ワタルの独立起業物語(第29話) | 関西の若手起業家と専門家が学び合う【独立起業研究会】ブログ

関西の若手起業家と専門家が学び合う【独立起業研究会】ブログ

独立起業研究会は多くの元気な起業家と共に日本を元気にする事を目指します!      

起業した方、これから起業を目指す方、そして、それをサポートする専門家が集い合い、   

そして共に学び合い、専門家にも気軽に相談ができるコミュニティーを目指します。

前回はこちら



「え?株主!?」


ワタルは頭の中が真っ白になった。

そして、一瞬のうちに頭の中を疑問がぐるぐると回った。

(サガワさんはお金を貸してくれただけじゃないのか?
株主は、リュウジと俺の二人じゃないのか?

株主はそもそも何の権利があるんだ?)



サ「おいおい、目を丸くしてどうしたんだい?」

ワ「い、いや・・・」

焦るワタル。
しかし、サガワは優しく微笑んでこう言った。


サ「ワタル君、うすうす気づいていたよ。きっと君とリュウジ君は、私が“株主”とは思っていない、そして、株主である手続きをしていないってね。」

ワ「えっ、気づかれていたのですか…。すみません、私は全然知らなくて…」

サ「ワタル君、出資をしたということは、株主なんだよ。当然、株主としての権利ももらわない困るなぁ~」


穏やかだが、いつもより重圧感のある声で、サガワさんは言った。



思い起こせば、登記についてはリュウジに任せきりだった。

ワタルはあらためて後悔した。



そういえば、昔、独立起業研究会でタチバナ先生が言っていた。
「株主が2人で、その出資割合が同じだと、トラブルになる可能性がありますよ」と。


事業を進めるうえで、物事を決めるときに意見が割れた場合、二人が同じ出資割合だと、「過半数」という条件がクリアできないから、決めることが出来ないのだそうだ。



そうか。
自分には全然関係ないと思っていたが、いまは、ワタルとリュウジが株主で、出資割合も1:1になっているんだ。



ふとリュウジが言っていたボンクランのボールペンの事業のことを思い出した。

自分が反対したところで、事業はとめられないのか…。



ボンクランか、ボンクラかボウフラか知らないけれど、絶対にそんな違法はしたくない。


そもそも、「石原コーヒー」という名前なのに、ボールペンを扱うとは、まったくもって関係ないじゃないか。

コーヒー豆を使ったインクが入っているなら別だが…。
そんなわけない。


これは、サガワさんに入ってもらうしかない。



でも、どうしたらいいんだ?


・・・やっぱり、頼るは独立起業研究会だ。

弁護士のヨコテ先生に電話してみよう。


そういえば、ヨコテ先生は、東大阪の商売っ気たっぷりの家庭で育った、とも言ってたな。
きっと、事業のセンスもあるんだろう。


この際、事業についても相談してみようか。


そう、思いを巡らしているうちに、ワタルの携帯電話が鳴った。

ワタルの意思が通じたのか、なんとヨコテからの電話だった。



つづく