの囮に釣られ始める。

城福さん得意の相手センターバックを動かすムービングが活きてきたのだ!


ドン引き守備の中にスペースが空けばシュートコースが空く!

柏のパスを川辺が流し込んで同点ゴール!

そして勢いそのままに今度は柏のクロスにヴィエイラが見事なヘディングで叩きつけて逆転!

この2つのシーンとも、左右は違えどゴール前のサンフレシューターに対峙する清水ディフェンスはサイドバック1人のみ。

ムービングによって見事に相手センターバックをゴール前から不在にして決めたのだ!

城福サッカーの真骨頂である。


あとは時間を上手く使い逆転での完勝。

ヴィエイラ復活で勝ちパターンも復活!

ラストスパートに期待しよう!





城福さんの限界が見えた名古屋戦


サンフレッチェ広島 1-1 名古屋グランパス


ACL、ルヴァン・カップ、天皇杯で敗戦し、あとはリーグ戦だけ。

優勝も来年のACLも賞金も見えていたのに9月は未勝利でエディスタに秋風が流れ込んだ。


2年間城福さんを信じて支持してきたが、ここではっきり言う!

このサッカーではこれ以上、上には行けない!


結局やって来たのは守備を固めてパトリックでぶん殴るサッカーだけ。

パトリックがいなくなり、ヴィエイラとペレイラが怪我したら何も残らないサッカーだった。

初采配のマッシモ相手に決定機を作れないサッカーに未来はない。


城福さんのムービングは相手CBを動かすこと。

守備的サッカーだけにウノゼロが生命線。カウンターを受けることを極端に嫌いリスクを取らない遅攻のサッカー。

昨夜は攻撃パターンを全て読まれ、交代で入ったヴィエイラが流れても相手CBは動かず。

引いた相手への崩しもパターンが同じで通用せず。


城福さんの戦術を全て研究され、攻撃が全く通用しない状態の名古屋戦。

あれで試合後のインタビューで「決定機を作らないと!」発言には唖然としました。

決定機を作らせるサッカーを制限しているのは監督自身なのに。


前線からのプレスとスパイク一足分の寄せで守備を固めた。

コンパクトな守備陣形を維持するためにカウンターを受けることを嫌った。

カウンターストップの名手、カズの引退も大きいだろう。

リスクを取らない遅攻のサッカーでは、引いた相手への攻撃だけとなる。


監督の采配の中で野津田はキラメキを失った。

思い切りの良いミドルが特徴の野津田だが、カウンターを受けないためにミドルを制限され自分を見失う。

前線でボールをキープするワントップ役目で渡が活きることはない。

昨夜何度も動き出しをした渡だったがボールは配給されず。全てはカウンターを受けないため。


頑固なまでに守備固めの方針を徹底すれば良いのだが、攻撃の策のなさに監督自らハイネルという毒を食らう。

昨夜の失点はハイネルのフォローが無かったため。エミルや航平ならウノゼロで逃げ切れた試合。


プロサッカーチームの監督には旬がある。

策が尽きた監督を引っ張ることはできない。

解任の必要はないが、更新の必要もない。

ホームで10,800人の観衆は、未来が見えないサンフレッチェへの抵抗の現れだろう。

サポーターだけが頑張っても集客は増えない。

ライト層とファンが試合に魅力を感じないと集客に繋がらない。


以前から言ってたが、城福さんはJ2向きの監督であり、J1でタイトルを狙える監督ではない。

サンフレッチェの未来はタイトルを狙うことで開ける。J1とはそういう場所。

オリジナル10のプライドが試される時です。

フロントさん、分かっていますよね?





剱岳

私の一番好きな山です。

快晴の日にもう一度登りたい山。

日本百名山の1つであり、美しく雄大で誰もが憧れる反面、未熟な者を受けつけない厳しい山。


山に置いてきてはならないのがゴミと命。


8日に行方不明になっていた19歳の女性が遺体で発見されました。150mも滑落して。

本当に無念です。

若い彼女の剱岳に登りたい衝動は本当に理解できるし、関東からのルートも被るので他人事とは思えないのです。

山頂からLINEを送ったらしいので登頂には成功したはず。なので彼女は体力も登る技術も持っていたでしょう。

彼女に足りなかったのは計画する技術でした。


剱岳に行くには富山から立山黒部アルペンルートで室堂に入ります。ここから剱山荘まで約3時間。剱山荘から山頂まで3時間です。

山小屋へは15時に到着するのが山の標準的な考えです。

東京から始発の新幹線で行っても室堂平へは11時頃の到着。そこで昼食を兼ねて高度に慣らすため時間を取ります。そこから剱山荘に向かうと15時ギリギリなのです。

山小屋に泊まるか、テント泊しない限り剱岳へのアタックは不可能です。


普通の人は泊まった翌朝5時頃に出発します。

前剱を超えると危険な場所の連続になるので、そこからは陽が昇った時間帯で通れるように。

室堂平にいる立山のガイドさんは、剱山荘に行くのでさえ1人ではやめた方が良いとアドバイスされます。


彼女は室堂から一気に山頂を目指して17時頃に登頂に成功していますから、凄い体力の持ち主でしょう。

雷鳥沢で剱岳登頂の下りで彼女とすれ違った人がいました。

軽装で違和感を感じたそうです。

この方は声掛けをしていません。

何故なら雷鳥沢の時点で、そのまま剱岳にアタックする人がいるなんて誰も考えられないからです。

途中に別山乗越の山小屋もあるし、ここから立山へ行く人もいるからです。


剱岳にアタックした人の殆どは、午前中のうちに剱山荘まで帰って来ます。

なので彼女が剱岳に向かった時間帯には、誰ともすれ違うことはなかったのではないでしょうか?

