http://ameblo.jp/mama9000/entry-10693964343.html

上記のエントリーがにぎわっている。

たまたま目にしたのですが

これって医療ミスなのでしょうか?


以下に私の個人的な意見を述べておきます。

是非上記のエントリーに目を通してみてください。














いろいろと言いたいことがあるのですが焦らずのんびり書いていきます。

まず、このエントリーで
「医療ミスによって左乳房が失われた」

と結論付けています。

違和感を覚えました・・・・。

理由を説明します。

エントリーから読み取れる客観的事実を取り出すと

乳房にしこりあり
検査結果では良性(なんの検査かわからない)
3か月~半年に1回診察を受けていた
大した検査はしてない(なんの検査かわからない)
しこりが大きくなってきていた(程度がわからない)
乳頭から出血と排膿(膿かどうか不明)
医師から市の乳がん検診を受けるように言われた
5ヶ月後に乳がん(腫瘍は6cm)を指摘された



ミスがあるとしたら
・最初の検査結果を読み間違った
・しこりの増大に気付いていなかった
・増大に気づいていたが検査を読み間違って悪性所見を見落とした


この3点でしょうか
事実だけを追っていくと、市のがん検診を受けるように言われた時から、5か月の間に変化が起きたように読み取れるのですが。

これは僕が医師だからですか?
贔屓目になっていますか?


文章を読む限りでは
明らかにミスを犯したという証拠がどこにもないです。

医師は乳頭腫とか線維線種と診断していたのでしょうか。
何の検査をしていたのでしょうか。
具体的な情報がなく、かなり主観に基づいた話です
そしてコメントの多くが医療ミスという判断に同調してます

ものすごく違和感を感じ
そして同業者として恐怖を感じます

こんな風なストーリーがあったとします

触れる限りでは腫脹の増大は軽度
(たいしたことない)検査では変化なし
何度も待ち時間の長い外来に来てもらうのはためらわれるから市の検診をきちんと受けることを勧めた
5ヶ月後、良性腫瘍は増大し一部悪性所見を持っていた
急激な変化に驚いて、生命を脅かすような状態かどうかをしっかり検査した
切除の適応であったので一刻も早く摘出することが患者のためと思い数日後の手術の方針とした



この医者は悪いですか?

ブログ上の医師と同じ人間には思えないですよね?


勘違いしないでいただきたいのは、僕にかの乳房専門医を擁護するつもりはありません。責めるつもりもありません。
上記のとおり、裁く対象か擁護すべき対象かの情報が少なすぎるからです。


今回の事例は非常に悲しいものです。
年頃の女性が片方の乳房を失ったのですから。

これは誰のせいですか?

一番正しい答えは「病気」・・

と思います。

もしかしたら医師に落ち度があったのかもしれない
医学的に落ち度はなかったが、説明不足があったのかもしれない
患者本人とは新ら関係が築けていたが家族とはできていなかったのかもしれない

真相はわかりません

医師の怠慢と決めつけた要因は
看護師の主観的意見のみです

看護師の意見は正しいのかもしれません
そうでないのかもしれません・・・

わからないからこそ不用意な発言はよして欲しいと思う。

一方的に医師を悪人と決めつけるコメント多数寄せられていることに違和感と恐怖を覚えるのです。



この悲しい出来事から僕が学ぶとしたら

自分の考えや、思いというものを

なるべく適切に相手に理解してもらえるように努力する必要があるということでしょうか。


マスコミを通してではなく
患者再度から直接の情報だっただけに
やりきれない思いを抱いてしまいました。


勝手なことを言って患者の気持ちがわからないからそんな冷たいことがいえるのだろうとか
乳房をなくした妹の気持ちになれとか

そんな意見が聞こえてきそうです

でも



患者の気持ちはわかります
自分も病気くらい患ったことがあります


患者家族の気持ちもわかります
自分はあと一歩で助からなかった身近な命を知っています



お互いが歩み寄り
手を取り合い
病気の不利益を受け入れられるようになるにはどうしたらいいのでしょう

受け入れ
立ち向かうものとして

自分の役割を考えさせられます。