誰か一人でもすれ違えば、時間帯からも彼女に静止が出来たと思います。


剱岳に登る人はそれなりの技術と体力を持った人が多く、初心者はまずいません。ですが極稀に高度の恐怖からカニノタテバイで固まって動けなくなり泣き叫ぶ女性もいるということを聞いたことがあります。

手を離せば、足を滑らせれば死が待っています。勇気を持って登る以外生きる道は無いのです。

危険地帯の登りと下りが一方通行路でもあるからです。


真夏でも剱岳に登るときはダウンジャケットを持って行かなければなりません。

行動中は半袖で大丈夫でも、万が一に怪我をして救助を待つ場合、防寒着がないと低体温症となり命の危険があるからです。


17時に登頂した彼女。

ライトを持っていたとしても初めてなら道に迷わず帰って来るのは非常に厳しいです。

そして陽が沈み、急激に気温が低下して低体温症になりつつあったのかも知れません。動かない身体では剱岳の険しい道は厳しいですし、山の事故の殆どは下りで発生しています。


暗い、寒い、携帯が繋がらない、

絶望の状況でも彼女は必死に剱山荘を目指していたことでしょう。

しかし残念ながら戻って来ることは出来ませんでした。

山小屋は救助小屋でもあるのでいつでも泊めてくれますが、仮に彼女が電話予約していたなら、無謀な計画を止められたことでしょう。


未来のある若者が、若さ故の過ちで命を落とす。

残念でなりません。

誰か一人でも彼女にアドバイス出来る人がいれば救えた命なのです。

私はよく山ですれ違い違和感を感じた人には声掛けをしていますが、継続していかないといけないと強く感じました。


ご冥福をお祈りいたします。












ジュビロ磐田 0-2 サンフレッチェ広島


フェルナンド監督になって2戦目の磐田、新監督の戦術が浸透するし、手の内はわからずで一番戦い難い相手だった。

サンフレはヴィエイラが練習中の怪我で欠場。

ヴィエイラ頼りのチーム作りをしてきただけに暗雲が立ち込める試合となった。


試合はキックオフ直後から圧倒的に磐田の流れとなる。

前線から連動したプレス。そしてサンフレのサッカーを完璧に研究していた。

サンフレの強力な左サイドを封じ込めるため、3人から4人と人数をかけて追い込む。

サンフレは得意の左サイドが機能不全となり、悪い時のサイドこねこね状態。

右サイドもハイネルの持ったらアーリークロスも読まれていてこちらもチャンスを作れない。


ペレイラはボールが収まらず前線でキープできなくてサンフレはビルドアップができない。

東京戦で魅せた左右に振ってチャンスを伺うサンフレの攻撃は影を潜め防戦一方、順位が逆ではないかと思うくらい磐田に押し込まれた前半だった。

その中でも強力ディフェンス陣はなんとか踏ん張った。


後半開始2分、早くに投入された青山が流れを変える。

川辺が磐田にボールを奪われ、磐田の攻撃が始まる直後に青山がインターセプトでボール奪取。その青山に襲いかかる磐田選手を嘲笑うかのように青山は浮き玉でペレイラにパス。

ペレイラは青山がボールを持った瞬間に裏へ走り出した川辺にスルーパスを出し、磐田のディフェンス陣は完全にサンフレの右サイドに釣られる。


川辺は東へ折り返しのパスを出し、受けた東はシュートフェイントを混ぜて走り込んできたペレイラにラストパス。

ペレイラはがら空きのボックス外のバイタルエリアから強烈なインサイドキックでゴールに突き刺す!

城福監督の相手センターバックを動かす見事なムービングが決まりゴールに繋げた瞬間だった。


磐田は前線からのプレスでサンフレを封じ先制点を奪うゲームプランが崩れ、気落ちして前半のサッカーが出来なくなる。

徐々に勢いは薄れてミスから柏にボールを奪われ、柏がミドルを突き刺す。

こうなると前半から激しく動いた磐田の足は止まり、反撃もなく最下位チームの姿そのものだった。


膝の状態が完璧でなく70%くらいの力しか出せない青山。それでも抜群の存在感を見せた。

そして初先発のペレイラ。ヴィエイラのようなポストプレイは出来なくとも技術は高く、フォワードとしての能力はかなり高い。

ペレイラに合わせたサッカーを考えると言った城福監督の判断は間違っていない。今のサンフレに必要なのは勝ち点3だけなのだから。

それにしてもボックス外からインサイドキックで決める強烈ミドルシュートはなかなか見れるものではない。

ヘディングも上手く今後も楽しみである。